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第7話 作りものの夜
作りものの夜
夜はどこか、暗い色のカーテンをかけたような、そんな作りものの夜でした。
綺麗な黄色い三日月が、二人のことを見守るようにして夜空で輝いています。
みぞれとくままるは二人で並んで丸っこい木の根っこのところに座って夜空を一緒に眺めていました。
少し風が吹いているのか、泉の水面は揺れていました。(葉っぱも小さな音を立てています)
そこには夜空で輝いている三日月もゆらゆらと揺れながら写っていました。
「綺麗ですね。くままる」とみぞれは言いました。
「本当だね」とくままるは言ってにっこりと笑いました。
夜空には三日月だけではなくて星たちもたくさんきらきらと(まるで誰が一番綺麗な星なのか競走するみたいに)輝いてます。
とっても明るい夜でした。
二人が膝を抱えたままで、そんな明るい夜空をぼんやりとした顔で見ていると、やがてひとつの星がふらふらとしながら二人のところにおりてきました。
「こんばんは。いい夜ですね」とお星様はにっこりと笑っていいました。