一つの解 ―THE ONLY ANSWER―
僕は目の前の数学係――コンパースをじっと見つめる。
名と同じ、デカいコンパスの上に座ってプカプカしている彼は、こちらを一切の油断の無い顔で、睨めつけるかのように見据えている。
僕は魔法を練る。アレの、コンパスの分析をする魔法だ。アレは多分――
――解析完了。やはり、ランスだ。魔方陣も書けるようだが、最も警戒すべきはあの針だと結果は訴えてくる。
僕は別の魔法を反対側の手で――
――ッザンッッッッッ!!!!!
――練ろうとした時には、もう上半身が宙を舞っていた。
やられた。流石に魔法を練りながらあの神速の突きを回避は出来なかった。僕は懲りずに魔法を練りつつ思う。
僕は魔法を、今度こそ発動する。
「圧し折れ、引力」
――ゴキリッ――
目の前で圧し折れたコンパスを見て唖然とするコンパースをチラッと見て、僕は結合の魔法ですぐに上半身と下半身をくっつける。継ぎ目もキレイに無くなった。
「…終わり?」僕が言う。
「…ハハハ」乾いた笑いで返すコンパース。
僕は「そう」、とだけ言ってその場を――
「転送」
……また、飛ばされた。
遅くなったけど、誰も読んでないから問題ない