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賢者の人生やり直し  作者: 冬城レイ
第一章「ルミナス王国~イグドラ接触まで」
1/16

1「転生」

俺は賢者だ。

かつて、魔王を封印し、称えられたんだが…今となって、街を歩いても、何も言われなくなった。

もうやり残したことはねぇ。

転生しよう。


この魔力すべて使う!


『ルクス・リインカーネ!!』


巨大な魔法陣が空一面に広がる。


「1500年後。この世界がどうなっているか楽しみだ。また会おうこの世界よ」



---1500年後---


封魔歴(ふうまれき)1501年】


(封魔歴とは賢者が魔王を封印したときから始まった。)


『――――――――』


何だよ…


『―――――!!』


なんか言ってる。

うわ眩しい。


『―――!!』


うーん…俺はー思い出した。

前世で賢者だったんだっけ俺。

…俺?

俺今世、男だよね…?


…女だ。

俺の母親は美人だ。

しかも巨乳。

父親もまたイケメン。

今世最高。


喋れるか?


「あーうー」


まだ喋れないか。



---



一年が過ぎた。

ここは『ルミナス王国』と言う場所だ。

いいとこだな。

そして俺…いや私か。

私の名前は『アリシア・フェルナリア』と言うらしい。

母は『クラリス・フェルナリア』

父は『レオニス・フェルナリア』だって。



---



父の仕事は、騎士団長。

この国を守る兵だ。

この辺には強力な魔物がいっぱいいるのだそう。

それを倒すため週に一回、帰ってこない日がある。

心配だが、大丈夫だろう。

そのためフェルナリア家は貴族ということになる。


---



四歳になった。

今日は母の昔からの友達との茶会らしく、私も同行。

その友達にも、私と同じ年齢の子供がいるらしい。

精神年齢は上だけど。



【友達の家に到着】


「来たわよ―!!」


相変わらず声がでかい母だ。


そしてドアが開いた。


「クラリス!待ってたわよ!」

「ミラーナ久しぶりね!」

「そちらがアリシアちゃん?」

「そうよ!アリシア、挨拶しなよ」

「はじめまして?アリシアと申します」

「よろしくね〜」


そう自己紹介をしていたらミラーナの後ろから二人の男女…いや兄妹か。

兄のほうが三歳年上かな。

そして妹の方は母に聞かされていた通り、私と同じ年齢。


その時兄のほうが自己紹介を始めた。


「はじめまして、アリシアさん。僕の名前はシリウス・クローデルと申します。お見知り置きを」


続けて、妹の方も。


「わ、私はミレーユ・クローデルと申します!」

「よろしくね!シリウスさん。ミレーユさん」

「僕の事は、シリウスでいい」

「わ、私の事も、ミレーユでいいよ!同い年なんだし!」

「わかりました」



---



茶会が始まり、三十分。

私は、親たちの話を耳を澄まし聞いていた。


転生するまでの1500年の間に随分と世の中が変わったらしい。

まずは、ランクで、DからSランクまであり、五歳のときに教会で紋章を刻む、魔道具に手を入れて測定するらしい。

Sランクは稀。

Aランクは一万人に一人。

Bランクは1000人に一人。

Cランクは最も一般的。

Dは魔法が使えない。


こんな差別みたいなの前世にはなかったんだけどね。


そしてシリウスはSランクであり、次期国家騎士になる予定だと。

ミラーナはその事について不満があるようでこう言っていた。

『できればミレーユとアリシアちゃんはSランクになってほしくないわね』と。

そして母はこう返した『そうね、Sランクだと死ぬまで、国家騎士に在籍しないといけないものね』と。


どうやらSランクには自由がないのだろう。



---



茶会が始まり一時間。

予測もできないことが起きた。


「魔物が出たぞ!!!」


「「「!?」」」


皆が振り返る。


窓に突っ込んでくる魔物…いや、龍?

でかい、とにかくでかい。


シリウスがすぐに剣を抜いた。

あの剣は見たことがある。

いや正確には、作ったが正解か。

…いや、そんなことより今は龍をどうするか。

シリウスの剣術を見とこう。


シリウスは真剣な表情をしている。

――そして、龍に向かって一振り。

だが、龍の甲羅が硬かったのか、剣が跳ね返され、手から離れ、地面に刺さる。

親たちは、瓦礫の下。

気を失っている。


ミレーユは泣いている。

――そしてシリウス。

彼の目は絶望の色に染まり、その場に座り込んだ。

あまりの怖さに、失禁まで。

そして私の方を向いた。

助けを求めている様に感じた。

そして龍の手で壁に叩きつけられた、シリウス。

もう私もやばいと感じた。

一か八か、魔法を使うか。

いや、魔力を口に溜める。

魔力密度を高め、魔力を可視化。

よし溜まってきた。


シリウスはこちらを見ている。

さっさと終わらせる。


よし溜まった!!


キュウィーンと言う音が部屋中に響く。

そして放つ。

ドカァン!!


私の口から青色の、棒状の光が、龍めがけ放たれた。

その光は、雲を突き抜け、少し曇っていた、空が青空に変わる。

そして龍を見ると、跡形もない。

何も、骨、血、甲羅すらも、何も残ってはいない。


シリウスは微笑んだのかは知らんが、笑ったまま気を失った。

そして私も。

魔力を急に使いすぎたのだな。

意識が遠くなる…



---



目が覚めた。

視界が戻り、見ると、そこは見慣れた天井だった。

自分の家か、と思った。

母から聞かされた話によると、龍が謎の光に貫かれ、消滅したと言う。

コレはシリウスがやったことになっている。

そして、多分だが、真実を知っているのはシリウスだけだと思う。




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― 新着の感想 ―
賢者が女性に転生するという設定が前世とのギャップがあって面白かったです。アリシアの家族や新しく出会うシリウスたちとの関係やこの世界の魔法ランク制など少しずつ明らかになる世界観に引き込まれました。突如現…
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