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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがヤバすぎた。改訂版  作者: たまご
第一章 異世界探索。

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第三話 いざ、異世界へ!

 私が乗れるサイズまで大きくなったりゅうたろうが声を出さずに、にゃあ、の形に口をあけた。


 りゅうたろうは、鳴く時に声を出さない。

 最初は声帯に問題があるのかと思っていたけど、ネットで調べたら「サイレントニャー」というのだと書いてあった。

 そういや、子猫の時はフツーにみぃみぃ鳴いていた。


「それにしても、まさか猫に乗れる日が来るとは……」


 子供の頃に見たアニメで、猫のバスに乗っていた姉妹をうらやましく思っていた事を思い出す。


「とりあえず、どこに向かおうか、りゅうたろう?」


 ステータスからマップ画面を呼び出した。


「ここから一番近いのは……」


 その時、スマホの着信音が鳴った。


 ……ん? スマホ?


 確認すると、無限収納の中にスマホがあった。


 ……だから、何でスマホ?


 女神様に聞いたところ、ここは剣と魔法の、私達が思い浮かべるど定番のファンタジー世界のはずだが。

 スマホを取り出して確認すると、相手は女神様だった。


「どうかした?」


『ほかの猫さんの居場所が分かったので、お知らせしようと思いまして』


 なるほど、女神様との連絡用ってことか。


『オパール王国という所に、お一人いらっしゃいます』


 お一人? お一匹? と呟いているのが聞こえてきた。

 だから、もう本当にそれはいいから。


 オパール王国。

 マップで確認すると、ここから西に向かって5日程(注:徒歩)の距離にあるらしい。


 ……巨大な猫に乗っている場合、何日で着くのだろうか?


「分かった、行ってみる」


『お気をつけて。それと、あの、お願いがあるんですけど……』


「ん? 何?」


 まさか、お土産でも買ってきてほしいのかな。

 この世界のお金も収納の中に入っていたし。


『りゅうたろうちゃんやほかの猫さん達の写真や動画を撮って、送ってもらえませんか?』


 ……そのためのスマホか!?


 そういや、無限収納の中にはちょっと異常な程に猫達のご飯やおもちゃが詰め込まれていた。


 まさかと思うけど、女神様。

 転生のメインって、猫達の方!?




 報告。

 巨大な猫は乗り心地が悪いです。


「吐きそう……」


 あー、うん。そうだよな。

 猫の走り方を考えたら、人が乗るには向いてない。

 初日で断念した私は、地道に歩いてオパール王国に向かう事にした。


 女神様が無限収納のほかに、キャットハウスという猫用のスペースを用意してくれていたので、りゅうたろうにはそこに入ってもらう事にした。

 冷暖房完備、空気清浄及び自動掃除システム付き。

 高級ソファーに、ふかふかお布団。

 

私が住みたいわ!

 どれだけ猫を甘やかす気だ、あの女神様は。


 それにしても、こんなに歩いても疲れないっていいな。

 確認したら〈身体能力強化〉がついていた。

 一応、私にもチートをつけてくれていたようだ。

 スキルのレベルは1だったが、そもそも向こうじゃ運動不足のアラサーだったからなぁ……。


 マップでは徒歩5日となっていたけど、このペースなら3日で着きそうだ。


 暗くなったのでテントを取り出し、休む準備を始めた。

 見た感じはソロキャンプ用の小さいテントだったけど、中に入ってみればお風呂やトイレ、それにキッチンもある広々とした空間だった。


 ……これ、どこから水とか引いているんだろう。


「りゅうたろう、おいで」


 キャットハウスからりゅうたろうを呼び出した。

 りゅうたろうは大喜びで肩に飛び乗ってきた。


「だから、痛いって!」


 ピコン、とスマホが鳴った。


「……またか」


 私は思わずため息をついた。

 数時間おきに、女神様から連絡が入るのだ。

 ……りゅうたろうに。


『りゅうたろうちゃん、キャットハウスはどうですか?』


『ご飯、用意してあったので足りますか?』


『大変なら、帰ってきてもいいんですよ』


 あんたは初孫フィーバー中のおばあちゃんか!?




「……朝か」


 久しぶりによく寝た。

 ベッドに横になったまま、私はふぅと息をついた。


 猫達に「ご飯はまだか」と早朝にたたき起こされ、慌ただしく片付けやゴミ出しをすませて、まともに朝食も取らずに会社に急ぐ。

 そんな日常を思い出し、遠い目になる。


「異世界、素晴らしい……」


 あとは、猫達が揃っていれば完璧。


「ねぇ、りゅうたろう」


「……」


 りゅうたろうはいつも私の腕枕で寝る。

 なんていうか、一心に眠る。

 ほかの猫達のように、ごろごろもふみふみもしない。

 ただぴったりとくっついて、大抵は私が起き上がるまで一緒に眠っているのだ。


 りゅうたろうだけでも一緒にいてくれて良かった。

 ……誰もいなかったら、世界の前に私がまいっていたかもしれない。


「りゅうたろう、起きて」


「……」


 声をかけると、りゅうたろうは寝ぼけ顔で私を見上げてきた。


「朝ごはん食べたら、皆を探しに行くよ」


 ついでに、この世界も守ろうか。


「……って、滅ぼすのはうちの子達なんだけどね」




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