8.藍色の汐目−4
汐と正対し、お互いに何も言わない時間が過ぎていく。もしかしてこれは、告白するシチュエーションなのではないだろうか。だけど、なんだか頭の中で必死にセリフを作り上げようとしても、言葉として紡げずにいた。
夕暮れの海は藍を溶かしたように静かだった。波は寄せては返し、砂浜に無数の模様を描いていく。まるで時間そのものが、波のように満ちては引いているような錯覚。
「汐、あのさ……」
「睦、今、何しようとしてるか当てようか」
「え?」
「告白、しようとしたでしょ」
「あ、ああ、いや、別に」
「とぼけなくて良いんだよ。満潮時の汐が好きで、澪のことが好きだもんね?」
「ちょ、言うなよ本人が! それ言われると何も言えないじゃん!」
「じゃあどうぞ? 言ってみ?」
ごほん、と咳払いをして、なんて言おうか覚悟を決める。誰もいないし、告白するのはすでに知られているし、別に恥ずかしさなんて感じる必要はない。だけど、声にならなかった。頭の中で、色んな思いが交差しているような気がした。
「好き、なのは分かってる。でも、それって本当に、私への気持ち?」
汐の言葉に、胸が締め付けられる。爽やかで可愛くて柔らかい雰囲気で、天真爛漫なのに時には厳しい意見や鋭い指摘もしてくれて、先頭に立ってリーダーシップを発揮して、そういう人を好きにならないわけがない。と思うのだが。
不思議なことに、気持ちが全く盛り上がってこない。ドキドキ・ワクワクしない。目の前にいる美少女に、表面的なものしか感じない。
「見たいところだけ見ることで視野が狭くなるように、目で見えてることだけを信じていると、本質を見失うよ」
汐は優しく微笑んだ。何を言っているのかさっぱりわからない……こともない。本当は分かっているのに、自分で自分に蓋をしている。そんな気がする。
「睦、睦は、本当は穂香ちゃんのことが、好きなんでしょ?」
「まさか! そんなわけ無いだろ! 穂香は男勝りでたくましくて髪も短くて、汐とは正反対だから!」
「それって全部目に見えてる部分じゃない? 表面的だと思わない?」
「それは……そうかもしれないけど」
「目に見えていない部分の穂香ちゃんは、どうなの?」
「えっと……いつも一緒にいて、話しかけてきて、冗談とか言い合って、気にかけてくれて、相談できて、一緒にいて楽で」
「だから?」
「だから……好きってこと?」
「好きなの?」
「……好き、かも」
深呼吸した後みたいに、肩の力が抜ける。自分で気付かないようにしていたことに、ようやく気付いた。十年以上も目を背け続けてきた真実に。まるで汐が自分の罪から目を背けていたように、俺も自分の本当の気持ちから目を背けていた。
藍色の瞳を持つ少女との出会いがなければ、きっと気付けなかったこと。たくましい背中で前を歩いてくれた穂香。困ったときは、黙って助けてくれた穂香。自分の気持ちを隠しながらも、ずっと見守ってくれていた穂香。
俺、本当は穂香のことが好きだ。
たくましくて男勝りで、名前だけ可愛い穂香。いつも横にいて、なんだかんだで面倒を見てくれる幼馴染。そう決めつけることで、何か別の可能性から目を背けていたのだ。
穂香の何気ない言葉に、いつも思わず冷たく返してしまう。でも、その瞬間、胸が痛んだ。なんでいつもこうなのだろうと違和感が募った。だけどそんな違和感を無視し続けていた。たくましい背中で前を歩く穂香の後ろ姿に、切なさが混じるのを、見て見ぬふりをしていた。
田植えの時の繊細な指の震え。体育祭の時の切ない告白。浴衣姿で照れくさそうに微笑む表情。断片的な記憶が、まるで波のように押し寄せてくる。
いつだって側にいてくれた。いつだって気にかけてくれた。自分のことを、誰よりも理解してくれていた。それなのに、俺は穂香の優しさを当たり前のように扱い、その想いから目を背け続けてきた。
でも、そんな風に見てはいけないって、どこかで線を引いていた。だって穂香は、ただの可愛くない幼馴染だから。表面しか見ないようにしていた。きっと俺は、穂香のことを「見たくない」ように見ていた。自分の本当の気持ちに気づかないように、自分で自分に制限をかけていた。自分で自分に言い聞かせ、騙して、自己暗示をかけていたんだ。
この感情に気付かないようにしていたから、汐に惹かれたのかもしれない。遠い存在だからこそ、安全な憧れを抱けた。でも、本当に大切な存在は、ずっとここにいた。
「穂香……」
その名前を呟いた瞬間、声が震えた。この感情に名前をつけることが、まだ怖かった。
「ずっと意識してたよね。わたしが初めて穂香ちゃんに会ったあの夜も、そんな感じだったし。二人で話してた会話の節々で、なぜか穂香ちゃんの話が出てくるし。幼馴染だからって、そばにいることが当たり前すぎて、本当はその存在の大きさに気づかないようにしてたんじゃない?」
「それは……」
「わたしに合わせて標準語で喋ってくれてたよね。穂香ちゃんとは方言でしょ?」
「それは慣れもあるし……」
「二人だけの空気感って、感じがしたけどな。睦は、良いところも悪いところも、たくましいところも女の子らしいところも、穂香ちゃんのことは実は全部見てたよね」
砂浜に打ち寄せる波の音が、心臓の鼓動と重なる。本当にそうかもしれない。
「穂香ちゃんも、睦のことをずっと見守ってきてたんでしょ? わたしみたいに時々現れる幻じゃなくて、ずっとそばにいてくれたんじゃないの?」
「幻なんかじゃ……」
「本当のわたしは嘘つきの澪で、汐は演技でしかなくて。でも穂香ちゃんは、いつだって本物。睦は前にわたしに対して全部を受け入れるように頑張るって話してくれたけど、そういうのって、頑張るものじゃないよ。きっと、当たり前にそういう風に接したくなるものなんだよ。そういう意味で、穂香ちゃんは、睦の全部を受け入れてくれてるんじゃない?」
体育祭の裏で穂香が言ってくれた言葉が次々に蘇ってくる。俺のすべてを知って、すべてを受け入れて、見守ってくれている存在。そんな穂香を、俺はきちんと受け入れていただろうか。無意識のうちにそういうところを見ないようにしてきたのではないだろうか。穂香が良くしてくれるのが当たり前だからと、甘えていたのではないだろうか。
「穂香ちゃんは、これからも睦と一緒にいられるんだね」
「別にそんなあれよ。毎日一緒にいるのが普通だったし、そんな別に特別じゃ」
「特別だよ。睦と穂香ちゃんは、特別だよ。小さい頃から毎日一緒だったんでしょ? わたしは睦と毎週一緒にいても全然足りないんだもんね。わたしは睦から穂香ちゃんを消すことは出来なかった。消そうとすればするほど、睦の中に穂香ちゃんがいることが分かって、諦めがついた」
夕陽が二人の影を長く伸ばしていく。手のひらについた砂利が爪の中に食い込む。
「さっき私は、USIOのままで、USOじゃない生き方をしたいって言った。睦も同じだよ。自分の気持ちに嘘をつかないで。もう、目を背けなくていいんだよ」
目の前にいるのに、汐の声が、どこか遠くから聞こえてくるような気がした。目の前がぼやけてきて、視界が滲む。その向こうに、ずっと見えていたはずの穂香の姿が、鮮明に浮かび上がる。
たくましい背中で、いつも前を歩いてくれた穂香。困ったときは、黙って助けてくれた穂香。自分の気持ちを隠しながらも、ずっと見守ってくれていた穂香。頬を伝う涙が、しょっぱかった。
「ごめん……」
「謝らなくていいよ。わたしは嬉しかった。睦がわたしのことを見つけてくれて、本当のわたしを受け入れようとしてくれて。本当のわたしを見てもらえた気がする。誰も見ようとしなかった部分まで、真剣に向き合ってくれた。だから、わたしも自分と向き合う勇気が出てきたの」
「別に、そんな、なにもしてないよ」
「違うよ。睦が最初に両方のわたしを受け入れようとしてくれたから、わたしの演技も見抜いてくれたから、わたしも自分を受け入れられるようになった。もう演技をする必要がないって、気付けた。安心感を与えてもらえた。だから今度はわたしが、睦の本当の気持ちに気付かせてあげたかったんだ。だから、そのごめんは――」
「そうだな。穂香に言わないと、だよな」
ゆっくりとうなづく汐。汐には散々偉そうに言ってたのに、自分のことは何も見えていなかった。本当に面倒くさくて、うるさくて、うっとうしい――しゃあしいのは、紛れもなく俺だった。
水平線の彼方で、藤色の入道雲が積み重なっていた。もう夏が終わる。そんな気がした。それと同時に、自分自身の心の満ち引きにも、もう逆らわなくて良いのだと悟った。穂香への想い、この町への愛着。すべてを素直に受け入れられる強さを、汐が教えてくれた。
立ち上がった澪が、濡れたTシャツを絞る。その背中には、これから歩んでいく未来への覚悟が見えた。
「わたしね、この町が好きだった。この町の人たちは、きっとわたしの一面しか知らない。だから、どうしてもその一面で色々判断されることが多いんだけど、その一面だけでも、知ってると知ってないじゃ全然違うと思うんだよね。あー、あんなやついたなって、思い出してくれると思うんだよね。それって幸せなことじゃない?」
確かにそうだ。行高では汐は不思議ちゃんと呼ばれ、時に白い目で見られた。でも、工事への抗議活動を支えてくれる人もいたし、応援してくれる人もいてくれた。誰にも知られないままより、一瞬でも覚えてもらえる存在になれたら、それは何も無いより幸せだと思う。
「みんな無関心そうに見えて、でも、誰もが何かを見ようとしてる。ただ、怖くて、見たくないものから目を背けてるだけ。わたしもそうだった。この町の人たちが見たがらない現実から目を背けるように、わたしも自分の罪から目を背けてきた。あの祈りだって、本当は、自分自身から逃げ出すための自己満足だった」
「汐……」
「海があって、山があって、確かに不便なところもいっぱいある。でも、この町には、わたしの大切な思い出がたくさんある。睦と一緒に過ごした日々も、わたしの一部になったから。一緒にいてくれてありがとうね」
なんでそんな話し方をするんだろう。これからもこの町で、この町の変化を一緒に見続けていけば良いじゃないか。
「汐、まさか……この町からいなくなる……って、そんなことないか。ないよな。汐に限って。あーでも大学は行橋にはないもんな。それはそうか、でも、実家から通ったりするんだろうな。実家はどこに移転することになったんだ? 今度また食べに行くからさ」
「……睦。ごめんね」
「なに? なんで謝るんだよ。やめろよ、なんだよ一体」
「牡蠣はね、もうやらないの」
「え……」
「わたしね、しばらく母方の田舎に引っ越すの」
「いや、え? こんなに行橋のためにやってきた汐が? いや、そんな、え?」
「本当の実家はこれからなくなるし、母方の田舎はもっと北の方だから」
その言葉は、潮風に溶けるように儚かった。
「遠い北に」
返す言葉が見つからない。この町から消えていく牡蠣の香りのように、汐もまた、遠ざかっていくのだ。
「北? ああ、北九州ね。確かに電車で一時間くらいだもんな。遠いよな。なっ!」
「北関東? 詳しくはあんまりよくわからないけど、工場が多いみたいだから、こっちとそう変わんないよ」
「そんな……」
こんなことになるなら、もっと抗議活動に最初から本気で取り組めばよかった。色んなところに回って、ビラを配りまくって、市役所に突撃して、市長室を占拠して……。そんなこと、出来ないのは分かっているけど。汐が行橋からいなくなるなんて、本気で想像していなかった。
「この町にはね、色んな物語が埋もれてるの。わたしの嘘も、睦の逃避も、みんなの諦めも。でも、そのどれもが本物の想いだった」
その時、俺は分かった。理想だけを追いかけても、現実から目を背けても、本当の成長は得られない。大切なのは、すべてを受け入れた上で、前に進むこと。牡蠣小屋が無くなり、浜辺が埋め立てられても、この町は生き続ける。寄せては返す波にいつしか埋もれてしまった物語も、またいつかマテ貝を掘るときみたいに日の目を見ることもあるかもしれないから。
「汐」
「ん?」
「俺、汐のおかげで、なんか変われた気がする」
「……うん」
「見ているだけの人間から、自分で動ける人間に。与えられるだけの人間から、誰かのために何かができる人間に。それは穂香ももちろんそうだけど、汐がたくさん気付かせてくれた。だから、今度は俺が伝えたい。汐が今までどれだけの影響を残したのか。この町を、俺を、みんなを、どれだけ変えたのか。その事実は誰も消せない」
「……本当?」
「うん。だからその……」
「うん……」
「好きだった。汐のこと」
「え? だからそれは穂香ちゃんに言っ」
「違うよ、人として。顔とか仕草とか目に見えるところじゃなくて、何かをやり遂げる強さとか、想いの強さとか、そういうの。人として、好きだったよ」
「睦……あ、ありがと」
自分でもなんでこんなことをスラスラ言えているのか不思議でたまらない。でも、これは本音で本心だった。だからこそ、スラスラ言えるのかもしれない。オーバーな言い方かもしれないけど、こんな風に言葉にできるようになったのも、汐のおかげだ。
「引っ越し先でも、きっと汐は誰かの心を動かすはずだよ。最後に、これ」
俺はスマホを取り出して、SNSの画面を開いた。そこに映っているのは、あの頃の汐が残したかった景色の数々。綺麗な海。美味しそうな牡蠣。抗議運動に精を出す仲間たち。そして、満潮時の汐であり澪である、あの頃の笑顔。その背景は、工事が始まる前の浜辺。澄んだ藍色の海が、夕陽に照らされている。思いつきで言ったSNSへの投稿が思い出に変わる瞬間を目にしたような気がする。
「全部、汐が残したものだよ。いつか、思い出したくなったらこれを見れば良い。あの浜辺は確かにここにあって、汐の祈りを受け止めていた。その証は、この中に残ってるから」
写真を見つめる汐の瞳が、潮が満ちるように潤んでいく。
寄せては返す波音が、まるで時計の秒針のように、 残された時間を刻んでいく。
「忘れないでね」
不意に澪が振り向く。寂しくて悲しくて虚しいけど、覚悟したような藍色の瞳をしている。夕暮れで薄暗くなってきてもなお、その瞳は輝いている。そんなにしっかりした目で見られたら、こっちまで覚悟を決めないと申し訳なくなる。
「忘れないよ。こんなしゃあしい夏、忘れるわけ無いじゃん」
「こんなしゃあしいわたしに付き合ってくれて、ありがとね」
「こちらこそ」
もうすぐ完全に陽が沈む。波打ち際を闊歩していた白鷺が悠然と飛び立ち、藍色の空へと消えていった。波の音が二人の沈黙を優しく包み、潮風が汐の長い黒髪を揺らす。この景色も、この空気感も、きっともう二度と味わえない。そう思うと、一秒一秒が黄金のように貴重に感じられた。
「じゃあ、もうサヨナラだね」
「え、ここで? 汐もこすもっぺ行かんの? もうこそこそする必要なんて無いんだし」
「穂香ちゃんのこと置いてきてるんでしょ? 大事なタイミングで、傍で見守っててほしいの?」
一歩前に出ていたずらっぽくニヤニヤしてくる汐に下手な苦笑いで対抗する。
そうだ。今も穂香を一人ぼっちにさせている。俺が戻ってくるのを待ってくれているはずだ。
「ほら、行きなよ。穂香ちゃんが待ってるよ」
「分かったよ一人で行くよ。……じゃ、またな」
「……さようなら」
夏が溶けていくような淡い夕暮れ。届かないままの想いを、潮風に託す。解けない魔法のように、この夏の記憶は心の中で波打っている。
バツが悪そうに笑う汐の横顔が、フィルムの切れ端のように浮かんでは消える。近づけば遠ざかり、遠ざかれば近づく。そんな不思議な魔法に掛けられた、押しては返す、波のような夏だった。
最後の別れの言葉を交わした後、しばらくその場で動けなかった。本当に好きな人は穂香だけど、汐のことは決してどうでも良い存在ではなかったから。そのまま波音を聴いてじっとしていたら、汐のほうから無言で歩き出した。前を行くその後ろ姿は、なんだか遠く感じられた。
もう満潮時の汐には会えない。干潮時の汐にも、それらを演じていた澪にも会えない。でも、その代わりに本当の彼女と出会えた。藍色の潮が引いて、また満ちていく。潮が引いていくように去っていく想いと、新しく満ちてくる気持ちが、波のように押し寄せる。
しゃあしい汐にサヨナラをして、しゃあしい自分にも手を振った。
満ちた思いを波にまかせて手放すと、さっと引いて潮目が出来ていた。
今川河畔に向かって歩きながら、今までの記憶が走馬灯のように蘇ってきた。そういえば、体育祭の時。汐のことばかり気にしていた俺に、穂香は黙って付き合ってくれていた。机の上に肘をついて、たくましい腕を曲げながら、上目遣いで俺を見上げてきた時の表情が、今になって心に重く沈む。田植えの時も。泥まみれの軍手の中の、女の子らしく小さな指が震えていた。たくましい背中で田植え機のエンジンを引っ張りながら、時々後ろを振り向いてくれる仕草に、なんとも言えない優しさがあった。毎日の何気ない会話。声をかけてくれる度に、穂香は俺の全てを見守ってくれていた。なのに俺は、その大切な存在をわざと見ないようにしていた。汐との関係に夢中になっていた時も、実は無意識に穂香のことを探していた。話題のはずれに穂香の名前を出してしまったり、穂香との思い出を重ねてしまったり。 本当は分かっていたんだ。誰が一番大切な人なのかを。
灰色の雲が晴れて、だだっ広い空にぽつぽつと星が出てきた。星々がくっきり見えるこの広い空も、ある意味行橋の良さと言えるだろう。 かつては何もないと嘆いていた空の広さが、今は心を癒してくれる。
到着前に、空には中途半端な大きさの花火が咲いた。カウントダウンには、ギリギリ間に合わなかった。
焼きそばの甘辛い香ばしさと、モモ焼きの煙の匂いが、今川沿いの土手の匂いに混じって夜空に溶けて行った。どこかで漂う線香花火の硫黄の香りが運ばれてきて、懐かしい夏の記憶を呼び覚ます。
「穂香!」
「あ、おかえり、睦ちゃん」
「ただいま、穂香」
「なんかあった? 話聞くよ?」
「あった。穂香に伝えたいこと。穂香じゃないと、言えないこと」
今日のことも、今までのことも、これからのことも。最後の花火になるまで、穂香に思いを伝え続けた。花火は見る余裕がなかった。ただ、花火の明かりで光る穂香の顔を、じっと見つめ続けていた。




