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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがヤバすぎた。改訂版  作者: たまご
第二章 魔導の塔。

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第十四話 猫です。ぱーとつー。

 とりあえず、お金を稼がなくては。

 女神様が持たせてくれたガリル金貨はまだたくさん残っているが、この世界でずっと生きていくなら先立つものが必要だ。


 と、いうわけで。


 商業都市ターコイズにやって来た。

 しばらくは、ここを拠点にしてお金を稼ごう。

 ここではギルド登録もしているし。


 肩乗りサイズのりゅうたろうを連れて、ギルドへ向かった。


「美味しそう……」


 またしても、出店に心引かれる私の耳をりゅうたろうが前足でつつく。

 分かってますよ……。

 前の時はいなかった、ほかの猫達の登録をするのが先だ。


「あ、猫の人」


 ギルドへ行くと、受け付けのお姉さんは私の顔を見てそう言った。


 ……どういう覚え方してるんだ。


「使い魔の登録をしたいんだけど」


「……種類は何ですか?」


「猫です」


「…………」


 いや、うん。

 気持ちは分かりますよ?

 でも、うちの猫達は本当に凄いんだから!

 ……世界を滅ぼしかけたしな。


 依頼を確認する。

 わりがいいのは、やはり魔物退治や護衛だ。

 まぁ、うちの猫達なら楽勝なんだけど……。


「ん?」


 目撃情報求む?


『先日、アレキサンドライトを襲撃したドラゴンの目撃情報を求む。


 特徴 猫くらいの大きさ。


 依頼元 魔導の塔』


「……………………」


 見なかった事にしよう。

 えーと、安くていいから簡単な依頼はと。




「スローライフといえば、薬草採取だよね!」


 成功報酬が銅貨二枚の格安依頼なので、ターコイズのギルドのような大きな所では受ける冒険者はほとんどいない。

 採取場所も街のすぐ近くの森なので弱い魔物しか出ないらしい。

 これなら私の鑑定スキル(レベル1)があれば、猫達の力を借りなくても達成出来そうだ。

 ……地形が変わったら、困るしな。


 街の武器屋で小型のナイフを買った。

 護身用兼採取用だ。

 採取なら草刈り鎌の方がいいのだが、鎌を持った冒険者って、なんか、ちょっと……、あれだ、うん。

 あとはお弁当を用意しないと!

 いや、別に、はしゃいでいるわけでは……。

 すいません、嘘をつきました……。




 うん、楽勝。


 ミントに似た香りのする薬草を小型ナイフで切り取る。

 依頼品なので丁寧に。


 向こうでは古いけど庭付きの一軒家に住んでいたので、夏になると草刈りが大変だった。

 室内飼いとはいえ、猫がいるので除草剤は使いたくなかったし。

 やっぱり、草刈り鎌の方がよかったかな……。




「こんなもんかな」


 かごいっぱいの薬草が取れたので依頼は達成できたと思う。

 よし、お弁当にしよう。


「みんなも出たい?」


 子供でも問題なく歩ける森だと言われたので、肩乗りサイズのりゅうたろうだけキャットハウスから出していたのだ。

 刃物使っている時は危ないしな。


 よつば達もふもふが勢揃いしているのを見て、思わず笑顔になってしまった。

 みんな、無事でよかった。


「いい? 近くにいるんだよ」


 猫に言ってもムダな事は分かっているが、それでも注意してしまう。

 一番心配だったのは〈空間転移〉スキルを持っているキングだったが、前回よほど怖い目にあったのか、私の近くでうろうろしているだけだ。


 ビニールシートの上にふかふかのラグを敷き、お弁当の用意をする。

 美味しいパン屋を見つけたので、レッドバードのゆで卵とワイルドボアのハムを挟んだサンドイッチにした。


 テントを出してもよかったが、猫達もずっとキャットハウスの中なので外に出してやりたかったのだ。


 チャビ達は草の匂いを嗅いだり、近くの木で爪を研いだりしている。

 おこん、登るのはいいけど降りれるんだろうな?


「なんか、やっとゆっくり出来たな……」


 ん?

 視界の隅に、何かが動くのが見えた。


「なんだ、あれ?」


 緑色の小さくて丸いものが、ころころと転がって草むらに消えた。

 鑑定スキルを使って見てみると、マーウという小型の魔物だった。

 ……弱いな。

 私でも倒せそうだが、別に害はなさそうだし放置でいいか。


 あ、まずい。

 マーウの動きに猫達が興味津々だ。

 早くキャットハウスに戻さないと……。

 って、遅かった!


「りゅうたろう、戻って! よつば、それはダメだ! それは!!」


 猫達はマーウを追いかけて草むらに駆けていってしまった。


「福助、落ち着いて! ああ、チャビまで!?」


「せり……は、いいよ、走っておいで。おこん、どこ行くんだ、そっちにはいないだろ!」


 あ、やばい。

 キングとくぅは本気の狩りモードだ……。




「遅かったですね。何かありましたか?」


 薬草採取の簡単な依頼だったはずなのに日が暮れてから帰ってきた私達に、ギルドのお姉さんは首をかしげた。


 ええ、まぁ、ちょっとね……。


「これ、薬草」


「はい、確かに」


 依頼書にサインをし銅貨二枚を受け取った。


「あと、買い取りもお願いできます?」


「はい、どうぞ」


 無限収納から出したマーウに、お姉さんはあら、という表情になった。


 「マーウなんて珍しいですね。しかも、こんなにたくさん」


「え?」


 でも、これ弱いよ?


「弱すぎるんですよ」


 ……どういうこと?


「弱いので、人間の気配がするとすぐに逃げたり隠れたりするんです。おまけに、小さくてすばしっこいから、なかなか捕まらなくて……」


 そこまで言って、お姉さんの目が肩に乗っているりゅうたろうを見た。


「そうか、猫……」


「うん、猫……」




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