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賢者の人生やり直し  作者: 冬城レイ
第一章「ルミナス王国~イグドラ接触まで」
7/16

7「説明」

神龍。


【封魔歴以前に書かれた書物】


神龍はこの世の守護神として、崇められていた。

だが、魔王『オルギア・メネシス』に説得され、魔王軍の幹部となった。

遅れたが、神龍の名前は『イグドラシル』である。

神龍は不老である。

ある程度の成長をした後、不老になり、生き続ける。

だが、神龍は自然とは死ねないが、誰かが、その八本の首すべてを、再生する前に切り落とせば、死ぬ。

だが、滅多に、姿は現さない。

龍の姿では。

神龍は人の姿になることができる。

もちろん人語も話せる。

目撃者は、十六歳から十七歳程度の女性の姿をしていたと言っていた。

そして、力は、人と同等の力にまで落ちる。

そのため、バレずに済むのだ。


『著書 全賢者』



---



前世の私が書いた書物を思い出した。

魔王を封じたときに、一緒に封印したはずなのにな。

間接的にだけど。


うーん。

殺したくはない。

お仲間に取り入れたい。

まぁ元友達みたいなもんだし。

少し話してみるか。


光属性系魔法、『エリミナリンク』を使う。



『お久しぶりです。いや、貴女は覚えていないかもしれませんね』

『む…お前は全賢者と同じ気をまとっていますね。まさか、転生魔法を使ったのではないでしょうか?』

『正解です。今回は貴女をこちら側に取りこみたいと思い、お声がけさせていただきました』

『そうかですか…』

『まず、人の姿になってもらえると幸いであります』

『そうですね。私も、この大きさの体は久しぶりであるしね』

『感謝いたします』


私が敬語で話す理由は、神龍の機嫌を損ねないため。

イグドラがキレたら、この国が飛ぶ。

いやそれ以上の可能性もある。



---



光が夜空を明るくする。

そしてまた夜の景色が戻ってくる。

イグドラは人間の姿になった。

私と同い年のようだ。


「お久しぶりです。イグドラ」

「ええ。久しぶりですね」


イグドラは温厚で優しい龍。

なぜ、魔王軍に入ったのだろうか。

まずは、国家騎士団の人たちに攻撃するなと言っておこう。


「シリウス、国家騎士団の皆に言っといてください。『絶対に攻撃しないで』と。今は人の姿になっているので大丈夫です」

「わ、わかった」


イグドラのとこに移動。


「イグドラ、皆貴女のことを怖がっています。色々と説明したほうが良いのでは?」

「そうね。例えば、魔王軍になぜ入ったこととかかな?」

「そうですね」

「わかった」

「私はルクス・ミラージュを使って、姿を映してあげますので」

「了解したわ」



---



街の真ん中に魔法陣を設置した。

魔力を流すと、指定した人や魔物を映せる。


今魔力をいっぱい流す。

魔力を流すほど、より大きく、より鮮明に映し出される。

今は、高さ30m位の大きさになっている。

今はカラーで映し出されていて、知っている人なら、わかるくらいの鮮明度だ。

では、始めてもらおう。


『イグドラ、準備OKだよ』

『わかったわ』



「皆さん?どうも、神龍のイグドラシルと申します。今回はなぜ魔王軍に入ったかを説明します。まぁ1500年前くらいなんだけどね」


無駄なこと言うなよ…

結局、昔の戦争で、国が二個ほど滅びたのだから。

近くに来た人は『今更かよ』や『言い訳をしに来たのか?』とか。

それはそうだけどね…


「今更かと思う人は多いと思いますが、決して、私の意思で入ったわけではないのです。少し長くなりますが聞いてくださると光栄です」


国民が集まり始め、自室の窓から見るもの、屋根から見ものがいる。


【魔封歴以前】


イグドラシルはとある国に来ていた。

ここは『魔法の国クラルテ』だった。

イグドラシルはいつもの通り人間の姿になって、酒場で酒を飲んでいた。

そして金を払い、酔っ払ったまま外へ出た。

そして細い路地に入り、寝ようとしていたとき、眼の前に、人がいた。

彼は名乗りもせず、人間の姿のイグドラシルの腹を突き刺した。

彼はこう言い、選択肢をあげた。


「魔王軍に入るか、死ぬかを、選ばせてやろう」と。


イグドラシルは気づいた。

彼が魔王だということに。

もう遅かった。

すでに生死は魔王が決められる状態である。

だから選ぶしかなかった。


「魔王軍にはいりま…す」



---



ここまでを、イグドラは話してくれた。

国民の前で。


「コレが事実であります。どうか信じてください」


国民の声は『これは、仕方がないのでは?』と言う声が多かった。


これで、戦わずに済みそうだ。

やっぱり、人生はそう上手くいかないもんだな。



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