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見えない敵

「ソラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」


耳元でまた随分と可愛らしい悲鳴が気圧による轟音の中でも聞こえてくる。

たまにはこういうスカイダイビングをしながら降下するのも悪くないもんだ。


「エリス!安心しろ!死ぬことは無い!」


「そういうもんだいじゃなああああい!!!!!!!!!!」


ふむ、なにやら俺の意見を却下する意見が聞こえたが気のせいだろう。

母なる大地の抱擁までの残り距離は…ざっとみて600mぐらいか、そろそろ傘を開いて…ん?


「エリス!重大なことがある!」


「なに!?!?」


「傘が開かない!!!」


正直テンションが振り切れて笑いながら洒落にならないことをいってたりする。


「予備装置は!?!?」


エリスの珍しく焦ってる声が耳元に届く。

俺は予備の展開装置を起動させるが反応は無い。


「無理!!」


「どうするの!?!?」


「まぁ、落ち着けまだ500m切った所だ!」


「これが落ち着いてられる状況!?!?」


「俺のジャケットからナイフを取り出してくれ、状況を打開する!」


「分かったわ!」


俺にしがみついたエリスは俺のジャケットの内ポケットに手を伸ばして

コンバットナイフを鞘から引き抜いて慎重に俺の手に渡す。


「…HALO降下と同じぐらい高度だがなんとかやってみせる!」


俺はエリスを抱えたまま背後のバックパックをナイフで思いっきり引き裂いた。

そして感じる上へ引っ張られるような重力と共に俺たちは無事に降下を開始した。

「…ソラ、私が何をいいたいのか分かるわよね?」


エリスはかなりご立腹な顔で此方を見ている。

ここは流石にからかうのは抜きで真面目に応えることにする。


「エリス、これで確認が取れた」


「…どういうこと?もしかして彼らを試したの?」


少々…というかかなり期限の悪そうな声でエリスは俺に質問をぶつける。


「内通者がいるかどうかの確認だ」


「…つまり邪魔者だった護衛を減らすために私達を事故死させようとした奴がいるってことね」


「…となるとあのメイドかしら?」


「いや、あのメイドは違うな」


「後、恐らくは護衛を減らすためじゃないと俺は考えているんだ」


俺の言葉にエリスは俺を見て首をかしげる。


「恐らくあの自家用機には本来今回の護衛対象が乗るはずだったと俺はみている」


「…そういうことね」


ようやく俺の言葉の意味を理解したのかその顔には納得したと書いてあるような気がする。

正直な話、恐らく俺たちの今回の敵は護衛対象を乗せた飛行機が離陸した後に飛行機をジャック。

その後、おそらくあのメイドを対象はパラシュートを使って脱出させると踏んでの罠がそのままだったんじゃないのだろうか。

VIPが一人でも死んだ場合フローレン家に与える影響は絶大なものだ。

このセコイやり方は産業側の連中の仕組んだ手だろう。


「…でも、ソラ 私に有無も言わせずに降下したこと忘れてないわよね?」


エリスは可愛らしい顔でこちらを睨む。


「それについては、あの飛行機の中で万が一戦闘が起こった場合を考えてさっさと飛び降りたんだ」


「…分かった…じゃあ、そういうことにしといてあげる」


「俺もサバイバルナイフ二本とデリンジャーだけじゃエリスを守りながら戦うのは無理だからな…」


「…装備は向こう持ちに甘えてさっさと来たのも不味かったわね」


「あぁ、痛恨のミスってやつだな」


「…やっぱり今回の依頼一筋縄じゃいきそうにないわ」


「数多の会社やテロ組織の渦巻く中での面倒な護衛になりそうだ…」


こういう見えない敵がいると味方の中まで敵がいるんじゃないかと疑心暗鬼になって

そこから内部で分裂したり酷いときは敵に回ったりもする。

恐らく本腰を入れて潰しにかかってきたらそれこそ戦闘用のヘリや戦車や人型機どんなものでも投入してくるだろう…。


「ヘリとか人型機、二足歩行戦車対策で地対空ミサイルのFIM-92スティンガーとかFGM-148ジャベリン用意できるかな…」


「…さすがに無理じゃない?」


俺の提案はエリスに即座に否定される。

まぁ、確かに普通はそれで正しいんだがなぁ…


「やっぱり、引き受けなければよかったわ…」

キャラクター崩壊の巻!と思わせての中途半端なシリアス回でした。

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