彼について
彼のなにもかもが好きだ
まっすぐに前を見つめる、湖の面のように深く静かな瞳
乾いて荒れた寡黙な唇
引き締めた頬
砂塵に乱れた髪のひとすじ一筋さえが愛おしい
血にまみれ命を屠っても汚れることのない腕と
その魂が求めるもの
彼を駆り立てるもの全てに
私は嫉妬する
私は彼を渇望し、彼のその腕を夢見る
その指先はひび割れているだろうか
しかしその指先は限りなく優しく
愛しい者の肌をまさぐることだろう
それは私ではない
ただひとりのためのもの
天涯にひとり
己が何者かも知らず
友を失い帰るべき場所さえ奪われ
それでもその心には一点の染みさえなく
ただ戦うために旅ゆく彼の
寄り添う影にさえ
私のこの飢えた心は憎しみを覚えるのだ
「私」の「彼」に対する、偏愛とも妄執とも呼べそうなモノが如実に表れている一編w
02/01/06、某所へ投下したもののようです。
※「彼」は既存のキャラクターですが、本編は「原作」には関係がありません。原作に思い当たった方もきっとナニガナニヤラでしょうし、その「関係のなさ」は原作の二次を求めて読まれた場合には怒り出すレベルかと思うので、原作名は書かずにおきます^^;
ただ、オリジナルを標榜できる作品ではないことは、書き留めておこうと思います。