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さいご
後半まで、是非負けずに読んで頂けると幸いです。
鬱ラブストーリーを、お楽しみ下さい。
今僕の視界にある世界は、一面の大海原。
こう言葉にすればこれから壮大な冒険が始まるのか?一大スペクタクル巨編なのか? なんて、少年少女達は目を輝かせて僕の物語を見てくれるのだろうか。
残念だ、わくわくしてこの物語に没入しようとするなら今すぐ止めた方がいい。
この物語は絶望と失望の物語、救いなんて一欠片もないんだから。
何故なら僕の足元にはたった15センチの足場しかないのだから。
何故なら僕は、人生を終わらせようとするその真っ只中なのだから。
この物語は絶望と失望の物語、僕がこの世界からいなくなっても明日は何も変わらずに過ぎていく。
だから、僕は。悲しみに耐えることが出来なかった僕は。
今日で世界を終りにするんだ。
目を閉じて、体の力を抜いた瞬間に。背後から「待って」と場違いに優しい声がした。