6「ルゼトリア王国の危機」
学院に来て四年、私達は十六歳になった。
やはり胸がだんだんと重くなってきた。
それは今はいい。
朝起きたら、手紙が入っていた。
コレはミレーユの兄、シリウスからの招待状。
この国でパーティーをするらしく、招待してくれたらしい。
内容はこうだ。
『アリシア・フェルナリア及びミレーユ・クローデルを6/12のパーティーに招待する。場所はグランセリア宮』と書いてあった。
書き方はやや雑だけど気にしない。
6/12は今日。
急だけど、行くに決まってる。
シリウスが確か十九歳だったね。
しばらく見てないし、見てみたい。
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【グランセリア宮入口】
私達はドレスを着て、会場に来た。
警備兵の招待状を見せ、通してもらった。
会場は広い。
料理やお酒があり、所々にテーブルがある。
その時シリウスが来た。
「久しぶりだね。アリシア、ミレーユも」
「お久しぶりです」
「久しぶりだね、お兄ちゃん」
「さあさあ、好きなだけ食いなさい」
おお、タダメシとは。
なら、イタダキマス。
急いで食器を取って、肉・野菜・スープまた肉を取り、席に座って、即座に完食。
「ミレーユも早く〜美味しいよ〜」
「アリシア…はぁ、食べ物のことになるとすぐそうなるんだから」
「あははは」
シリウスが笑っていた。
そしてミレーユも
「美味しいいぃ!!」
ミレーユもめっちゃ食った。
その時照明が消えた。
そしてすぐについた。
魔力切れかと思った。
そして大きく建物が揺れた。
一人の貴族が窓の外を見て青ざめている。
そして口を開いた。
「龍だ…いや首が八本…神龍だ…」
皆が、目を見開いた。
神龍、前世で見たことはある。
だが戦ったことは一度もない。
神龍…神龍と言いながら魔王軍に加担した、知能が高い龍。
噂では、人の姿にもなれるという。
そしてシリウスが大声で言う。
「避難してください!なるべく遠くに!」
神龍は国境の外。
大通りには国家騎士団。
松明を持ち、馬に乗って、出動。
だが少ない。
国家騎士はSランクの集まりである。
だが、この国にはSランクが少なく、今見えているだけでも3人。
神龍を倒すのに、少なすぎてないか?
確かシリウスもこの国の国家騎士団だったはず。
向かうのか?
って、シリウスいないし。
私も行って見よう。
「ミレーユ。行ってみよう」
「え?まじで?」
「マジよ」
「わ、わかったわ」
移動は、光属性の移動魔法『レイライン・スキップ』を使う。
使い方は簡単。
視界、または構造が分かる場所を思い浮かべ、ワープするというもの。
デメリットは、情報が多すぎること。
この魔法はそう簡単には使えないということだね。
「ミレーユ。私の手を握って。絶対に離さないでよ」
「ええ、何をする気なの?」
「今からやることよ」
「…?」
目を瞑る。
龍がいる場所は、南側。
ここからの距離は4kmほど。
ここから、目的地までの構造。
「うっ」
頭が痛い。
あとは照合。
できた。
「レイライン・スキップ!!」
シュウィンと言う音が聞こえ、私達はグランセリア宮から南側の国境付近に転移した。
「え、ここは?」
「神龍がいるところの近くよ」
「え、ええ!?私達さっきまで、会場にいたよね?」
「ええ、いたわよ」
「じゃあなんで、ここに?」
「レイライン・スキップを使ったからよ」
「あの光属性系、移動魔法を?その魔法って、失われたはずじゃ…?」
あ、まずかったか。
「ままま、まあたまたまだし?こんな大物倒せるチャンスじゃない!」
「そ、そうかな。アリシアがそこまで言うなら…」
耐えた。
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後ろから、国家騎士団が来た。
シリウス含めて、10人程度。
少ない。
ルミナスには国家騎士団が100人ほど。
お父さんが騎士団長をやっている、フェルナリア軍が1万人ほど。
それに比べ、この数は舐めてるだろ。
Sランクの集まりが、10人?神龍から見たら、無紋位と同じ様なもんだ。
「アリシア、そしてミレーユまでなぜここに?馬での移動でも十五分はかかるというのに」
「レイライン・スキップを使いました」
隠す気などない。
「あの光属性系、転移魔法を、こんな十六歳の美女が?」
周りの国家騎士団がざわつく。
「まぁ…良いだろう。それで、ここに来たということは…覚悟があるんだな?」
「ええ。シリウス」
「アリシア…本当にやるの?」
「もちろん!やらないわけ無いでしょ!」
「そ、そうなのね」
そう、覚悟はできている。
そして剣を出す。
国家騎士団は驚きが続いている。
「どうしましたか?国家騎士団の皆様」
一人の男が口を開いた。
「本当に驚きだ。貴女はBランクなのに、Sランク級相当の装備がある、武器をお持ちとは」
「ありがとうございます」
「ならば、私らは援護に回ります」
んん?援護?ビビってるな。
まぁいいよ…そう簡単に倒せる相手ではないのはわかっているからな。






