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接点

―今も何処かで戦っているかもしれない貴方へ

こうやって貴方への手紙を書くのも半年振りなんだけど随分久しぶりに感じます。

半年間ずっとバタバタといろいろあって忙しかったから中々書けなかったんだ。

いろいろ書きたいことがあったのになんだか忘れてしまったよ。

だから最近印象が深かった出来事を書こうと思います。

それは、私が日本の学園に転校して一週間目なのに私のクラスに転入生がやってきたことなの。

一人は貴方ととっても似てる男の子でもう一人はどこか童話に出てきそうな儚そうな女の子。

名前は天宮ソラ君と妹のエリスさんっていうんだよ。

ソラ君が昔の貴方にそっくりそのまま大きくした感じってこともあったけど…

私が貴方に付けた名前と同じだったから思わず声をあげそうになったんだよ。

もしもソラ君が私の知ってるソラ君だったら、

あの時は言わせてくれなかったお礼を言う事ができるんだけどね。

初めての出会いは窓を破ってきた貴方。

背丈に合わない銃を片手で抱えて私の手を取って走る貴方。

そして名前を付けたときポカーンとした顔で私を見た貴方。

ソラ君、貴方は今もどこかで戦っているの…?



「ふぅ…」


私はペンを置き一息つく。

届けられることはない手紙だけどそれでも書いてしまう。

こんな私を見て貴方は失笑するのかな。

そんな様子を想像すると少しだけ頬が緩む。

セーフハウスのリビングで俺とエリスはイリスを交えて護衛の内容を調整していた。

そんな中俺はふと護衛対象である彼女の写真を手に取った。


「護衛対象アイリーン・フローレンか…」


俺の呟くような声に二人は反応し視線がこちらに集まるのを感じる。


「…どうかしたの?」

「お嬢様がどうしたのでしょうか?」


一瞬何を言えばいいのか分からなくなる。

あの時のことを言えばいいのか…?


「いや、なんでもない」

「…なんでもないならいいんだけど」

「内容が纏まったら後で教えてくれ」

「えぇ、分かりました」


俺は写真を上着に仕舞うとゆっくりと立ち上がり二人を残してリビングを後にする。

リビングからソラが出て行った後私はイリスと顔を見合わせる。


「あの態度はなにかありますね、エリスさん」

「…むしろあの態度でなんでもないのがおかしいわ」


普段なら内容が纏まるまで途中で抜け出すことなんて無いはずだ。


「これは私の女性に勘なんですがよろしいでしょうかエリスさん?」


彼女の真剣な眼差しで私を見つめる。

その態度に私は思わず首を縦に振る。


「ソラさんは、お嬢様に恋をしたのではないでしょうか!」

「……こっこい?えっと…ライクの意味でかしら?」

「その通りです」

「無いわね」


私は思わず即答で答えた。

あくまでも確証は無いんだけど長年一緒にいた私が言うのだから間違いはないはずだ。

今までもソラは依頼者だったりマスターの娘だったりと両手両足の指だけじゃ

数え切れないほどのアプローチを受けてきているがその反応が鈍い。

もしも彼女達の感情に気がついていてそんな態度をしているのだったら罪な男だけど

気がついていないのだから罪深い男だと思う…。


「まぁ、今のは冗談なんですがそれでもあの反応は何か隠してますね」

「…そうね私でも知らない何かを」

ミスって一度全部消えてしまったorz

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