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目が覚めたら…

ふと目が覚めると、知らない部屋にいた


「俺…刺されて死んだんじゃ…?」


自分の腹部を見てもそこには何も無かった、しかし痛みの記憶も呼吸のし辛さも覚えている。そうして自分の状態を確認していると後ろから女性の声が聞こえた。



「お前は死んだ、というかこっちに来てもらうために私が殺した」

女は放漫な態度で言い放った。


「は?」っと意味が分からず声の方を向いた



「馬鹿じゃないんだから直ぐに理解しろ、お前はこれから私が任されている世界に行って魔王を倒してくるんだ」

女はそう言いながら捲し立ててくる。



「でも俺、普通の人間ですよ‼︎そう言ったラノベとかも読んだりしてますけど…何か能力的なものは貰えるんですか?」


そう言ったサブカルチャーも色々と見てきたからわかるが、チートな能力でもないとやってられないというものも色々あったりした。



「チッ…なんでこんな貧弱な者に力を授けてやらないといけないのかは甚だ理解出来ないが…これも仕事だ…おい‼︎ティアナ‼︎本を持ってきなさい」

舌打ちをしながら嫌々という感じに誰かを呼んだ、すると後ろの扉から1人の女の子が出てきた


「は…はい‼︎フィルミヤ様、こ…こちらに」

出てきた女の子はビクビクとしながら、フィルミヤと呼ばれた女に分厚い本を持ってきた。


本を受け取ると女はこっちに向かって放り投げた。

「ほら…早くこの中から3つ選びな‼︎それがお前の力になる」



女神?みたいな奴にこんな態度を取られながら魔王を倒して来い?とか言われても正直気乗りなんてしないし、全然今の状況の整理も出来ていない、もっとゆっくり整理させてもらいたかったが、女神?が早くしろと目で訴えてきている。


「ちょ…ちょっと待ってください」

と本を開いた



本の中には


職業

勇者

剣聖

賢者…


スキル

火・水・風・雷・土魔法…など


その他

成長率増加

言語理解

アイテムボックス…等


よくそう言ったジャンルでよく見る物が書いてあった、しかし本の初めの数ページでこれだけ書かれている、全部見ていたらあの女は多分キレてくる…

だから飛ばし飛ばしページを見ていると、ふと気になった文字が目に入った…



『全部』



そう書かれていたのだ…手書きで…

これはあの女に確認した方がいいのか?と顔を上げたら



「ほら決まったのなら早く言いなさい‼︎どれもお前みたいな者には勿体ないものばかりなんだから‼︎」

とあくまで天から目線で来たので少しイライラしてきた


「あの…これから行く所の情報とかは…」

と少し冷静になれたのか、必要な情報を確認してみた



「そんなことお前は気にすることではありません‼︎お前は魔王を倒す事だけ考えてればいいのです‼︎その為だけにお前をあっちの世界で死ぬようにしたのです‼︎」

とヒステリックを起こした様に言ってきたのだ



さらっと初めは聞き流してしまったが衝撃的な事を言ってきた上に、そんな事も確認させてもらえないのかと思っていたら、本を持ってきてくれたティアナ?と呼ばれた女の子が様子を伺いながら言葉を発した



「えっ…えっとフィルミヤ様…それは転移者様にはお伝えした方がよろしいかと……前に何も聞かせずに送った方は3日でお亡くなりになりましたし…」と中々に悲惨な前任者の情報を漏らした


「あ…あれでしたら私が彼に説明を…」

と言ったところで女神?が彼女に当たり散らす様に怒鳴り始めた


「あんたは‼︎わたしの‼︎言うことだけ聞いてればいいの‼︎これだから下級女神育成法とか嫌なのよ‼︎そもそもなんであんたはまだここにいるの‼︎本を持ってきたなら下がりなさい‼︎」


「は…はい…すみません」

と頭を下げて、入ってきた扉へ戻ろうとした





この女神?に殺されていきなり魔王を倒してこいと言われ、散々天から目線で命令され、まぁ死んでしまったのに転移させてくれるというなら一万歩ぐらい譲ってもと思ってたけど、可愛い女の子に明らかなパワハラなんて胸糞悪かった


正直こんなギャンブルな事はしたくないし、手堅くいきたい…けどあの女の子助けてあげたいと思ってしまい、女神?に取引を持ちかけた



「この本から選べる能力は一つで良いから、彼女をこれから行く世界にナビゲーターみたいなお供として連れて行けないか?」


それを聞いた女神?は

「アッハハハハハ…いいわねそれ‼︎あんたにもうんざりしてたからね‼︎」と嗤った

「良いわよ‼︎下級女神なんて微々たる力しか使えないし、上にはあたしからちゃんと報告してあげるわ」


突然の事にオロオロしている女の子に俺は

「色々あると思うけど一緒に来てくれるかな?」

と言うと女の子は信じられないという顔をしながらコクリと頷いてくれた



「それじゃ決まったみたいだから送るわよ‼︎選んだ一つの能力と駄女神で精々私の使命を果たしなさい‼︎」

そう言って女神?は俺とティアナと呼ばれた女の子を転移させた





「く…くくく…あ〜馬鹿みたいななやつもいたわね〜まぁわたしとしてもウザったいやつを押し付けられたし〜いいわ上にはあいつが自分から行きたいと志願したって報告ね」

女神?は良い気分になったようで部屋を離れた



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