第ニ考・位について考える
柱に縛り付けられたジャンヌ・ダルクの前で高官が高らかに大きな声でジャンヌ・ダルクの最期を見ようと、見届けようとあるいは笑いに中傷しに野次馬心で、中には一部本気で心配して見に来ている民衆の前でジャンヌ・ダルクの罪を述べている。
ジャンヌ・ダルクはその罪の内容より高官について考える。
あの高官は何故あんなに偉そうなのだろう。
この国の王でもない、先頭に立って戦った勇者でもない。自分を捕らえた功績もない。
ただただ裏で城の中で茶を飲みながら勇敢に戦った者の話を書面を読んだだけの者だ。
それが何故ああもまるで自分が功績のように語る。
仲間内にもいた。何も出来ないが位だけあった者。
その位を自分の力で勝ち取ったのだったら良いのだが。
しかし位というのはある意味呪いのようなモノだ。
別に位というモノは自体に力があるのでも何かある訳ではないが人に順位を付けてしまう。
その位を破れば悪という。位は絶対。上が悪かろうが何をしようが従わなければならない。だから皆位を欲する。
その為に今の時代なら戦う。
友に対しても、家族を犠牲にしても、自分の位を高い位を得ようとする。
王、高官、民衆、はたまた神。
色々な名で位は存在する。男女もある意味位だ、自分が戦場の先頭に立つ時だって最初は色々あった。
位・・・・人々は気付いていないのか、こういう状況になったから気付けたのか。
位とはこの世で一番の不平等を作り出しているモノだと。