テロ
お墓参りは、何事もなく終わった。
家に帰って色々調べて、寝た。
それが、鈴果からの報告。
意味がわからない。
が、まぁ、こっち側に戻ってこれたんだし、気にしないでいいか。
「鈴音、何考えとん?」
「え?あ、陸さん。おはよーございます」
因みに俺ら側の世界の陸さんは、俺が多重人格者であることを知っている。というか、陸さん自身多重人格者だ。
ま、俺と違って、いつでも他の人格と交代出来るって訳じゃあないが。俺の場合、親しい親しい人とは俺、鈴音が。親しくなければ、ニギがやっている。
「あ~、陸さん。人格関係で、ちょっとお話が」
「ん?今は教室にも人はおらんし、言ってみ?」
「あ、はい。実は僕、パラレルワールドに行きまして...」
陸さんの前では、僕、と自分のことを呼んでいる。この人は色々凄い。俺じゃこの人にはいろんな意味で勝てない。
「......は?」
ま、これが当たり前の反応。俺らがおかしい。
「昨日寝たら、パラレルワールドにいたんですよ。僕が女子になって」
「...はぁん?夢ってオチは?」
「まだわかりません。今日も行ってたら、オチでは無くなりそうなんですけどねぇ」
今日行けるかなぁ。鈴果は人格として残ってるし、行けたら変わるけど。
「向こうは、戦闘部なる部活があって、僕、陸さん、徳さん、井手さんが入部してました」
「はぁん?まぁ、色々探り入れてみろや」
「そうですね。ま、人格次第ですが」
「...どうしてこうなった?」
「少し黙ってろ。何も、殺したい訳じゃあない。少なくとも、俺はな」
「はぁ...」
え~と?学校が占領された?私達は捕虜?
まぁ、私のクラスはひとりだし、制圧は簡単だけど。多分。
....................ん?紙?なになに?
『秒針が12の数字に重なったら、行動開始』
.....陸さん?
やるんだね...
あと...10秒
「あの~?」
「なんだ?」
「あなたは、戦いますか?」
「殺しはしないけどな」
「..........じゃあ、そういうことで」
「っ!?」
よし!惹き付け上手くいった!それにしても、凄いなぁ。あの三人。一人な足払いして、一人が口をハンカチで覆う。最後の一人が、首元にハサミを突き付けて......。うん。凄い。
さて、と。
「もう一度聞きます。戦いますか?」