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エンド・オブ・ワールド  作者: 高崎司
7/26

7話

 ユイと俺はすぐに第2フィールドの町、【スノーヘブン】へと戻ってきた。

 この町でもう一度聞き込みをするためだ。

 きっとユイのお姉さんを知る人物はいるはずだ。

 手当たり次第に声をかけて、情報を仕入れるしかない。

 まず人通りの多い大広場で聞き込みを開始する。


 ────しかし結果は思わしくなかった……。


 あれだけのプレイヤーがいるにも関わらず、誰一人として《暁の騎士団》の動向を知る者はいなかった。

 時間も夕方に差し掛かり、プレイヤーの数も疎らになっていた時だった……たまたま話しかけたプレイヤーが、《暁の騎士団》に知り合いが所属していたという話が聞けたのだった。

 そのプレイヤーの話では、友人が所属していた《暁の騎士団》は、第2フィールドのボス攻略の最中に行方がわからなくなったとの事だった。

 つまりはボス戦で何らかのトラブルに巻き込まれ、そのまま行方不明になってしまったのだろうか……。

 しかし俺達がボス攻略をした時には、そんなトラブルもなければ普通に倒す事ができた。

 あれだけの実力を持ったギルドが、第2フィールドのボスにやられたとは考えにくい。

 新たな情報が聞けたのはいいのだが、更なる謎が謎を呼んでしまったみたいだ。

 現状ではそれ以上の情報を仕入れる事はできず、止む無く一旦聞き込みを終了する。

 俺達は情報整理のために、近くのベンチに腰掛け話合いをする事にした。


「ユイはさっきの話を聞いて、どう思った?」

「私ですか……私はやっぱりお姉ちゃんが、何らかのトラブルに巻き込まれたと思っています。先程の話が事実なら、ボス攻略の時に何かイレギュラーが起こって、それでそのまま行方不明になってしまったんだと思います」

「それしかないよな……でも俺達は普通にクリアする事ができた……。そこに何か糸口があるように感じる。ただの予想でしかないんだけど……」

「でも今日は、今まで聞けなかった情報も聞けましたし、良かったと思います! これからは第3フィールドに戻ってゲームを進めましょう! そうすればいつかお姉ちゃんにも会える気がするんです」

「そうか……ユイがそれでいいなら俺は構わないよ。ただあんまり自分だけで抱え込むなよ……今は俺も力になれる事があれば、力になるからさ」

「ありがとうございます! じゃあ今日はもう遅くなりましたし、解散にしますか?」

「そうだな……本格的にゲームを進めるのは明日以降にしよう。明日もユイはログインできるのか?」

「すいません明日は学校の部活があって……明後日でしたら大丈夫ですよ」

「わかった。じゃあ明後日にまた会おう。ログインしたらまたメッセージくれよ」

「わかりました! それじゃあ私はログアウトしますね! 今日はありがとうございました!」


 ユイは手を振りながらログアウトしていった……。

 やっぱりちょっと元気なかったよな……。

 未だにお姉さんの動向がわからないんだから、しょうがないか……。

 今度はちゃんとお姉さんに近づけるといいな……俺は心の中でエールを送ると、ログアウトボタンを押して現実世界へと戻って行った。

 現実世界に戻ってからいつものように、コンビニでご飯を買って自宅へと帰った。

 帰宅してからご飯を食べて、お風呂に入って、しばらくネットで情報をチェックした後に眠りにつく。

 明日も学校で少し情報収集してみるか。

 ネットに強い知り合いがいるから、聞いてみるのもいいかもしれないな。

 俺は明日のやる事を思い描きながら、眠りにつくのだった。

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