表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/18

第十一話 壁

ARISUの声がやみ、しばらく沈黙が部屋を支配した。

そして、何も言わず秀の後ろで誰かが立ち上がった。

秀は反射的に後ろを振り返る。

そこに、いたのは首のない死体だった。

その死体がよろよろと近づいてくる。

「な、何だこいつら!」

鉄が叫び、必死で銃で抵抗するがやつらの行動はとまらない。

「とりあえず、この部屋から抜け出しましょ。」

そういって、柊が扉を開ける。

みんなが、入ってくると扉を近くにあった机などで固定し、死体が入ってこれないようにした。

「なんなんだ、あいつら。死んでんじゃないのかよ!」

鉄がいきり立つ。

「一条さん、なにか知っていることがあるんじゃないですか?」

秀が厳しく問いつめる。

「ん〜、まだはっきりとしたことは分からないが、確かしたでは寄生虫の実験をしていたはずだ。敵陣に寄生虫をばら撒き、体力を奪うためだ。」

「それで、どうなったんです。」

「実験は失敗した。寄生虫が取り付いたものは一瞬にして死んだ。けど、寄生虫が人間の体を支配して、死んでも寄生虫が生きてる限り、動き出すようになった。」

「じゃあ、体にいる寄生虫を殺せば、死体は力を失うんですね。」

「そういうことになるかな。」

一条は真剣な顔で考え始めた。

「でも、何処に寄生虫がいるのかは、まだ分かってないんじゃよ。」

「そんな〜」

「とりあえず、死体を避けて、船にたどり着けばいいんだ。」

そういってみんな、あたりを探索し始めた。

死体が閉じ込めてある部屋からは、ドスドスと扉をたたく音がする。

「お兄ちゃん、扉が開く」

秀の腕に抱きついていたミカがぼそりといった。

そして次の瞬間に机がはじき飛ばされ、扉が開かれた。

のろのろとした動きだが、死体がこっちへ向かってくる。

「やばい、扉が開いた。」

秀は大声で叫ぶ。

それとほぼ同時に雪のこれが聞こえた。

「ここから、下にいけますよ。」

みんなは、雪が見つけた扉を出て、階段を折降りる。

下にも、したいが山のようにあった。

取り合えず、秀たちは死体がないまっすぐの道を進む。

みんな、必死に走った。

まさにそのときだった、雪の後ろにいきなり壁ができた。

被害は出なかったものの、二つのグループに分かれた。

前には秀、雪、ミカ、一条、鉄。

後ろのほうには柊、芹澤と壁で仕切られた。

「柊さん、芹澤さん」

秀が大声で叫ぶが返事はない。壁は結構厚いのだろう。

鉄が銃を撃っても反応はない。

「仕方ない、あきらめて先に行くぞ。」

そんな一条の声が聞こえた。

「置いては行けない。」

みんな反論したがどうしようもなかった。

とりあえず、秀たちは前に進んだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ