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スナイパーは夢を見る  作者: 化原優介
2/4

俺はどうなったんだ?そしてどうなる?

.......寝た。確かに俺は、家で寝たはずだ。


決して、学校では寝てない。

そして、仮に学校で寝たからといって、自分がスカートをはいている意味が分からない。

そして、何故周りのやつらはそれに反応していない。

いやそれよりーーーーーーーーー


何故、俺の胸が膨らんでる?


嫌な予感しかしない。

男にはなくてはならないあれは.......。

無かった。

顔は、鏡がないから見えないが、体は間違いなく女になったんだろう。髪も長いし。


で....授業中か。

なら、この間に色々調べなくちゃな。

まず、俺はここではどういう立場なのか、を。

何か鞄に入ってねぇかな~...って、何でスマホがあるんだよ?俺はスマホ持ってないぞ?他の人格の時に買ったんだとしても、こんな、ピンクやら水色やらのスマホは買わない。俺達3人は揃って黒が好きなんだ。あり得ない。


ま、まぁ見よう。


...................................。

..........................................。

.................................................。

.......まぁ、なんとなく分かった。

..........

つまり、この体は俺のじゃないと。

いや、完全に違うとなったわけじゃあない。

まず、名前は、杉原 鈴果。

これは、俺が女として産まれてきたときにつけられるはずだった名前だ。名字も、母の家のが杉原で、納得がいく。

次に歳。15。誕生日も俺と同じだ。

背は違うし、体重も違うだろうが、元々背が低めの160くらいの俺からすればちょっと縮んだくらいで、行動に支障はない。


他にも色々、共通点はある。

が、まぁ、それはたいしたことじゃあない。

無視していいだろう。

無視出来ないのは、彼氏がいるってことか。しかも俺の数少ない友達である、徳川 勝。

複雑すぎる。友達とどうやって付き合えと?しかも、この鈴果の性格も知らない。付き合いようがない。


「今日はもう終わるよ。皆、チャイムが鳴るまで教室の外には出んようにね」


あー、流石、広島。そうか。ここは広島でいいのか。

俺はあんまり広島の言葉使わないからなぁ。標準語が良い。

っと、やべ、もう終るのか。そんなに考えてたのか...。

というか、もうHRして部活か...いや、どの部活に入ってんだ?

俺と同じくサッカーか?わからねぇなー。

まぁ、それとなく彼氏さんに聞いてみるか。えーと、どこにいるんだ?


「鈴果、どしたん?」


「え?あっ...と、勝」


うわ、隣かよ。マジか。心臓止まるかと思った。

...いや、俺の周り、ほとんど俺の数少ない友達じゃないか。

なんだよ、羨ましいな。


「えっと...どしたん?」


「あー、いや、えっと..........」


えっと、何を聞くんだっけ?

部活、だよな?


「えと、部活は...」


「ん?戦闘部がどうかした?」


.............は?


「戦闘部の字を書いて」


「?.......はい」


「やっぱりか...」


戦闘部....なんだよ。このいかにも危険そうな部活は。

は?それに入ってんの?バカなの?


「あ?鈴果、戦闘部にでんのん?」


おうっ!?陸さん!?うわー。黙ってるからいきなりはちょっとビックリだわ~。


「....................」


「え、えっと、どうか?」


「徳、井手、ちょっと鈴果を拘束」


「え?」


は?何故?

って、井手木もいるのかよ...。

で、何が始まるんだ?


「...ほ~ん?そういうことか。先生、部活で早めに抜けます」


「ん?あぁ、戦闘部?わかりました」


「よし、行くで」


よし、じゃない。なんだよこの状況。意味が分からねぇ。

陸さんは..........。あ、まさか?そういうことか?

...で、着いたのは体育館?でも無さそうだな。体育館は他にある。てことは、ここが部室か練習場所か。


「さて、鈴果。お前、誰なん?」


「え?陸さんどうしたん?鈴果じゃろ?」


「井手、ちょっと黙れ」


いま、大事な話をしてるんだよ。

でもまぁ、理解出来ないだろうな。パラレルワールドの奴が、この体に憑依したなんてことはよ。


「流石です。陸さん。今の私は、記憶が殆んど残ってません」


「で、スマホで確認していたと?」


「はい」


まぁ、記憶喪失が一番手っ取り早い。


「.......理解した。ま、このまま練習しよーで」


どこまで理解されたのかはわからねぇけど、これでひとまずセーフか。


「徳、あとは任せた。井手、今日も爆弾以外の練習の」


「えぇ~。私は爆弾で充分ですよ~」


あ、こっちのも私って言うんだ。新たな発見。


「あー...鈴果。俺の事は覚えとる?」


「徳川 勝。弟がいて、私の彼氏」


「あ、そこまでは覚えとんじゃ?」


「うん。全部忘れてるって訳じゃないみたい」


嘘だ。弟がいるってのも、俺の世界をベースにしただけ。彼氏ってのもスマホを見たときに知ったんだ。


「じゃあ、自分が使っとる武器は覚えとる?」


.......だよなぁ。戦闘部だもんなぁ。武器、あるよなぁ。


「...わ、わからない」


「そっか...じゃあ、一応渡す」


あ、渡すんだ?

何を使ってたのやら。


「はい、いつもと同じ武器の、訓練用」


「スナイパーライフルと、コンバットナイフ..........」


マジかよ!めっちゃ戦闘じゃん!?

スナイパーか。というか、訓練用といっても切れそうだな。

撃ち方はわかるが、弾の装填はどうやるんだ?


「分からんみたいじゃね。弾は、ここを下に下ろして、戻すだけ」


「へぇ~。凄い。レバーみたいなのがあるのかと思ってたら、指一本で終るんだ?」


「そう。じゃあ、あれ狙ってみて」


.......あのマネキンか。よし。

うつぶせで射つんだっけか?スコープは、これ?


「......やっぱり、違うね」


「え?」


「いや、なんでもない。射って」


「?...わかった」


ゲームでこういうのは一応知ってるからな。え~と?確か、息をどうするとか、レティカル?あ、駄目だわ。全然理解してないし。

ま、とりあえず...!


タンッ!


「あ、外れた..........」


「...そうじゃろうね。鈴果は元々、スナイパーに向いてなかったんよ」


「向いてなかった?」


「そう。でも諦めんで辿り着いたのが、射つときの姿勢」


姿勢?普通にうつ伏せじゃないと?


「鈴果は、若干斜めで射っとったんよ」


「な、斜めで?」


「うん。それ、脚が付いてないじゃろ?それは、斜めで射つから」


あぁ、成る程ね。

でも、とりあえずやらなきゃいけないことが一つあるな。


「えっと...勝?くん?.......後ろを向いてて。多分悲鳴を上げるけど、気にせずに」


「は?あ、うん」


よし、それじゃあ、この体にあった人格を作るかねぇ。作るときは頭が痛くなるからなぁ。あんまりやりたくなかったんだが、しょうがないか。


「...ふぅ。よし。..............................うっ!あ、ああああああああ!あぁぁ!はぁ...はぁ....!くっうあああぁぁ!」


「ちょ、えぇ!?大丈夫なん!?」


「だ、だい...じょ、ぶ。だか......ら..........」


あと、少し!

あと、少しで......終わる!


「うぐっ!!あああああああああぁぁぁぁぁ!!!」


「お...!..んか!......しっ..!....気を.................」


あぁ。いつもの、シャットダウンの時間だ......。




『お前から来るとはな。オリジナル。話すのは久しぶりだな?』


『久しぶり、鈴音』


「よ、エドウィン。リオス。最後に会ったのは...あのステルベンとか言うのを消したときか?」


『だな。まぁそれはいい。で、今回はまた面倒な事になったなぁおい!』


『今回ばかりはエドウィンと同じだよ。別世界?パラレルワールド?しかも性転換?面倒だねぇ』


「ま、なるようになるだろう。ほら、目が覚めたら俺達がいた世界かもしれないぞ?」


『まさに、夢、か。だといいがな。ま、こっちはこっちで面白そうだしな』


『でも、戻れなかったらどうする?あんな詰まんない世界でも、やり残してることはあるんでしょ?』


「まぁな。3つ4つあるが、その内2つが女絡みってのは、俺がチャラいような感じになってしまうよなぁ」


『ま、こっちの世界にもいるんじゃない?パラレルワールドっぽいし』


『パラレルなら、ヘタレなお前でも、失敗しても問題ないだろう?』


「うっせ。ヘタレ言うな。......まぁ、そろそろ本題に入ろう。きりがない」


『だな。...新しく俺らと運命を共にするこいつの名は?』


「まぁ、安直に...鈴果。だな」


『だよねぇ。僕みたいなリオスとか意味分からない名前じゃなくて良かったね』


『......?』


「お、目覚めたか。お前には、この体の脳の記憶を受け継いで貰う。俺達はもう神田 鈴音の体の記憶を所持してるからな...。

お前は、鈴果だ。その記憶に従い、正しき方向へと持っていけ」


『..........わかったわ、鈴音さん。』



さて、これからどうなるのやら..........

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