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♯008 そんなことして大丈夫なのはマンガなどの架空の中だけである

11/9

000〜0007まで修正と追加加えました。

 「郷耶、お酒は大人になってからだよ…。」


俺は今、姉に軽く(とが)められている。

簡単にいうとビールに口をつけたからなのだが別に飲むつもりではない。

本音でいえば、“あんな事”があった後だからやけ酒したい気分ではあるが今は未成年だし、これは料理で使う為に合うかどうかの“調味料の味見”である。


「久姉、勘違い。シチューの肉を煮込むのに合うか確認しただけだよ。」


そう言いながらビールをドボドボ鍋の中に入れていく。


「!!えっ!郷耶、ごめんなさい。」

「あぁ、謝らないで。勘違いされる事をしたのは僕だから、それに間違いは誰にでもあるから気にしないで。」


鍋に入れるのを見て申し訳なさそうに言ってきた姉にそう答え“いつもの癖”で料理していたのはまずかったと反省していた。

なぁそれで“あれ”どうなったの?そうだな…“あんな事”を語るのに少し話しを戻そうか。



結論から言うとどうにもならなかった。

どうならなかったというと


『条件が整いました。』

『久永 レベル1 調教育成中』


『………………は?』


唖然(あぜん)とした俺は我に帰ると同時に人目を気にすることを忘れてステータスの調教の詳細確認を行った。


調教 レベル1

[レベルに応じて目的に応じた訓練をすることに長けたスキル。あなたがおもうがままに。1ゲッチュ。]

久永 レベル1

[調教育成中。状態=溺愛。身体パラメーター補正1%上昇。]


調教スキルの下に合体するようにくっついていた。

すかさず“調教”をOFFにしたらOFFにできたが“久永”は何度やってもOFFにできなかった。


『………久姉ゲッチュ。姉ブリーダーになっちゃった……じゃ、ねぇ――――――――――。しかもこれステータス補正がついている。それにOFFにならない。自動とかついてなかったし特殊なやつ以外、大丈夫なんて甘く考えてた俺が馬鹿だった…過去の自分を殴りたい。調教はOFFにできたから…もう増えないと思うが…調教のように他者が対象になるものは今後、特に注意が必要だな…隷属とか広域力のありそうな人身掌握とか…。久姉の件はとりあえず保留にするしかないか……。ハァ…そろそろ精神耐性だけじゃきつくなってきた、何か精神を安定させるスキルでも欲しいところだ……。』


そんなことを考えていたらいまだにリビングに来ない俺を呼ぶ声が聞こえてリビングに向かい一旦荷物を置いてから部屋で着替えてきて、それから料理をしていた。

部屋に戻ってから?………ああ、やったさ、やりました。

部屋に戻った時に消えないか…連打した…保留とか言ったけどそう簡単に諦められなくて…無駄だったけど………。

それで、今現在の料理中に戻るわけだが…。

シチューの仕上げにゆっくりかき混ぜながら生牛乳を加えて後はハンバーグを焼くだけにしたところで


「ただいまー。」

「凜華お姉ちゃんお帰り〜。」

「凜ちゃんお帰り。」


あの時、“俺を見捨てていった金髪少女”が帰宅してリビングに入ってきた。

この少女の名前は、篠宮 凜華【しのみや りんか】、16歳、高1、身長171㎝、B89W58H85、髪はサラサラの金髪、両側を縛ってツインテール、目の色は蒼く目元はっきりし少し目尻が上がった整った顔立ちである。

肌は妹程ではないが西洋人よりの白い肌をしていて

足がスラッとして長い。

服装はブレザーで紺色に袖口と襟の部分に赤のラインが入っていて赤いネクタイをしている。

正直言えばド・ストライク、もっと言えば五年前の彼女に会いたかった……。

お前のロリコン具合も大概(たいがい)だと?いいんだよ、俺は環境に優しいロリコンなんだから。

さて、話しを戻すがリビングに入ってきた彼女にお帰りの挨拶をしようとしたら目が合うと同時にスタスタ近づいて俺の前にやってきた。

彼女の状態なんだが何か犬猫を撫でようとしてソワソワしているような人の感じがする。


「凜姉おか…」


よくわからないが俺の前にきた彼女に挨拶をしようと“凜姉さんお帰りなさい”と言ってる途中でなぜだか、いきなりガバッと抱き締められた。

抱き締められたで気づいた人はいると思うが、そう…今、俺の顔は彼女の胸の中…本日2度目の窒息プレイである。


『わーおっぱいだー、柔らかーい……じゃね―――!本日2度目のこのパターンか!!この()クールかと思ってたのに。てか、待て待て何か抱き締められるようなこと、俺言ったか?』

「ん〜♪凜姉だって♪」

『そこか―――!』


抱きつかれてすぐのまだ息が大丈夫なうちに“そろそろ離れてくれませんか?”と意思を込めて背中をタップしようとした矢先


「もう郷耶がいきなりで困っているでしょ。」

『待て、今この状態で話し…』


久姉による凜姉への呼び掛けに対した俺の思考途中、呼び掛けに応じた凜姉が、久姉の方をグルンと向く…俺の頭を胸の中にがっちり固定された状態で…


『く〜〜〜〜ぅ痛って――――――!ヤバかった!!自分で凜姉が振り向く方向に跳躍しなかったら首の骨、逝ってたかもしれん。人の頭、固定した状態で急な方向転換してんじゃねぇよ、殺す気か!!そんなことして大丈夫なのマンガとかの空想の中だけだぞ。あと久姉は人の事、言.え.な.い。』


ファーストコンタクトが失敗に終わり、ヤバイな本気でなんとかしないと………窒息意外で死ぬ可能性がある……だからといって悪意やわざとなわけではない女性に手を出すのも気が引けるし…男なら重症負おうが迷わず攻撃するのに…と思っていたら


「凜お姉ちゃん、お兄ちゃん苦しそうだよ。」

「えっ?あっ悪い郷耶。」


天使が降臨した。

俺は詩音の一言でようやく解放されたのだった。



「凜姉にも殺されかけた…。」


解放されると同時に距離をとってジト目で凜姉を睨みながら目にわざと涙をためて“にも”の言葉を強調して意趣返し(いしゅがえし)をするつもりで演技を(おこな)った。


「いや、抱き締めただけじゃん?殺されかけたは言い過ぎだろ。」

「郷耶……私も?」

「……………。」


不思議そうに聞いてくる姉達と静かに話しを聞いている妹。

意趣返しのつもりだったが本当に解ってないようなので今後(俺の生命)の為にもとどめを刺して矯正しておくことにした。


「可愛がるのにも限度があるよ。相手の事を全く考えないで自分本位でやられる方はたまったものじゃない。胸に顔を押さえつけられて息ができなかったよ。それに凜姉が頭を固定したまま反転するから首の骨が折れるかと思った。」


「「「!!!!………」」」

「きょ、郷耶ごめん、だ…大丈夫か?」

「えっ?あっ…郷耶ごめんなさい。郷耶…お姉ちゃんを…嫌いにならないで。」

「うっあ"…お…にい…じゃ〜ぁ〜ん。」


その言葉を聴き意味を理解して、自分に思い当たる内容に血の気が引く姉2人と何が殺されかけたのか理解して泣きはじめて抱きついてくる妹………自分で作り出した状況とはいえ…カオスだった。



あの後、姉2人は謝罪して以後気をつけるようにしてもらうという話でまとまった。

だが、妹がべったりで離れようとしない状況ができあがっていた。

よくよく考えれば詩音は、年齢の割には時たま幼い行動が見受けられる。

まあそこらへんは俺が治していけばいいだけの話であるがと思いながらソファーの上で詩音の頭を撫でていると電話が鳴って母親が今日は帰ってこれない知らせがあった。

それで先に食事になり食事が終わる頃には妹は上機嫌に戻って落ち着いたようで風呂を済ませて姉妹との談話を楽しんだ。

ああいうことは、小さい子の前でやるもんではないなと反省しながら。

そんな感じでスキル取得もなく4時間程たち、現在は21時20分を回ったところである。


『しかし…転生した初日からハードな1日だったなー。結局、母親とは遭えずに終わるし。明日はブラッと町の探索でもするか。』


そう思いながら俺はソファーにもたれ掛かるのだった。


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