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異世界美容整形クリニック  作者: ルーツ


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5/26

ope5.たかが一ミリ、されど一ミリ。

倉庫改め、異世界美容整形クリニック。


その中央の手術台には──


エルフの女性、リリアが横になっていた。


周りにはオークたちが集まっている。


「エルフが整形するのか……」


「族長の時みたいに骨折るのか?」


「顔なくなるんじゃないのか?」


ざわざわと不安そうだ。


しかし須高は落ち着いていた。


「……野高くん」


「はい、先生」


「鏡を」


野高が手鏡をリリアに渡し、須高は言った。


「……自分の顔をよく見ろ」


リリアは鏡を見つめる。


「はい」


須高は鼻筋を指でなぞる。


「……ここだ。

ここが一ミリ足りない」


リリアは真剣な顔で頷く。


「やっぱりそうですよね」


オークたちは困惑している。


「どこが?」


「わからん」


「全部同じだ」


須高は腕を組んだ。


「…….素人にはわからないだろう」


そして言った。


「……だが美容とは、一ミリの世界だ」


須高の言葉に、野高が小声で言う。


「先生、かっこいいです……」


須高は鍛冶屋が作った器具を手に取った。


「……今回、骨は触らない」


オークたちが安心する。


「よかった……」


「族長の時怖かったもん……」


須高はリリアに言う。


「少し痛むぞ、耐えられるか?」


リリアは微笑んだ。


「エルフは痛みに強いです」


須高はゆっくりと頷いた。


「……始める」


オークたちが息を呑む。


須高は鼻筋を確認しながら、慎重に処置を進める。


しばらくして──須高は言った。


「……終わりだ」


「え?」


リリアが驚く。


「もうですか?」


「鼻は一ミリ上がった」


オークたちはざわつく。


「早すぎないか?」


「本当に変わったのか?」


須高は鏡をリリアに差し出した。


「……見てみろ」


鏡を見たリリアの目が輝いた!!


「うそ……信じられない」


「……どうだ?」


リリアは震える声で言った。


「先生……完璧です……」


オークたちが身を乗り出す。


「本当か!?」


「何か変わったか!?」


そんなオーク達を他所にリリアは嬉しそうに笑った。


「鼻筋が通ってて前より綺麗だわ!!」


須高は腕を組んだ。


「……これが黄金比だ」


そして完成されたリリアに向け一言。


「"パーフェクトだ"」


オークたちは理解していないが、とりあえず叫んだ。


「すげえええ!!」


「人間の医者すげえ!!」


リリアは深く頭を下げた。


「ありがとうございました」


そして言った。


「このこと、エルフの里にも伝えます」


須高は少しだけ笑った。


「……好きにしろ」


そこからリリアは村を去っていった。


───────────


それから数日後。


オークの村には、十人のエルフがやってきた。


「鼻を高くしたい」


「目を少し大きくしたい」


「顎のラインを整えたい」


そんな依頼に、須高は腕を組んだ。


「……忙しくなるな」


こうして


異世界美容整形クリニックは


エルフの間でも大人気になり始めた。

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