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救済

作者: とろめぐり

 俺は人生に絶望した。

 この世界はなぜ俺の大事な人を奪っていくのかと。

 俺には優しい家族がいた。

 声を上手く出せない俺にでも優しくしてくれた。

 けど家族は銀行に行った時に銀行強盗に襲われ殺された。


 俺には優しい彼女がいた。彼女はいつも俺のそばに居てくれて励ましてくれた。

 けど彼女は元彼氏に襲われ殺された。


 なぜだ?俺に優しくしてくれた優しい人達はなぜ殺されてしまうんだ?

 神よ……教えてくれ

 あなたはどうしてこんな世界を作ってしまったんだ?

 どうして俺を造ってしまったんだ?


 俺は神に朝も昼も夜もずっと訴え続けた。

 そして訴え続けて7日目に神の声が聞こえた。


 あぁ……やっと答えてくれた。

 神よ、俺は何をしたら解放されるんだ?

 どうしたらこんな世界を変えられるんだ?

 ………………そうか……そうなのか

 神……様の仰せのままに



 俺はすぐに動いた。

 この世界を変えるために…………





 俺は町を歩いた。

 この世界に相応しくない者を天に送り神様のもとに向かわせ救済するために。


 まずはじめに目についたのはゴミを残したまま帰ろうとする奴らだった。

 俺はそいつらのもとに向かった。

 するとそいつらの1人が

「あっ?お前なんかようか?あぁん?」

 と言ってきた。

 そいつらに反省する態度は見えなかった。

 だから俺は

 パァーン

 心臓に穴を空けた。


 そいつらは穴を空けられた奴を何秒か見つめてから、我に返って雲の子を散らすように逃げ始めた。しかし俺は救済するために、そいつら全員の胸に穴を空けた。

 こいつらは救済できた。


 こっちを見ながら写真を撮っている男がいた。

 失礼な奴らだと感じた。

 だからそいつを救済してやった。


 遠くからパトカーの音が聞こえた。

 面倒な事になっては救済出来ないと判断して、俺は救済した内の1人の心臓を取り除いて走って帰った。


 家に帰り一息をついて、神様に俺は先程取り除いた心臓を捧げた。


 ……神様、まだ救済した者は少ないですが、これから少しずつ多くの者を救済していきたいと思います。


 俺は久しぶりに気持ち良く寝る事ができた。救済は素晴らしい



 朝になり俺は、朝の救済活動を始めようと考えた。

 そして外に出てすこし歩いていると、お年寄りの方が倒れ込んでいるのを見かけた。

 俺はすぐに駆け寄って、大丈夫かどうかしどろもどろになりながらも尋ねた。

 お年寄りの方は

「ただの貧血じゃよ。ありがとう。優しい人」

 と、お礼を言ってくれた。

 俺はこういう人が世の中に必要だと改めて分かった。この人には救済をする必要はなかった。


 昼になりまた救済活動を行おうと、昨日行った場所に向かってみると、警官が大勢いた。

 何か事件があったのだろう。ここら辺も物騒だなー、と思いながら通り過ぎようとすると、後ろから

「そこの方。止まっていただけませんか?」

 と声をかけられた。

 振り返ると警官だった。

「昨日の事件ご存知ないですか?」

 と言われた。

 やっぱり事件が起きていたんだ。

 俺は首を横に振り、何も知らないことを教えた。

「あっそうでしたか。すみません。お忙しいところ」

 俺は警官に頭を下げ立ち去ろうとしたら、前の女性が俺に指を向けて驚いたような顔をしていた。

 失礼な人だな、と思い救済をした。

 すると警官がなぜか俺に向かって銃を向けて、

「お前だったのか!そこを動くな!動いたら撃つ」

 と言ってきた。

 一般の善良な市民に向けるとは警官なのに酷いなと思い、救済をした。

 すると遠くから沢山のパトカーが近付いてくる音が聞こえた。

 これは囲まれたな、と分かり俺はある決断をした。


 この近くにいる奴らを全員救済することを


 この世界に住んでいる時点で救済が必要なんだ。ならば俺はその手助けをするだけだ、と


 俺はすぐに行動をした。弾切れがちかかった銃はすぐに使い切り4人を救い、ポケットに入れてあったナイフで逃げようとしている奴らを次々に救済した。


 俺の周りには救済した人だけになり、遠くには武装した警官達が周りを囲っていた。

 そして警官はこんな事をいってきた。

「お前はもう逃げられない。大人しくして捕まりなさい」

 と。

 何を言っているんだ? と思った。

 俺は大人しくしているし、していることは救済活動だ。警察からは褒められることだ。なのに犯罪者のように扱われている。

 これは救済をしなくてはいけない。

 俺は上手く喋れないが大声で叫んだ

「お……まえら…………救済…………してあげ……る」


 警官らは何を言っているんだと、思っているようだが宣言通りだ。おまえらを


 救済してやる


 俺は走った。警官らは俺に銃を撃ってきているが気にしない。

 鉛玉が俺の腕、腹、足にめり込んできてとても痛かったが気にしない。だってこれは………………


 救済活動なのだから。救済活動には痛みは付き物だ


 だが俺でも体が動かなくなりそうだった。だから俺はとっておきの物をポケットから出した。…………爆弾を


 警官らは爆弾を見たとたんに引火して爆発をするのを恐れ撃つのを止めた。

 俺は体が今にも倒れそうだったが、最後の力を振り絞り警官達のすぐ近くまで近づき、

「良かっ……たね。救済し……てもらえて」

 と言い、爆弾を俺の足元に投げつけ爆発させた…………………………


 俺は今、もの凄く満たされている。

 まだまだ沢山の人を救わなくてはいけないのに死んでしまうのが心残りだが…………


 あぁ神様……俺は人を救えた。この世界を少し変えることができた。

 ありがとうございます神様。あなたのおかげで、私は生きる道が作れました。



 この世界が平和になりますように………………

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