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聞こえたのはなんだったかな

作者: 六花な

聞こえたのはなんだったかな

そうだ チャイムの音

そして私は涙した

チャイムの音を聞いて、涙した

それは懐かしくて

あの今以上にガキくさかった頃を思い出して

頬を熱い何かが伝ったんだ


あなたは私がそんなだったとき、何をしていたのだろう

ききたいけれど、ききたくない

当たり前

自分のを言いたくないのに、どうして聞こうとする

気にならないって言ったら嘘

今はそうでもないけれど

最近までは気になってしょうがなかった

これも嘘

今も気になって仕方ない

頭によぎるのは、いつもそれ

ききたいけれど、ききたくない


聞こえたのはなんだったかな

そうだ 雨の音

そして私は憂鬱になった

雨の音を聞いて、憂鬱になった

それは今から行くところを

今から行く学校という教室という場所を想像して

心がずんと沈んだんだ


聞こえたのはなんだったかな

そうだ 胸の音

そして私に微笑んだ

胸の音を私は、自覚した

それは不整脈であって

表面下に荒らぶる感情の動きをはっきり表して

頬を何かが熱くさせたんだ


あなたは私がそんなだったとき、何を思っていたのだろう

わざわざ聞くまでもない

表の顔に出せてないだろう私にかわり、あなたはわかりやすく表しているから

それにうれしく思う反面、湧くのは反対の感情

人に自ら触れるのは大丈夫

けれど人からはなぜか緊張するし、こわい

たとえあなたでも、それはあるみたいで

ごめんなさい

これを言ったらなんと答えるだろうか

わざわざ考えるまでもないかもしれない


特別なことはない

すべての原因は、盲目な自分自身にあったのだから

けれど、掘り返したくもない

どういう原因であれ、あのとき感じた情は根強く残っているから

少しでも突っつくと ほら

頬に何かが伝う

変われない

どうして変われないの

そんなの聞くまでもない

変わったのは雨が憂鬱になっただけ

雨を 嵐を 感じて笑ったのは

あの頃の私

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