2人宿屋で…
「ふぅ…美味しかったですねティアナさん」
「ええ美味しかったわ…さてじゃあこれからの事を相談しましょうか」
そう言って彼女はベッドに座ってこちらを見てきた
「とりあえずの拠点は決まって、冒険者としてある程度は揃いました、あなたの能力も全てではないにしろ分かっています」
そうして現状を言葉にして言ってきた
「どうやって魔王を討伐を目指しましょうか…」
「正直魔王とかどうでも良いから、のんびり暮らしたい…」
「……はい?」
自分に正直に言ったら女神様はアホみたいな顔をしてこちらを見てきた
「いや…だってさ?よくよく考えてみたら魔王倒す義理なんてなくない?」
「でっ…でも…それだと使命に背くことになりませんか」
「まぁいずれちょっかい出してきたら倒すかもしれないけどさ、少なくともこっちからは行きたくないかな〜」
「ど…どうしてですか?」
と不安そうに聞いてきた
「だってさ?自分が管理してる世界の魔王を倒すために無理やり殺されて一方的に連れてこられて?なんの情報もなくスキル渡したら異世界に直行、圧倒的なまでに天から目線でスキルを選ぶ時間すらもケチるし、まず人に物を頼む態度じゃない、自分の部下に対して常にパワハラしてるし、それにどうせあのクソ女神の事だから魔王倒してもそれに対しての報酬なんてないでしょ?あと少なくとも魔王を倒してあのクズの神としての評価が上がるのが全く理解できない、以上だけど何かある?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
自分の元上司の悲惨さに頭を抱えて謝罪してきた
「いやまぁティアナさんはむしろ被害者側ですし、ティアナさんを連れてくるって決めたのは俺ですしね」
実際この世界の情報も欲しかったし、嫌がらせを受けてる可愛い子がいたから悪いことなんてないしね
「では…何をするのですか…?」
「とりあえず今は自分達がなにを出来るかを確認しつつ、生活基盤の安定かな〜、出来れば平和にスローライフ(時々冒険)したい」
「なんだか…頭が痛くなってきました…あなたの基本方針は決まったので…わたしはもう休んでもいいでしょうか?」
想定していた目標が遥かに彼方に吹き飛んだからか頭を押さえて項垂れていた
「そうですね…まだこっちに来て初日ですし休みましょう、俺はまだやる事があるので先に休んでてください」
言い終わると彼女はベッドへと入っていった
「あ…あと、これから一緒に冒険者していくんだからもっと砕けた感じで大丈夫ですよ」
これから一緒なんだし彼女にはもっと肩の力を抜いてほしかった
「善処…します、冬利さん」
そう言うと彼女は疲れていたからかすぐに寝息が聞こえてきた
「さて…色々試すか」
そういってアイテムボックスから鉄クズを取り出した
その1つを手に取り形状を頭でイメージして錬金術を発動した
(出来た…か)
手に持っていた鉄クズは少し光、形状を変化させ鉄の指輪へと姿を変えていた
話術 F
錬金術 F
ステータスを確認したら項目が増えていた
(話術って…さっきティアナさんに気楽に話すように少し話してたからかな?…まぁいいか)
そう考えながら持っていた指輪を今度は小さなインゴットにしてみた、これを何回か繰り返しているとステータスに表示されていた項目が更新されていた
錬金術 E
(成長の速さどんなもんかはわからないけど…とりあえずいけるな)
そう考えて次はクズ鉄追加してネックレスをイメージして錬金術を発動……形状をネックレスへと変えていく
そうして大きさや形状、意匠を工夫しどんどん錬金術を試していく
そうして夜も更けてきた頃
ついにその瞬間がきた
錬金術 S
(上がっちゃったかぁ…)
と内心思いながら手にあるものを鑑定する
『皇鉄のブレスレット』
力上昇
耐久上昇
器用上昇
毒耐性
精神耐性
(クズ鉄から考えるとぶっ壊れてるよなぁ…)
スキルのレベルが上がったからかなり精密な錬金が出来る様になった
(そうなるなら…布が欲しくなるな)
そう考えていたらふとアイテムボックスの中のゴブリンの事を思い出した
ゴブリンを出すと着ているぼろぼろな布で出来た腰巻きを外した
(ついでに魔石取ってみるか)
ナイフを取り出し胸にある魔石を取り出した、残った死骸はアイテムボックスにとりあえずしまっておいた
取り外した腰巻きを錬金し汚れ等を取り除き綺麗な布にし、クズ鉄を錬金し繊維状にしていくなかで
(魔石…かぁ)
と若干の眠気で思考が変な方に向かっていき、異世界なんだから混ぜられるんじゃないかな…と考えたのがいけなかった…
一旦鉄のインゴットを錬金し、そこへゴブリンから取った魔石を混ぜて錬金したのだ
出来たインゴットを鑑定すると
『魔鉄のインゴット』
魔力を含んだ鉄
これを繊維状にし、綺麗にした布と一緒に錬金しローブを作った
空色のローブが出来た
『対衝のローブ』
物理耐性
魔法耐性
魔力上昇
(俺…何やってんだろ…)
そう思いつつ、材料が無くなったので次の検証に移った
まずは各属性の魔法を習得した
そして魔法を小さく発動し、対となる属性をぶつけて相殺、と言う作業を繰り返しスキルのレベルが上がればより精密に操作していった結果
火属性魔法 S
水属性魔法 S
氷属性魔法 S
雷属性魔法 S
土属性魔法 S
風属性魔法 S
光属性魔法 S
闇属性魔法 S
(完全にやらかしてるな…これ……)
そういって自分の現在のステータスを確認したところで意識がシャットダウンした
友月冬利 LV3
19才 男
力 B
魔力 S
耐久 B
器用 S
敏捷 B
運 S
称号
可能性への挑戦者(変更可能)
スキル
火属性魔法 S
水属性魔法 S
氷属性魔法 S
雷属性魔法 S
土属性魔法 S
風属性魔法 S
光属性魔法 S
闇属性魔法 S
錬金術 S
短剣術 F
剣術 F
双剣術 F
大剣術 F
盾術 F
槍術 F
弓術 F
杖術 F
槌術 F
話術 F
身体強化EX
言語理解
アイテムボックス
鑑定
成長率増加
そうして夜が明けていった