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序章
クロックタワーの続編です。
クロックタワーを読んでから見ることをお勧めします。
気が付けば俺達はここにいた。
窓のない、知らない場所。
ほとんど記憶がなく、なぜここにいるのかなど当然分からない。
でも、冷酷な声のもと、することだけは分かっていた。
それは鍵を探すこと。
少し、人間離れした特色をもつ仲間達と協力し、沢山の犠牲を払って手に入れた鍵。
そして、俺達は光の閉ざされた闇からついに出ることができた。
しかし、扉の先は光などではなかった、また闇が包み込んでいた。
密室のタワーから抜け出した先は、孤立した島だった。
鬱蒼とした森林がなおさら俺の心を不安にさせた。
けれど、絶望のがけっぷちで俺は光を見つけた。
それはとても近くにあった。
いつも傍にいた。
俺の希望は、今、両脇にいる二人の女。
一人は雪のように白くて柔らかとした子、もう一人はまだ年端も行かぬ子供。
けど、二人は俺の折れかかった心を救った。
何もしなければ何も起きない、歩き出そう、止まったらそこで終わりだ。
クロックタワー 生存者三名
大幢秀
時冬雪
樋浦ミカ