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 ショリショリショリ。

 シャクシャクシャク。


 ヨーロッパの歴史都市を思わせる街の中央の広場。広場中央には噴水が備えられ、そのふちに腰掛けて様々な人々が思い思いに寛ぐ。私達もそのうちの一組だ。

 マルシェの果物屋で求めたりんごにそっくりな果実の皮を剥き、芯と種を取り除いて12に割って櫛形を作る。購入時におかみさんから甘酸っぱく美味しい実だが皮は顔をしかめるほどに渋く、種は噛んでしまうと火が吹けるほどに辛いと教えてもらったので丸かじりの暴挙に出る気はなかった。

 隣に差し出すと短い前脚で器用に受け取り懸命に口に運んでいる。一切れが大きすぎたかもしれないがその愛らしさに思わず顔が緩む。

 ヨコミミ期の仔猫のような顔立ちと前脚、ヒヨコのような下肢、硬くつるりとした触り心地に包まれたしっぽ。背には小さな羽、額には二本の真珠のような色つやの小さな角を持つ真っ白な幼獣が私の最初のパートナー『むーちゃん』だ。


「むーちゃん、まだ食べる?食べるならさっきのお店に戻って買わないとだけど」


 私の両手のひらに載るほどな体格のむーちゃんが食べたのは大玉のりんごほぼ一個。わかりやすく首を横に振ってくれているこの小さな体のどこに入ったのか不思議。この辺りはゲームなんだろうなと思ってしまう。


「要らないか。あ、ありがとう」


 全部食べきって口元と前脚を舐めてたむーちゃんの角が淡く光ると私達の周りの水しぶきが大きくなったかのように多数の水球が浮かんだ。それらは引かれ合ってソフトボール大に集まると、私が右手に握ったままだったナイフの刃に落ちて果汁を流し落としてくれた。


「じゃぁ行こうか。さっき果物屋のおかみさんから布なら西のマルシェだって教えてもらったから行ってみよう。ムーちゃんのスリングにぴったりな可愛い布あるといいね」


 片付けを終えて立ち上がり、ムーちゃんを抱き上げて西門を目指した。





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『Catch a Monster Online』はリアルさを極限まで追求した表現に彩られたファンタジーの世界に出現するさまざまな『モンスター』を捕獲し、パートナーとして一緒に冒険するゲームです。


『モンスター』は一緒に戦ってくれるほか、生産活動の手伝いをしてくれたり、背中に乗って自由自在に大地を駆けたり、空を飛んだりと、冒険に必要不可欠なパートナーとして大活躍!!


草原や森林、峡谷や洞窟など壮大に広がるフィールドやダンジョンには、巨大かつ凶悪な『ボスキャラクター』も登場!!


『生産システム』では、さまざまな装備や数々の便利アイテムを創り出すことが可能!!



『モンスター』と共に、この壮大な世界での冒険をぜひお楽しみください。



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