第五話 進行
ある程度の話をすると、秀達は鉄の仲間がいるところへと向かった。
話によると秀達は、もともと時計のある塔―通称クロックタワーで働いていた人らしい。
その後はいろいろ複雑なのであとで話すらしい。
それで雪たちを納得させ、鉄を先頭に仲間がいるというその場にむかう。
もう日が昇っている。
怪物のはびこる島で、一夜が明けた。
生きるか死ぬか、そんな生活に慣れることはない。いまだに秀達は、恐怖と混沌のなかでさまよっている。
深い森も鉄が切り分けるのでさほど辛くはなかった。
一回秀達が通った足場の悪い道を通過して、どんどんと先に進んでいく。
しばらく行くと森は終わり、野原みたいになってるところに出た。
唯だだっぴろい野原だ。その分、森の緑とは違い、若々しい薄い緑が疲れた精神を和らげる。
「この先に朽ちた村がある。そこに俺達の仲間がいる。」
鉄が少し疲れた表情をみせながらいう。
日が昇ってからもだいぶ歩いた、それに草を切り分けて歩いていたのだ、鉄の表情に疲れが見えないほうがおかしい。
「鉄さん、ちょっと休みませんか?」
気をつかったのか雪が言い出した。
「私達・・・・もう・・・・・歩けない」
雪はミカとお互いを支えあうようにして、息を絶え絶え言い放つ。別に気を使ったわけではなさそうだ。
「そうだな、ここらで少しやすもうか。」
疲れた鉄は雪の意見に同意した。
そうして四人は日陰になるようなところを探し、円になるように座り込んだ。
「鉄さん、仲間って何人いるんですか?」
秀が尋ねると鉄は指をおり、仲間の数を数える。
「え〜、今は俺を含めても六人しかいない。始めは沢山いたんだけど、殺られちまった。」
鉄は苦笑を浮かべる。
「あっ、そういえば君達はいったい、今までどこにいたんだ?」
鉄は思いついたように聞いてくる。
でも、秀たちには何もこたえることができなかった。
しばらくだっまていると、鉄もそれをさっしたのか「言いたくないならいいよ」と声をかけた。
しばらく四人はそこで雑談をしていた。
でも時間を無駄にするのはもったいないので、鉄が「行こうと」と促した。
それから、何時間か歩いた。
すると明かりがともった滅びた家々が見えてきた。
此処が鉄が言う仲間がいるところらしい。
ここで抜け出す方法が分かるかもしれない。