01.幽霊の様な私
『ねえ、また来てるよ』
『やだあ…いつまで来るんだろ……』
『早く、居なくなって欲しいよね』
『なんで、あんなヤツ生んだんだよ!』
『うるさいわね!…私だってあんな不気味な子供、うみたくなかったわよ!!』
―――――幽霊が、視えるなんて―――――
カツ、カツっ
狭い通路の中、肌寒いような雰囲気がする。
私は、周りの人とは違うらしい。
何せ…――
[うっはあ~!!見て見て湊ちゃん!これ、すっごいキレイだよ!]
「…そうだね。」
隣に居るこの幽霊が視えるのだから。
■ □
妖怪、物の怪、化け物、幽霊…。
一般には見れない[モノ]が私には見れるらしい。
そう気がついたのはずっとずっと前の事だ。
まあ、その頃には既に周りに怖がられて誰もいなかったのだけど。
親戚も、友達も、両親でさえも。
『気持ち悪い』
後ろ指を指されて何度も言われた。
『死んでしまえ』
泣けてくるくらいに言われたその言葉に……
私の涙は枯れ果ててしまっていた。
[ねえー!!湊ちゃん、聞いてるのー!?]
「聞いてるよ、コタ。キレイね、その石。」
[でしょでしょ!?いっち番始めに湊ちゃんに見てほしかったんだ!!]
「ありがと。」
だけど、涙は枯れてしまったけれど、こんな温かくて、笑顔にしてくれるものがあるなら…たとえ、『人』じゃなくてもいいと思っている。