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賢者の人生やり直し  作者: 冬城レイ
第二章「魔人編」
9/16

9「魔人と言う脅威」

私は魔力障壁の強化版を作った。

そして今ミレーユがその魔力障壁の実力を試してくれる。


「アリシア、いくわよ!」

「ええ!いつでも良いわ!」

『フレアブラスト!』


ドカァン!!


土煙が立つ。

そして土煙が晴れた。

私が作った、魔力障壁は、無傷だった。

何一つダメージがない。

究極の魔力障壁だ。

そう思い、まだ他の魔法を試そうとしていた矢先、膨大な、魔力を、国境外の森から察知した。

背筋が寒くなる。

強い視線だった。

背中がナイフで刺されたような痛みが走る。

あそこには、居てはいけないものがいるのがすぐに分かった。


ミレーユは私の様子に戸惑っている。


「アリシアどうしたの?」

「あの森の、中に何かがいる」


そう言い、ミレーユが森を見ると、ミレーユは足の力が抜け、その場に座り込んだ。

ミレーユの顔は、恐怖が支配していた。

そしてその場で気絶した。

私はすぐに転移魔法でミレーユを寮のベッドに寝かせ、森の前へ転移した。

森の中に入った。

木が多く、昼間なのに、光が全く入らない。

そのため、魔力を可視化させ、光らせた。

先ほどと比べ物にならぬぐらい、明るくなった。


そして、奥に入っていた。

奥に行くほど、見られている感が強くなり、血の匂いが濃くなっていく。

そして森の中心に来た。

真ん中には古びた家が建っていた。

この建物の中から、膨大な魔力が感じられる。


その時、ドアが開いた。

その人は手に、人の腕を持っていた。


「!?」


その人の目は赤く充血していた。

こいつの正体はすぐに分かった。

そう、『魔人』だ。

魔人は、自分の演算能力を限界まで使い、魔力制御に失敗し、その暴走のより生まれる。

魔人の力は、恐ろしい。

魔人たった一人で、国が滅亡する。

そして魔物にはランクがある。

低い順から言うと、魔物・中級魔物・大級魔物・騎士団級魔物・災害級魔物・国家級魔物・魔族級に分類される。

そして魔人は魔族級に分類される。

魔族は魔王の配下であるが今は封印されていて、出てくる心配はない。

その魔族級は国家騎士団を使っても、勝てるかどうかはわからない。

そして魔人は理性がある。

賢く、残酷である。

それが、この森にいるとは。


「おお、可愛い娘ではないか…殺して食べたら美味いだろうなぁ」


やはり残酷。


「お前は何人人を殺った?」

「百から先は数えていないさ」


百人以上。

許しておけるわけない。


「お前には死んでもらう」

「そうか殺ってみろ」

「水属性系魔法、アクアランダー!!」


水の刃が魔人に向かって、放たれた。


「こんなものか」


指が触れただけで、水の刃が、壊れた。

――まだ、万全ではない。

まだ、時間を稼ぐ。


魔人は気づいていない。

森の上に巨大な空中系魔法陣多重式魔法を構築していることに。

魔法陣の回転が徐々に早くなる。

魔法陣が重なり始めた。

この魔法は、先程試そうとしていた技だ。

太陽から出る、放射線だけをもらい、魔力と合わせ、魔力単体の倍の力を出す魔法、名は『スピラル』だ。


あと構築完了まで、五秒。

だんだんと森の中まで光が入ってくる。

魔法陣の真ん中には剣の形をした物が生成されている。


「なんだ?」

「今頃か」

「―――ッ!!!」


私はにやりと笑う。


「お前は終わりだ」


キュウィィィン。

ドカァン!!

バキバキ。


煙が立つ。

木が折れる音もする。


煙が晴れ、あたりを見渡すと、森が跡形もなくなっていた。


「スピラルって、こんな爆発したっけ?」


そう疑問に思いつつ、転移魔法で、寮に帰った。



---



【テリトリア貴族国家】


この日、街は絶望の色に染まった。

とある魔人によって。


彼の名は「エリアス・ノクター」だ。

元人間そして貴族国家の南側、ノクタ―領の領主、そして次期国王候補であった。

彼は幼い頃から、父の仕事を毎日見てた。

そしてエリアスが二十のとき、父が死去。

そしてノクタ―領、領主となった。

ノクターは決して、貴族という立場を使い、領民を見下したりをしなかった。

常に優しく、常に領民をまとめるリーダーとして、活躍していた。

だが、テリトリア現領主「レミウス・グレイバート」彼もまた、次期国王候補であった。

だが、レミウスは自分が国王になることだけをひたすら考えた。

そしてたどり着いた答えが、エリアスの勢いをなくすこと。

そのため、エリアスに領民を取られた人、他諸々で恨んでいるひとを集め会議をした。


「皆よく集まってくれた」

「レミウス殿、今回はエリアスの勢いをなくすための、会議ということで、よろしいですか?」

「ああ。皆はエリアスを恨んでいるだろう?」

「ええ。あいつに領民を取られました。領民が言うには、環境が良さそうだからと」

「それは残念だ」

「私も、同じでございます」


そしてこの会議で、決まったことは、一つ。

エリウスの暗殺だ。

そして、レミウスはエリウスに手紙を書いた。

手紙の内容はこうだ。

『エリアス殿。貴方の政策を伝授してはいただけないだろうか?もちろん報酬は出す』と。


すぐにエリウスは向かった。

様々な貴族に挨拶をし、食事を取った。

このときエリウスは結婚をしていて、子供が一人居た。


そして、ノクタ―領では。

最近殺人が多発していると、ノクタ―領各所で噂されていた。


「最近、この近くで、家族が惨殺されたんだって」

「それはまぁ…ひどいわねぇ」


その時、悪人顔の爺さんが着てこういった。


「この辺の殺人事件の人物の正体がわかった」

「まさか、私達に教える気かい?」

「ああ。悪いか?」

「いいや、ぜひ教えてくれ」

「正体は…エリアス・ノクタ―だ」

「う…そ…だ…ろ…」

「事実だ」


この言葉は瞬く間に領内に広まった。

そして反発が起きた。

領主が居ない今、すべての責任が、妻に降り注ぐ。

家は燃やされ、子供は眼の前で犯された。

この事件は、領主が不在になってから、わずか3日のことだった。

エリアスは嫌な予感をして帰った。

暗殺者を手配したのが、4日後だったので、暗殺はされなかった。

『心配かけたな。お土産、喜んでくれるかな』


馬車が止まった。


「領主さん…家が」

「!?」


急いで、家に戻った。

だが遅かった。

娘は犯され、妻は亡き者にされた。

そして、自分も。

腹部を刺され、倒れた。

私は思った

『この怒りはどこにぶつければ良いのだろう

発散できずに死ぬのか?

そんなのは嫌だ、絶対に』


その時、すべての怒りが魔力に変わった。

急な魔力増大により、演算領域を超え、魔力暴走が起きた。

そして、目が充血し始めた。

そして、復讐を始める。


「お前らぁ…お前らあぁぁぁぁぁ!!!」


自分とは思えないほどの力。

これを使い、逃げていく人たちの首を切って行く。


「お前らは、これだけじゃ許されねぇ」


そうして、崩壊の時が動き出す。




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