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if√if  作者: 北口
【IF世界編】Fork Of The One
18/21

自分と自分


…頼みたかったこと…約束して欲しかったことがひとつ。

…俺が目覚めないまま1年が経つようなことが起きたら、その時は、俺のことを殺してくれ。

俺に…生き地獄を見せないでくれ。


…彼女の笑顔を曇らせたくなくて、その願いは飲み込まれた。



ーーー。視えた。

…今日は学校を休む事にした。

少し遅めの朝食を取った後、家を出る。


…能力が変わっている?…成長している?

いや…もしかしたら、灰身滅智が弱まったから、逆に元の力が強まったとか…なのか?

なぜそう思ったのかというと、視えた光景は…“あの場所”に立つ自分。

明らかに、今よりかなり先の時間のifを視れたからだ。


或いは…それだけ、重要なのか?


ーーーーーーーーーーーー


公園。そこは、家と家の隙間、道路を途中で外れた先にある、非常に解りづらい、隠れスポットだ。


昔に“あいつ”と見つけたその公園。

遊具も何もない。広いか狭いか微妙な其処にはベンチが一つだけ。

かつては、そこに広がる草原に寝転がって、よくゲームをしたものだ。


「…?」


ここに立っている自分の姿が視えたから来たが…何もない。


「っ…?」


体がどうにも怠い…きっと、無理をしたからだ。


灰身滅智…それは限界を超える力だ。

それのサポートを受けてずっと生きていたのだ、その度合いが減ったことで、その力は弱まったはずだ。

相対的に見て、怠く思えているのかもしれないが…それだけか?いや、違う。


昨日の…あの、雷は…。

反動が来てもおかしくはない代物だ。


…あの夢通りになりたくないのなら、使用は控えるべきだろう。



偶にはここでゆっくりするか…とため息をついたその時…空間が、世界が揺れた。


まるでそう…空気が局所的に波を打つような感じ。

その異常な空間から、まるで壁を抜けて来たように現れたのは…真っ白な髪、紅く光る瞳、誰かの血が付いた顔…背丈は同じの男。髪型も、顔付きも同じで…白と紅を除けば、それは自分に違いなかった。


「…驚くことじゃない。3度目だろ」


「いや、来られたことはねぇよ」


自分の声を聞いてみると、あれ?こんな声だったっけ?なんてことを感じることがあるが…今まさにそれだった。


「…お前は、あいつを救えたのか」


誰のことか。このタイミングできた自分が、何処から来たかなど…。そんなこと、言われなくとも解っている。


男はジッと、暗闇の中を目を凝らして覗き込むように、彼を見つめた。


言葉にしなくとも意思は伝わったらしい。

男は…右手から赤黒の雷を出現させる。

それは一つに纏まっていき…やがて影と化す。

紅い刀身を持つ影。怒りの具現化。傷つけるためだけの投影(モノ)


「…来たはいいが、どうするか」


「成り代わろうなんてのは考えてないんだろ」


「ああ。よくわかってんじゃねぇか」


…もし自分がBAD ENDへ行って、ENDINGに辿り着いてない自分と会ったならどうするか…。


答えは…。


「ただ…お前の顔が腹立つだけだ」


「本筋になったお前が」


「俺をifにして、trueになったお前が」


…“怒る”のだろう。

もしかしたら哀しむか、もしかしたら喜ぶか…それはそのifの俺によるだろう。

だが今、この、隣の世界から来た自分はただ…“怒る”。

目的なんか無い。彼女に会いたいわけでも無い。

ただ。ただ。ただ…伝えに来たんだ。

“この自分”の想いを。


「…殺す気でいく。生きてみせろ」


男は想いを投影。現れたのは、長い、ギザギザボロボロの、欠けた刃を持った…諸刃の剣。


あの時投影した、紅い、ただただ紅い、真紅の投影を…この世界の彼はもうできなくなっていた。


「…行くぞ。そして…来いっ!」


地面を蹴る。背の低い草を舞わせ、(ふたり)(じぶん)に想いを振り下ろした。

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