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第九話 飛ぶもの導かれるもの

とりあえず、秀たちはこの洞窟にしばらく身を潜めることにした。

はじめは恐竜がうろつく音が聞こえていたが、次第にそれも遠ざかった。

「もう大丈夫なんじゃないか?」

鉄が尋ねる。

「そうですね、一刻もはやくクロックタワーに着かないと。」

そういって秀は洞窟を抜けだす。

どうやら恐竜はいないようだ。このまま速効でいけば望みはある。

一同進み始めた。


しばらくすると丘に続く崖のようなところに出た。

「この先にクロックタワーがあるはずじゃ。」

一条が何気なく説明する。

この道はかなり険しかったので、ミカは鉄におぶられて上った。

ゴツゴツした岩場が何度も足をとる。

「痛った〜」

唐突に雪の悲鳴が聞こえた。

「どうした、雪?」

雪はその場にしゃがみこんでいた。

「前に転んだ時の傷が悪化したみたい」

そういうと、秀は何も言わず雪の足を見る。

前は擦り傷程度の傷が、今は真っ赤にはれ、血がにじみ出てきている。

でも、秀にはどうすることもできず、あたふたしていると隣に芹澤がきた。

「私に見せてください、これでも人体課ですから。」

そういうと、傷の様子を見たり、バックから何か道具を取りだして手当てをしている。

「芹澤さん、それは何ですか?」

「薬草です。私、結構こういうのにも詳しいんですよ。」

確かに、芹澤の手つきは慣れたものだった。


傷が治ると遅れていた秀、雪、芹澤は急いで先に行った人たちを追う。

しばらく行くとみんなが立ち止まっていた。

一瞬、秀は待っていたのかとありがたく思ったが次の瞬間にすべてを理解した。

みんなの前方にあの恐竜がいたのだ。

クロックタワーは目の前だというのに、恐竜が邪魔をする。

おそらく待ち伏せをしていたのだろう、機械だからそのような知識もあるはずだ。

みんな、恐竜を目の前に恐怖していると、恐竜の目のあたりに石のようなものが当たる。

恐竜はまっさきにみんなとは逆方向を向く。

その先には黒崎が立っていた。

「おいRTX、俺はお前の親のようなもんだ。壊されたくなきゃこっちにくるんだ!」

すると、恐竜は真っ先に黒崎のほうへ突進していった。

みんなは、黒崎に何か作戦があるのだろうと、ドキドキと心臓を脈打たせていた。

そして恐竜は黒崎に襲いかかろうと大きな口をあける。

その瞬間、黒崎は崖から飛んだ。

すると行きよいあまった恐竜も黒崎と供に落ちていった。

黒崎は自殺を選んだのだ。

仲間を助けるためか、和田が死んだと分かったためか、そんなこと同でもいいが。

秀たちはクロックタワーの目の前に来た。



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