表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

始まりの朝

初作品なので拙い部分ばかりだと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします!

俺は今、神様に祈りを捧げている。

「神様…俺を………にしてください。」

反応はない。

既に相当のお賽銭を入れた。なのに一向に神様が出てくる兆しは…ない。

「はぁ………」

ため息をつく。

「なんで神様…降りてこねえんだろ…?」

絶望の淵。

俺は空を見上げながら、先週の朝、すべてが始まった朝のことを思い出していた。


**********


「もう嫌だ………」


朝。鏡に映る自分の顔を見て俺、夏目雄也は、1人呟く。

俺は、鏡に反射して眼前に映る、自分のひどく気持ち悪い容姿が大嫌いだ。


荒れた肌。

角ばった頬骨。

広すぎるおでこ。

左右非対称な目の大きさ。

まるで豚のように大きく平らな鼻。

分厚く、腫れ上がったかのような唇。

雄也のそれらは、そのどれもが吐き気をもよおす気持ち悪さを持っていた。


(…昔、この唇のせいで散々イジメられたなぁ…)

醜い唇を撫でながら、ふと思い出してしてしまった。思い出したくもないのに。


ーー「えっ…なにその唇!?蜂にでも刺されたのっ!?痛そう…大丈夫?…えっ…生まれつき…?………………えっwうそっwwwwクソワロタwwwwwあっwあの………wwなんか…ぷぷっwごめ…んね?(笑)」


(あの、人を軽蔑する目つき死んでも忘れない…。あーー!思い出したらイラッイラしてきた!くそが!氏ね!)


そして、俺中最大の気持ち悪いポイント(略して、気持ちいい。)は、明らかに人より3回りは大きいんじゃないか?ってレベルの頭蓋骨。正直、新種のエイリアンと言われても信じるレベル。


(なんなの?なんなのこれ?あれカナー?新人から俺だけ進化しちゃったのかな?脳みそ2000ccくらいあるのかな?ひぇーーwもしかして君たちまだ新人なの?ダッサーwえ?ぼく?僕はもう進化してるからwwwwゆうなれば…神人?みたいな?wwwwとか言っちゃえる人種なのかな俺。なわけないよね。ありえないよね。なんなんだよ。糞が!もうマジ死ね!)

首から上だけでこれだ。首から下も当然酷い。体型完全におっさんだし。もうヤダ泣きたい。


「なんで俺はこんなブサイクに生まれたんだよおおおおおおお!?!!!」


絶叫。


ドンドン!


壁ドン。


(やべっ………)

慌てて口を抑える。まぁ今更抑えても意味はないのだが。気分気分。

(恐らく今の壁ドンは妹様の仕業でござるな…って今の絶叫妹に聞かれたとか俺………)

「はぁ…………ぁぁぁ…ぁぁぁ…………………………」

俯くと、なが〜いため息をがでた。

「んっ?」

床に見慣れない雑誌が落ちている。

(妹様の私物でございますかねぇ?)

興味本位で手にとってみた。

ぱらぱらっとページをめくる。どうやら妹のもので間違いないようだ。

(おっ何だこのページ…折り目ついてる)

なんとなく声に出して、記事を読み上げることにした。

「だれでもなれる…ふんいき…イケメン…だぁぁ?」


「だれでもなれるわけねぇだろおおおおおおおおおおおお!」


ビリいいいいいいい

怒りのあまり雑誌破いちゃった♡てへっ☆

(ってやべええええええええ!!!これいもうとのじゃぁぁぁぁぁぁんんんんん!????)


ドンドンドン!


「カッカッカッカッ!!って太鼓の達人か!!!!」

やべぇ。焦って意味わかんねぇこと言っちまった。

ってか壁ドン二回目とか次会ったら多分俺、妹に殺されるな…。

死因、だいたい顔のせい。なにそれ最悪。

「それは置いといて…これ…どうしよ。」

手元に残ったビリビリの雑誌を見る。

このままだと絶対に殺される…。

(まっ…セロハンテープではっとけばいいや)

もうどうしようもないので、手早く諦める。

二度と妹に会わないようにしよう。と、心に誓う。なんてすてきな兄弟愛。


「てか、誰でも雰囲気イケメンになれるとかどうせ嘘じゃん」


だって俺!どんだけ頑張っても雰囲気フツメンにさえなれなかったよ!?

俺、自分を少しでもよく見せようと色々な努力をしてきたけど。


でも、"その全部が、失敗に終わったんだよ!?"。


時には、髪の毛を芸能人みたくおしゃれにしてみた。

鏡に写っていたのはわかめ?を頭から被った気持ち悪い姿をした俺だった。

時には、158cmという身長の小ささを隠すためにシークレットブーツを履いてみた。

一時間後にはクラスの不良に燃やされていた。かかとの部分だけ燃えきれてなくて逆に辛かった。


(ん?その全部が失敗に終わった…?)

なにかとてつもなく素晴らしい案が頭をかすめた気がした。


俺はそのなにかを逃さないよう必死に思考を集中させる。

刹那。


(そうかっ!!)

クワッッ!!!!目を見開く!!!クワッッ!!!ガタッッ!!!


「何をしても無駄…なら、生まれ変わるしかないじゃない!神頼みしかないじゃない!」


こうして俺の神頼みDAYSがスタートした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ