表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
残念ながら、母の娘はそこの美少女ではなく私です!!!コミカライズ中!  作者: 家具付
外伝1 泥棒と私 ※本編と雰囲気違い過ぎます。ご注意ください

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/68

15 どうやっても現実は切ない

どうやら今まで、私は雰囲気にのまれて、それに思い至らなかったらしい。


「……寝間着で行くのはやめたいんだけど」


「ここは俺の衣類はあるが、女の衣類は置かれていないぞ」


「なんかないの、着られそうなの」


「少し待て」


言って彼が、指を鳴らした。音じゃない何かが空気を震わせて、五分くらいしたら、見覚えのある女の人達が、わらわらとやってきた。


「やっと顔を見られたわ!」


「王が入れて下さらなかったのよ!」


「お着換えでしょう? あなたの体に添う衣装が用意できてますよ!」


「お着換えをした時計りましたからね!」


いったいいつ寸法を測ったんだろう。彼女たちはそれの達人なのだろうか。達人だから彼女たちが来たのかな、そっちの方が正しそう……と思いつつ、呆気にとられていると、彼女たちが、楽しそうに衣装を取り出し始めた。

そんな彼女たちが用意したものは、華やかなものだったんだけど、男が淡々とこう言った。


「むやみに派手にせんでいい」


「そうですか?」


そう返事を返した女の人たちは、彼と視線を合わせようとしない。それだけは出来ないって言う感じだ。私に対して話している時と違って、声が若干震えている。

なんか……怯えている気がする。私はちらっと男を見て文句を言った。


「女の人たち脅して何してんのよ」


「脅してるわけがないだろう」


「あ、お嫁様、気にしないでくださいな。こう……こちらもちょっと事情があるんです」


女の人たちは、それでも嬉しそうに笑ってくれた。


「さて、地味なのと言いますと、こんな感じで」


「あなたまた、男物まで作ったの?」


「この方は絶対似合うでしょ」


「腕はいいのに趣味が残念ね、あなた本当に」


そんなやり取りで見せてもらったのは、日差しを遮る緩やかな袖の、楽に着られそうな衣装で、そして男物というだけあって、ズボンみたいな形のものだった。

触ってみるとさらりと涼しい。


「これにしてもいい?」


「気に入ってくれました? 渾身の力作です!」


「この人変な所で本気出したわね」


私が指さすと、変な趣味って言われた女の人が、満面の笑みで言って、それに対して仲間の女性が、ちょっと吹き出しつつ言った。

さてお着換えは衝立が必要ですね、という女の人たちの意見を尊重して、彼が背中を向ける。

私は速やかに着替えて、大きな姿見で自分を見て、突っ込んだ。


「いや、男の子にしか見えない!?」


「大丈夫ですよ! 王と並んだら華奢な女性にしか見えませんから!」


「それ単独だと男の子って言ってるような物ですよね!?」


それに対して、女の人たちは笑って誤魔化した。誤魔化すって事はあたりって事である。

そして、私を見た彼が、端的に言いやがったのだ。


「だから肉がないと言っているんだ」


屈辱だけれど、事実過ぎる事実を、こうして目の当たりにした私は、地団太ふんで悔しがるくらいしか出来なくて、子供じみた地団太を踏んでいる私を見て、彼が喉の奥でぐつぐつと笑う物だから、盛大な噴火は出来なかった。

笑われていると、何かよくわからないけど、心のどこかがもにゃもにゃして、私もしょうがないから笑うしかなかったのだ。



「……天変地異だわ」


「うん」


「すごいお嫁様だわ」


女の人たちが、小さな声で何か言っていたけど、聞き返しても、笑顔で


「なんでもないですよ」


って笑うからそれ以上、追及できなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ