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30回振られた私がたった4つの事をやめただけで、誰もが羨む男性に求婚されました。

作者: 草ふぐ

 私は、A子。30歳独身。生まれてから一度も男性と付き合ったことはない。


 顔はブスとまではいかなくても地味。


 胸もCカップと、ツルペタ好きにも、巨乳好きにも見向きされない中途半端なサイズ。


 体型は下半身がどうしても痩せにくい、中肉中背。



 A子は、男嫌いというわけではない。むしろ早く結婚して家庭を持ちたい。そのためだったら、整形以外は何でも積極的にしてきた。


 流行の服、髪型、メイクで武装して合コンにも、週2で通っていたが、彼氏は出来なかった。




 たまには、「A子さんって、よく気がついて、優しくて性格も穏やかで、タイプなんです!」と言う男に告白もした。

「ごめんなさい。一緒に居てもつまらない人とは……無理です」と返答された。


 タイプの女性と付き合いたい女性は違うようだ。




 ある売れない舞台役者に貢いでいた時期もあった。欲しいと言うものを何でも買い、自分は食費を切り詰め、貯金もおろして何とか気を引こうとした。


 買ってあげたものがフリマアプリで売られていた時は、落ち込んだ。


「売るくらいなら、金をせびろ!」と怒鳴ってやったら……「それじゃ五万ちょうだい」と返答された。


 そんな学習能力は求めていない。




 会社の後輩を面倒を見ていたとき、「A子先輩。いつも親切にしてくれてありがとうございます。今度一緒に飲みに行きませんか?僕がお礼に奢らせて下さい」と健気な事を言ってきた。


 居酒屋だと思っていたら、きちんとしたレストランを予約してくれていた。脈があると思いA子から告白をした。「ごめんなさい……彼女と同棲しています」と返答された。略奪愛までは求めていないA子は諦めた。


 翌日、会社ではA子が告白した事を殆どの人が知っていて、笑い物にされた。A子はその会社をやめた。




 そんな体験ばかり30回もしてきたA子は、もう結婚なんて出来ないと悟ってしまった。




 寂しさを埋めるため、ゴールデンレトリバーを飼った。


 一緒のベットで寝れる大型犬がA子を癒やしてくれた。


 ①人間からの愛情を求める事をやめた。




 可愛い愛犬が、顔を舐めてたり、抱きついたり、甘えてくるので、ゴールデンレトリバーに合わせるようになった。


 ②過度な化粧や高額で派手な衣服をやめた。


 オーガニックの化粧水やファンデーションに変え、普段着は、デニムにTシャツやパーカーに変わった。




 手料理や一人旅行の写真をSNSに掲載して、出来る女を演出していた。


 いいねが付いたかどうか、1日何回もスマホを開いてチェックしていた。


 ゴールデンレトリバーはさらにSNSのネタになるはずなのにA子はあまり写真を撮らなくした。


 ③SNSを全てやめた。


 ゴールデンレトリバーの散歩をしているおかげか、体は健康的になり、下半身もスッキリした。


 SNSチェックに当てていた時間は、自炊する時間や読書になった。




 A子は、都会を離れて田舎暮らしをすることにした。


 ゴールデンレトリバーにいい環境になるだろう。


 もう都会で出会いを求める必要も無い。


 物価が安い場所で健康的な生活をしようと考えた。


 ④都会暮らしをやめた。


 田舎暮らしでは、ご近所さんとの付き合い、村の行事での料理の手伝い。


 周囲によく気が付き、自炊で磨かれた料理の腕、性格の良さが村のお婆ちゃん達が見逃すはずは無かった。




 ある祭りの夜、誰もが振り向く男性が居た。A子は初めて見る男性なので、この村の住人では無いことは間違いない。


 その男性がA子の前に歩いてきて、「A子さんのことは、お婆ちゃんや村の色々な方から聞いています。何も取り柄がない者ですが……結婚を前提にお付き合いして下さい」


 生まれて初めての状況に戸惑ったが、A子は交際を受けた。


 村のお婆ちゃん達の女性を見る目は厳しい。目に入れても痛くない可愛い孫の嫁となるのだ。


 料理が出来て、気立がよく、周りのことによく気が付き、子供を産む骨盤もしっかりしている体と村のお婆ちゃん達に認められていた。後は、誰の孫が一番相応しいかを決めるだけだった。


 選ばれた男性は、誰もが知る企業の起業者であり、最近リモートワーク中心になったため、地元に戻ってきたばかりだった。


 処女だったA子は、初めての夜、交際相手に感激された。今まで誰にも抱かれなかったことを初めて運命に感謝した。




 A子は、たった4つの事をやめて、社長夫人の座を射止めた。

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