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脳内作戦会議を決行しました。

決定的な証拠を集めるだけとなった今回の捜索を経て、ひとまず破滅を防ぐために作戦会議をすることにした。


議長 ルディア・フェニシア。

副議長 ルディア・フェニシア。

議員 ルディア・フェニシア。

書記 ルディア・フェニシア。

・・・と、要するにひとりで考えてみることにしたのだ。


『それでは第一回脳内作戦会議を始めたいと思います。何か良い案がある方はいらっしゃいますか。』

『はい。』

『はい、ルディアさん。どうぞ。』

『まず、王子と婚約しなければ良いのではないでしょうか。幸いまだ婚約は決まっていないようですし・・・』

『確かに』

『・・・こちらから婚約を申し込むことはないでしょう。しかし、もしあちらから婚約の提案があった場合、王族からの話を一貴族である私たちが破棄できるでしょうか。』

『確かに、それも一理ありますな。』

『それを考えるともし婚約した後に円満に破棄してもらうのもこちらからは申し出られないわけだから却下か・・・。』

『だったら学園に通わなければ良いんじゃないかな!?そうすればヒロインと関わらないですむよ!』

『学園に通うのは貴族の、そして魔力保有者の義務よ。ルディアは6歳の現時点ですでに魔法を発動しているし・・・それに公爵家の令嬢よ。貴族の模範とならなくてはならない私が学園に通わないなんて出来るわけないじゃない。』

『チッ・・・あんなショボい風魔法のせいで・・・。』

『・・・いくら娘に甘々なお父様でも流石に許してくれないか・・・。』

『というか、そもそもヒロインを虐めなければ良いんじゃないかしら。』

『確かに!その通りだわ!!』

『・・・でも、ゲームではルディアの取り巻きたちも一緒に虐めていたし・・・。何もしていなくてもとばっちりを受ける可能性が高いわよ。』

『じゃなくても相手は()()王子よ。正統派の見た目に反して腹黒、っていうのが売りだったじゃない。ヒロインと結ばれる為に邪魔になったルディアを貶めるかもしれないわ・・・。』

『そんな・・・。一体、どうしたらいいの・・・!?』

『・・・・殺されるなんて嫌よ・・・。』

『・・・一家揃っての追放はひとりぼっちじゃないからまだしも・・・身一つで追放されたりでもしたらその先どうなるか分からないわ・・・。』

『とりあえず落ち着きましょう。私に良い案があります。』

『良い案とは・・・?』

『この国にとって重要な人物となればもしもの時でも追放は免れるのではないかしら。』

『それは!!』

『確かに、この国にとって有用で、他国に渡したくない人材となれれば・・・!』

『追放から免れるかもしれないわ!!』

『でも、この国にとっての重要人物、って何かしら・・・。』

『・・・宰相・・・は、レオン兄様がお父様の跡を継ぐから駄目でしょう・・・?』

『騎士団長・・・は流石に無理ね。いくら剣術を少し前世で嗜んでいたとはいえ、カイン兄様には勝てる気がしないもの。』

『研究者はどうかしら!何たら細胞発見!みたいな。』

『研究者なんてこの国には沢山居るのよ?それに功績を認められるまで時間が掛かりすぎますわ。』

『・・・確かに・・・。』

『どうしよう、私には特技が何もないわ・・・!』

『・・・王妃様になる・・・とか?』

『確かに重要人物の1つだけれど・・・それは目指した時点で破滅ルートまっしぐらな気がするわ・・・。』

『・・・ですよね・・・。』

『そうだ!魔術師団の団長とかいいんじゃないかしら!』

『でも、ルディアは全く魔法を使えない最弱キャラだったはずよ?そんな私が魔導師団の団長だなんて・・・。』

『思い出してみて。ゲームでのルディアはいくつになっても我儘放題。そんでもって王子と出会ってからは追いかけてばかりで成績も悪かった。そもそも魔法の特訓なんてしていないのよ!だからこれから本気を出して特訓すればそれなりになる・・・はずよ!!』

『幸い、私はまだ6歳だし・・・!』

『これから成長する可能性は大ですね!』

『それにもし重要人物になれなくて追放されたとしても、他国は魔法を使える者が少なかったはずよ!』

『つまり、多少は魔法を使えればそれだけで生計が立てられる・・・!』

『おぉ!!』

『確かに、その通りですね!』

『では、追放対策としては目標を目指せ!国の重要人物(最有力候補は魔術師団団長)とし、そのために今後は魔力を磨くと言うことでよろしいですか?』

『異議なし!』

『これで一安心ですなぁ。』

『いいえ、まだよ。まだ、殺される時の対処法が決まってないわ!』

『ホントだわ!』

『どうしよう!!』

『それに関しても良い案があります。』

『なんと!』

『良い案とは?』

『王子に殺される時は確か、剣で切られるはず・・・!だから、そのときのために剣の腕を磨くのです!いざというとき、剣で応戦できれば・・・!』

『簡単にやられずにすみますわね!』

『その通り!』

『おぉぉぉぉ!!!』

『確かに!!』


『よし、では皆さん。今回の会議の決定は今後、剣と魔力を磨く、ということでよろしいですかな?』

『『『はい!!』』』


こうして第一回脳内作戦会議は幕を下ろした。


――もし、この会議に一人でも彼女以外がこの会議に参加して居たならばこの会議で出た結論が全くの頓珍漢であり、何の解決にもなっていないことに気付いただろうが・・・。


残念ながらここには彼女たちしか居なかった・・・。



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