2「ランクそして模擬戦」
あの日から一年。
五歳になった。
今日はミレーユといっしょに、ランク測定をしに行く事になった。
教会はこの国で一番デカいとこ。
無駄にデカいのねって。
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ついた。
中は広い。
教会の人がいた。
「我が教会へようこそ。新たなる希望を持った子たちよ。さあどちらからいきましょうか」
自分が前に出る。
「じゃあ私から」
魔道具に手を入れる。
この魔道具に仕組みは大体わかった。
まず判別するのは、魔力量、そして質。
それだけだ。
だとしたら私は絶対にSランクになってしまう。
だから限界まで魔力を封印。
明らかに、手に紋章が刻まれているのがわかる。
コレ終わったら、お父さんに、剣術でもやらせてもらおう。
そして、測定が終わった。
ランクはB。
うん、こんなもんだよね。
「お母さん!Bランクだったよ!」
結局自分で人生決めたようなもんだけど…
「良かったわね!」
「じゃあ次はミレーユだね!」
「そうだね!」
ミレーユが魔道具に手を入れ、判別が行われる。
判別終了。
ミレーユが自分の手を見る。
そして、こっちに走ってきた。
「見て見て〜Aランクだったよ!」
「すごいね!」
「さすがね!」
うん。
確かランクによって、自分専用の武器が作れるらしい。
人生で一回しかできないが。
「じゃあ、やってみようね」
「「魂より生まれし武器よ。我が意思を形とし、今ここに顕現せよ。鉄の光よ、立ち上がり、語れ!ミスタウラム!!」」
光が放たれる。
眩しい、この魔法は、前世にはなかった。
光が収まった。
私の手には、蒼く光る、剣を持っていた。
装飾は豪華で軽く、持ちやすい。
素材は魔力の結晶みたいだ。
魔素が多く含まれている。
腰には剣をしまう鞘がかかっていた。
そして、ミレーユの武器はというと、弓だった。
しかもこの弓には何かがある。
それはすぐに分かった。
これは、魔力で矢を生成する武器だった。
そして自分の考えた弓を作れる。
水・火・風・土・光そして禁断の闇魔法まで。
すべての魔法に対応し、形・鋭さ・速さまで変えられる事がわかった。
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【自室】
私はその後、この剣の能力を試した。
今のところわかったのは、まず名前を付けた。
名前は『ルクステリア』本によると、名前をつけることで、真の能力がわかるという。
最初は嘘だと思っていたが、実際に付けてみたら、剣の情報が一気に出た。
前世にはなかった。
この情報表示をステータスと言うらしく、自分の武器にだけ出るらしい。
情報を見る。
名前 ルクステリア
能力 鋭さ向上(魔力により)・魔力上昇。
特性 剣を投げると手元にもとってくる・破壊不可。
このように視界にステータスが表示される。
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私は七歳になった。
ミレーユも同じく七歳。
ミレーユの兄のシリウスは十歳。
今日は隣国の『エルダリス帝国』から騎士団が模擬戦で来訪らしく、シリウスとその隣国のSランクの次期国家騎士の人と模擬戦をするらしい。
シリウスとは同い年だって。
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【練習場】
隣国の騎士団が待っていた。
お父さんから聞いた話によると、隣国の騎士団は、この国の騎士団、つまりお父さんの騎士団が嫌いということらしく、どうなるかはわからないと言っていた。
まあ木刀だし、大丈夫なはずだけど。
お父さんが相手に挨拶をしようとしている。
「お久しぶりです。ジグムント・レフティア殿。今日の模擬戦よろ―――」
お父さんの話を遮り言った。
「我らエルダリス騎士団が、お前らみたいなお飾り騎士団に模擬戦をしてやるんだ感謝しろ」
こいつムカつくわ。
しかもシリウスと戦う奴は、そいつの息子だと聞いたし。
コレは心配だ。
お父さんの方を向いた。
ジグムントと目が合った。
ジグムントは私のことをいやらしい目で見てきた。
ああいう目は嫌いだ。
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模擬戦が始まった。
いやもう終わった。
今のところすべてこちらの負け。
最後はシリウスと相手の…イグナートとの対戦で終わる。
お父さんが始めの合図を出した。
シリウスが動く。
イグナートは隙だらけ。
いや、罠だ。
そしてシリウスが剣を振り落とす瞬間、イグナートはシリウスの足を蹴り、木刀を脇腹にめり込ませた。
そしてシリウスは、外壁に叩きつけられた。
負けた。
全敗だった。
だから、私が出ることにする。
前世の頃の経験を活かし、勝つ。
「イグナートさん。私とも手合わせよろしいでしょうか?」
「はぁ?こんなクソガキが、高貴なる僕の相手など、できるわけがないだろう!」
心底ムカつく。
「まぁ、そう言わずに、やりましょうよ」
「そうか、ならボコボコにしてやるまでだ!」
言ってることがガキ。
まあ私のほうが精神年齢が上なので。
父が歩いてきた。
「アリシア。本当にやるつもりか?剣術も何も教えてないはずだが…」
「まぁ、やってみないとわかりませんよ。お父さん」
「そ、そうか。気をつけろよ」
「はい」
そしてお父さんの合図。
私が先に出た。
シリウスが倒された理由、それは油断、それとスピードの遅さだ。
確かにシリウスは強い。
油断をせず、スピードを強化すれば、イグナートに勝てていただろう。
イグナートのパターンはまだそれしかわからない。
次何が来るかなどはわかりはしない。