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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがヤバすぎた。改訂版  作者: たまご
第一章 異世界探索。

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第四話 第二の猫、参上! って、逃げるな、こら!

「これがオパール王国か」


 気候は穏やかで畑や果樹園等が多く、集落がまばらに存在している。

 ほかの都市や国から買い付けに来ているのか、馬車がひっきりなしに往来していた。

 オパール王国は、農業王国と呼ばれているらしい。

 

 ゆっくり休みながらでも2日半ほどで目的地に到着した。

 やはり、私の身体能力もあがっているようだ。


 手のひらサイズになったりゅうたろうは、私の肩の上でご機嫌だ。

 大きくなってからはなかなか肩に乗せたままにしておけなかったから、嬉しくて仕方ないらしい。


「ここにいるのは、よつばなんだよねぇ……」


 近くまで来れば猫の気配を感じ取れるようだ。

 一応、私がテイムしている事になっているからだ。


「よつば、大丈夫かな……」


 ほかの猫達とは違い、どうやら捨てられたらしいよつばは人間が苦手だ。

 オパール王国はわりと平和な国らしいので、あまり危険ではなさそうだが。


「とりあえず、行ってみようか」


 って、なんだ、この騒ぎ?


「どこ行った!?」

「何で入れるんだよ、二重結界なのに!!」


 騎士団や冒険者らしき人達が右往左往している。


「また、食い尽くされたぞ!!」


 あ、よつばだ、これ。


 捨て猫だったよつばは、異常に食い意地がはっている。

 向こうの世界ではカリカリの袋を食い破って食べ散らかし、脱走した時は自分で戸を開けて帰ってきた。


 おまけに、よつばに与えられた能力は〈解除〉。

 どんな鍵でも結界でも解除してしまうのだ。


 ……なんて事してくれたんだ、女神様!!


 どうしてくれようかと思っていると、建物の影から茶白の毛の長いもふもふの猫が顔をのぞかせた。


「よつば!!」


 思わず大きな声で名前を呼ぶと、よつばははっとした顔をした。

 悪い事をした、と自覚がある時の顔だ。


 よつばは猛ダッシュで走り出した。

 ……私とは反対方向に。


 逃げるな、こら!


「りゅうたろう、追いかけて!」


 肩から飛び降りたりゅうたろうは、着地する前に虎ほどの大きさに姿を変えた。


「うわ、何だ!?」

「魔物か!?」


 オパール王国の皆様、お騒がせして申し訳ありません!

 よつばが食べ散らかした分は、のちほど弁償させていただきます!!


 心の中で謝罪しながら、私はよつばとりゅうたろうを追って走り出した。


 大きくなったりゅうたろう相手では分が悪いと思ったのか、よつばは私のいる方向へと逃げてきた。


 今までの私と同じだと思うなよ!?

 猫達に振り回されてゼーハーいっていた、運動不足のアラサーだった私はもういない!

 ……いや、まぁ、アラサーなのは変わってないけどさ。


 予想外に俊敏だった私の動きに驚いたのか、よつばは慌てて逃げ出した。


「よつば!!」


 私とりゅうたろうに追われて、よつばが逃げ込んだ場所は行き止まりだった。


「よつば、ダメでしょ!」


 追い詰められたよつばは最終手段に出た。

 くりん、と首をかしげて「にあん」と可愛い声で鳴いてみせたのだ。


「くっ……」


 あざとすぎる、この猫!




『よつばさん、見つかって良かったですね』


 電話越しに女神様が嬉しそうに言った。


「そうなんだけど……」


 今、よつばはキャットハウスの中でくつろいでいる。

 何でも解除できるよつばでも、私の許可がなければ脱走する事は出来ないようだ。


「オパール王国の皆様に申し訳なくて……」


 よつばが食い荒らしたのは、この国の半年分の備蓄食糧だったらしい。

 このままでは今年の冬には餓死者が出るかもしれない、という話だった。


『とりあえず祝福を授けて、いつもより豊作になるようにはしますけど……。弁償となると、飼い主さんの責任ですよね?』


 こういう時は正論だな、女神様!


「でも、お金が……」


 女神様が持たしてくれたお金ではとても足りそうにない。

 なにしろ国の半年分の食糧だ。


 りゅうたろうみたいに体の大きさが変えられるわけでもないのに、よくそれだけ食べたな、よつば。


『あ、近くにダンジョンがありますよ』


「え?」


『そこの財宝を弁償に当てたらどうですか?』


 なるほど、一攫千金を狙えということか。


『そこは未発見のダンジョンなので、宝箱も手付かずですよ』


 え? 今確認したけど、マップにはフツーに表示されてますけど?


『つかささんに持たせたものは、どれも特別製ですからね』


 スマホの向こうで、どや顔をしている女神様が目に浮かぶ。


「ダンジョンかぁ……」


『りゅうたろうちゃんとよつばさんがいれば、問題なく攻略できると思いますし』


 仕方ない、飼い主の責任だ。


「ちょっとダンジョン行ってみる」


『頑張って下さいね』


 ダンジョン攻略してお宝ゲットか。

 ……異世界ものは、スローライフ系が好きだったんだけどなぁ。




 結論。

 うちの猫達、ダンジョン攻略チョー余裕っすわ。


 よつばがどんな罠でも結界でも〈解除〉するので、さくさく進むし。

 大きくなったりゅうたろうがしっぽだけでザコ敵を振り払い、ダンジョンのラスボスは前足でぷちっ! と。

 ……うん、あんまり見たくなかった。エグい。


 私がした事といえば、りゅうたろうたちにご褒美のおやつをあげたのと、女神様にねだられて、そんな二匹の活躍ぶりを動画で撮って送ったくらいだ。


『じゃあ、これは私がオパール王国に授ければいいんですね?』


「うん、そっちの方が話が早いと思う」


 天災(本当は猫災だけど)を女神様が助けてくれたという事にしよう。


 私がいきなり財宝渡して「うちの子がご迷惑をおかけしまして」と言っても、相手には何の事だか分からないだろうし。

 まさか猫一匹でしでかした事だとは思ってもいないだろう。

 それに、偉い人にどうやったら会えるかも分からないしな。


『でも、つかささん達のおかげでオパール王国は救われました』


「大げさな……」


 飼い主の責任を果たしただけです。


『いえ、オパール王国はもうすぐ魔物の群れに襲われるところだったんです』


 ……どういう事?


 女神様の話によれば、私達が攻略したダンジョンを中心にしてもうすぐ魔物が大発生するところだったらしい。

 未発見のダンジョンだから特定するのにも時間がかかり、元が平和な国だからそもそも戦力が足りていなかった。


 私達がダンジョンにいた魔物達を根絶やしにしたので、オパール王国は壊滅状態になるのを未然に防げたらしい。


「もしかして、そこまで計算して……?」


『いえ、私はりゅうたろうちゃん達が活躍するのを見たかっただけです!』


 ……ダメだ、このアホ女神。


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