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第四話 打倒

月明かりが反射して周りをぼんやりと照らす洞窟。

秀が出て行ってどれくらい経っただろうか?

雪は入り口近くでミカとしゃがみこみ秀の無事を祈っていた。

もうかなりの時間が経った。

雪の脳裏では、少しよからぬことがチラつき始める。

「ねぇ、お兄ちゃん遅いよ」

傍でミカが不安そうな声を出す。

「大丈夫、心配要らない。」

雪は自分に言い聞かすようにボソリといった。

そんなとき、外で銃声が鳴り響く。

雪はそれを聞き、不安の一文字がうかぶと、ミカをつれて洞窟から出た。

辺りは真っ暗でほとんど見えない。

取り合えず雪はひたすらに走った、といってもミカがいるのでそれほど速くは走れなかった。

すると、途中で後ろから誰かがつけるようにくるのが分かった。

雪は秀だと思い、後ろに戻ろうとする。

「だめ!」

いきなりミカが雪の腕を強くつかんで言い出す。

足はしっかりと地面に踏みしめていて、此処を動く意志がないことを告げる。

「何でだめなの?秀かもしれないよ?」

雪はなるべく怖がらせないように優しい声で対応する。

「お兄ちゃんじゃない気がするの、お姉ちゃんには逝って欲しくないの」

ミカは瞳を潤ませて言う。

そんなことをしてる間にも、後ろの方ではもくもくと何かが追いかけてくる。

ミカはじれったくなったのか、雪の手を引いて走り始めた。

動いたのに気づいたのか、後ろの方もさっきより早足になっている。

雪は意味の分からず、唯ミカの手に引かれてるだけだった。

でも、まだ小学生のミカには限界がある。

走る速度も遅いし、雪を引く手も弱弱しくなってきた。

そんなこんなで、徐々に体力もなくなりほとんど歩いている状態になった。

そのとき、草陰から何かが飛び出してきた。

飛び出して来たものは秀でも人ですらなかった。

そのにいるのは、巨大なカンガルー。

カンガルーといっても三メートルはゆうに越えているだろうか。

その巨大カンガルーは威嚇するように前足を大きく広げる。腕ほうには尋常とは思えない二,三十センチはあるであろう爪が伸びている。

巨大なカンガルーはやけに発達した前足で歩みよってくる。

そして、雪とミカに鋭い爪を向けて襲い掛かろうとする。

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

雪は白い顔を恐怖一色にして叫ぶ。

けれど、その生物は雪の目の前に頭を吹き飛ばされた。

木っ端に陣に、頭の原型をとどめることなく、赤い血を首からよだれのように流す。

雪はいったいなにが起こったのかさっぱり分からなかった。しかし

「雪、ミカ大丈夫か?」

その秀の声を聞き、ようやく自体が把握できた。

秀の後ろには銃を持った男の人がいたのだ。

雪はしばらく呆然としていたが、ゆっくりと口を開く。

「秀、あの人は?あの生物は?」

「安心しろ、鉄さんは見方だ。まだこの島に人がいたんだよ。」

ミカは雪に隠れるようにしていたが秀の傍にいく。

「プロコプトドンでよかったな、もっとでかい生物だったら死んでたかもしれない。」

いきなり鉄が言い出した。

「鉄さん、プロコプトドンってなんです?」

「前もいったように生物課の実験体だ。こいつは古代の生物らしく、昔、生物課の方で『初めて古代の生物の誕生に成功させた』とか騒いでたから確かだ。」

雪はききなれない単語だっかで困り果てた顔をする。

でも、取りあえず今生きてることにホッと胸をなでおろす


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