ニート狐の御狐さん
初めまして、この小説を読んでいただきありがとうございます。
この話は、昔、友達と合同で作った作品です。
まず、主人公の紹介が作中ないのでここで名前と職業だけ紹介させていただきます。
名前は塩田星水。22歳で平社員。
という設定となっています。
では、本編をお楽しみください。
「事故物件」という言葉を知っているだろうか。建てられる前は墓地であったり、前の住人が死んだりしている物件の事だ。
私が住む家も、こうした事故物件の一つである。五年前にここで一人暮らしをしていた若い女性が亡くなったらしい。死因は…説明されたが忘れてしまった。
かなり良い物件たが、そんな出来事のせいで安くなっている。安月給の平社員にとってはかなり有り難い。
話は変わるが、最近部屋の中で物音がする。和室の押し入れの中からだ。何というか、着物が擦れる音…そんな感じの音が聞こえるのだ。
着物...音からして、かなり長い着物のようだ、おそらく女性のようだ。
正直開けるか迷う、まさか空き巣か?いや、虫が大量に出てきても困る、かといって本物の幽霊だったらもっと困る。
「いや、一番いいのはやって後悔しないことだ。」
彼女はとあるアニメのセリフを吐き捨てて、勢いよく押し入れを開けた。
そこには、確かに幽霊の、しかしどこか可愛らしさのある狐の霊がいた。
私は蔑んだ顔で勢いよく押し入れを閉めた。
「やって後悔したわ。」
彼女は荷造りを始めた。
そこで押し入れが勝手に開いた。
押し入れから先程の狐の霊がこちらを見ていた。何やら、こちらの様子を伺っているらしかった。
私はどうするか悩んでいた。このまま霊を放置するか、それまた話しかけるかどうかを。
ここで放置して何かをされては困る。しかしと言って話しかけて何かをされても困る。私は暫くの間狐の霊を見つめながら考えていた。
「ここで悩んでいても仕方ない。やるしかない!」そう思って、話しかけることにした。
「あの…貴方、いつからここに居たの?」なかなか話しかける言葉が思いつかず、思いついたことを話した。狐の霊は話しかけられたことで動揺しているのか、戸惑った様子を見せた。
狐の霊はこう言い放った
「あ....え....最近きた....」
陰キャかっ!!!お前は陰キャかっ!!てか最近かよ!どう見てもロリババアのあれだろ!のじゃのじゃ言うアレだろ!!
って違う違う、突っ込んだら負けだ、うん。そう思って私は強気に喋る
「あのね、貴方がどんな経緯でここにいるのか分からないけど生活に支障をきたすようならここから出てって」
そう言って手元にあった伯方◯塩を手に持つ
狐の霊は耳を下げてこう言う
「何も悪いことなんてしません!許してください!てか塩は効きません!」
てかあれはどうした、事故物件だろここ!なんで陰キャ狐住んでんねん!おかしいだろ!出てくんの貞◯だろ!
「あの.....」
「あぁん?!」
「ひっ」
狐ビビる。女キレる。事態はカオスへ化していく。
「はぁ....」ここ最近吸ってなかったタバコに火をつける。
しょうがない、この狐に何があったかもう一回聞いてみるか.....
「おい、狐、お前何しにここにきた」
キレすぎて今まで作り上げてきたキャラは完全崩壊。
「あっはい....私近所の稲荷神社の巫女をやってまして....つい最近クビになったんです」
ほーん近所の神社で巫女になってクビになったんだ...クビ?え?え?幽霊にクビとかあんの?意味わかんねぇワロス。
「はぁ....なんでクビになったの?」
「ここが原因なんです。」
「ほぉ?」
「ここで出現した幽霊さんがとても厄介でして....、なんか私は彼氏と一緒に死ぬんだぁぁぁぁとか言いながら暴れ回りまして、近所の人に無差別に呪いをかけてたんです」
意味不明すぎて草、てかその女馬鹿すぎるやろ....。
「で、なんでそこでクビに繋がるん?」
「はい、実は彼女の抑え役を私が任されまして、なんとか抑えようとしたんですけど失敗してしまいまして、呪いが爆発して巫女の偉い人にその呪いがかかっちゃったんです」
この狐仕事頑張るけど失敗するタイプのやつか....
「そういえば呪いってどんな呪いなん?」
狐、少し言い淀む
「あっ、えーっとですね....食中毒に1週間かかる呪いです」
はぁー?!なんだその呪いだっさ!死ぬ呪いじゃねぇのかよ!
「お前それマジで言ってる?」
「はい、この身に誓って。」
クビの原因で仕事でのミスで上司食中毒にしたってのは初めて聞くなぁうん。
「で、なんでここにいるの?」
「はい、そのあとクビにされて居場所を無くしてしまって路頭に迷っていたんですけど....その幽霊さんが助けてくれまして、この家に住み憑いていいよって言ってくれたのでここに住ませて頂いてます。」
「え、じゃあ前に住んでた女は?」
「彼氏を呪い殺しにいくとかいってどこかへ行ってしまいました。」
自縛霊なんていなかったんやなって
「はぁ....案外可哀想なやつだなお前」
「あっ同情してくれるんですか!ありがとうございます!」
こいつもこいつなりに苦労してんだな、私も苦労人だからな、まさかセクハラ上司にラリアットキメたらこんな場所に左遷されるとは思わなかったもんな、でもいい出会いができたよ。
「あのさ....狐....」
「は、はいなんでしょうか」
「やっぱお前どっか行けよ」
「え"?」
そういうと私は伯方の◯を手にいっぱい握りしめた。
「ちょっやめっ」
『キャァァァァァァァァァ!!!!』
こんな感じで出会った2人だが、のちにこの2人が百合えっちをするようになるのはまだ先の話である.....
いかがでしたか?面白いと思って頂けたら幸いです。最後は友達に考えてもらったのですが…最後であのような展開にするのは読めず、当時は大笑いしたのを覚えています。今でも見るとつい笑ってしまいます。
ちなみにですが…この2人がゲストで再び登場する話があるので今度それをあげたいと思っているので、そちらもぜひ読んで頂けたら幸いです。
今回は読んで頂き本当にありがとうございました。