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独柱の神様  作者: 思考破綻者WIS
3/6

地上の草原にて -FROM GRASSLANDS-

 -性別、女。

 -年齢、15。

 -魔力、全てを制限。

 -……………!……?………FINISH.

 -GOOD LUCK.           ※※※※※  

「……………ん……?」

 僕は目を覚ました。…地平線の向こう側まで広がる、草原の上で。

 漫画なんかで見られるような、本っ当に何もない、草原に、僕は倒れていた。

 僕は起き上がって、ここがどこなのか、魔法で調べようとする。しかし。

「…あれ?」

 発動、しなかった。え?

 僕は自分の胸に触れて、魔力を確認してみる。

 ……反応が、なかった。どうやら無くなったか、制限されているようだ。

 だが、しかし、だ。

「…神様舐めんな」

 …っぽんっ!

 マヌケな音と共に、僕の魔力の制限はある程度解かれた。当然だ。僕が世界のヒエラルキーのトップなのだから。きっと今頃あの耳障りな声の主はアホ面を晒していることだろう。ざまあみろ。

 そして僕は改めて、ここがどこなのか調べてみる。…しかし、「NOT FOUND」と表示され、出てこない。…つまり、ここは、

「少なくとも僕じゃない、別の誰かが作った世界、か」

 僕は一人合点した。

 次に僕は、鏡を呼び出した。指を鳴らすと、パッと鏡が出てくる。

 その鏡に映っていたのは、絶世の美少女だった。

 僕には元々性別の概念は無かった。この世界に来るにあたって付与されたんだろう。

 長く伸びた焦げ茶色の髪に、整った顔立ち、小さめな顔。純白のワンピースから伸びる白い腕。そして、スカートの中からすらりと伸びるきれいな脚。絵に描いたような美少女っぷりだった。

 ふと足下にくすぐったさを感じて目線を落とすと、靴を履いていないことに気づいた。ついでに、パンツも穿いていないようだ。僕は魔法でサンダルとパンツ(黄色と白のストライプ)を出して、身につけた。

「うーん…」声も随分と可愛くなっていたが、それはさておき、だ。

「…誰も、いないなあ…」

 切実だった。

 空はこんなにも青く澄み渡っているのに。大地はこんなにも豊かなのに。

 人が、一人も、いない。僕は泣きたくなった。

 僕は透視して人を探そうとするが…世界の規模が大きすぎて、全てが見えない。

 僕が今の力で透視できるのは半径5000km程の範囲だが、その中に、人どころか、生体反応すらないのだ。これは、異常だ。

「そうだね、異常だねえ」

 突然背後で上がった声にビクっとして-いつからいた…?-僕は振り返る。するとそこには、異形の人がいた。…いや、積み木だ。

 積み木が喋ったのだ。いきなり。

「…誰だ?」僕が目を細めて問うと、積み木は、

「オレ?オレはねぇ…」と言って、目を閉じた。すると、積み木の輪郭が、だんだん細かく、人の形により近づいている。

 そして、積み木はやがて、軽薄そうな男の形になり、こう言った。

「…美術係クリエイターってとこかなあ」

 美術係。クリエイター。くりえいたー。それは、清書と下書きの能力者。「確定する」ことと「想起する」ことは1つのプロセスだという前提で生まれた異能だ。

 僕は彼に魔力の玉を放つ。当たったらその肉体は、あまりの熱量に灰に帰すことだろう、当たったら、だが。

「-バラせ」

 そう彼が呟いた瞬間。


 魔力弾は積み木になって崩れ落ちた。


 チッ、と、容姿に似合わない舌打ちをして睨み付ける僕に、彼は余裕の視線で応じる。

「君は僕には勝てないよ?」

 彼は魔法を展開する。あれは僕を捕まえる魔法だ。しかし僕は、

「捕まえられるかなあ?」余裕でおどけてみせた。

 僕もまた魔法を展開する。ここから脱出する魔法だ。もう発動できる。

「はっ、逃がす訳…」彼は当然、魔法をキャンセルしようとする。しかし。

「-な!?」彼は、愕然とした。

「神様、舐めないでくれる?」能力を、無効化した。

「馬鹿な…多少力を取り戻しているのは分かっていたが、総魔力10分の1程だぞ…!?それだけで、これほどの…」

「できちゃうんだなあ、これが」

僕は彼を見下し、言い放つ。


「だって、僕神様だから」


 その一言を残し、僕はその場から消えた。

※※※※※

 彼、美術係は、呆然としながらも、直後に入った通信に応答した。

「…はい、こちら美術-」

「神を逃がすとは何事だボケナスビが!」

美術係は顔を思いっきりしかめて、

「ボリューム下げろうっせえなあ」と言った。

 そして彼は続けて、

「ワープ先をいじった。誰か来い」

 彼は、静かに舌打ちをした。

あとがき

 まさか字数制限に引っかかるとは思ってなかった。気をつけよう。

次回は神様が街に(指定した座標とは違うけど)行く話です。…何かすげぇバッサリしてんな…あ、キャラが増えますよ~

ではでは~

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