5:オタクの味方?ローゼン閣下
普段こんな呼び方しないのですが、伏字も兼ねて「ローゼン閣下」で統一いたします。
私が初めて閣下を知ったのは、空港で『ローゼンメイデン』を読んでいたところの目撃情報からでした。それまで政治家なんて総理の名前くらいしか知らなかった私ですが、そのニュースは青天の霹靂でした。
それまでオタクとは、連続幼女誘拐殺人事件の影響もあって犯罪者予備軍のイメージを抱かれていました。あれも犯人の部屋にあったアニメ雑誌を取り上げたマスコミによるレッテルだったんですけどね。
また有害図書追放運動もあり、オタクと政治家は相容れぬ存在だという認識でいました。
その政治家が、萌え漫画を読んでいる!
私の中で、世界が引っ繰り返った瞬間でした。実際には閣下はオタクというわけではなく、多方面にアンテナを伸ばせる人との事で漫画もその一つに過ぎなかったのでしょう。一番好きなのはゴルゴ13らしいですしw
それでもオタクは恥ずかしい趣味なんだと肩身の狭い思いをしていた私にとって、オタクも日本人であり日本の役に立てるんだという希望をくれた閣下は大恩人でした。
同時に、政治に対する偏見もこの頃からなくなっていきました。政治家は国民を見てくれないと言うが、逆に私たちは政治をちゃんと見ているのか? 私たちの生活に直結するからこそ、もっと積極的に関わっていくべきなんじゃないかと。
一方、ローゼン閣下のこのニュースを報じたマスコミは、あてが外れたんじゃないでしょうか。バカにするつもりだったのが、逆にオタクから好意的に受け止められたと。しかも後を追うように、漫画やアニメ好きの議員たちが次々とカミングアウトしている。彼らは閣下よりも若いので、政界のオタク率が上がっても不思議ではないんですね。
そこでマスコミは、今度は閣下とオタクを対立させようと、表現規制を持ち出します。こいつはオタクの味方なんかじゃない、表現の自由が奪われるぞと。この辺り、ゾーニングの話とごっちゃになっているので整理する必要がありますが、忘れてはいけないのはオタクに犯罪者予備軍のレッテルを貼り付けていたのはマスコミです。
散々バカにしておきながら、政治家を潰すために味方面してけしかけるなんて、まさに煽動のプロだなと。
もちろんマスコミだけが敵だったのではなく、オタクの中にもそういう論調が幅を利かせていました。表現規制の賛成派と反対派の議員リストを作り、反対派議員に投票しようとネットで呼びかけられていたのです。規制賛成派とされる中には、ローゼン閣下の名前もありました。
しかしこのリスト、実は外国人参政権という枠にすると賛成と反対が入れ替わるんですよねwしかもリストに書かれた議員(賛成派)がお亡くなりになった後も、ずっと内容が更新されませんでした。
どうやらオタクも趣味の事だけ考えている場合ではなくなったようです。
ローゼン閣下は単にオタクの味方というわけではない。が、同じ日本人として評価し、また一般人の政治へのハードルを大きく下げたくれた人であると思っている。