表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界美容整形クリニック  作者: ルーツ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/26

ope4.美しい故の悩み。

オークの村は、まだ騒ぎの最中だった。


「族長がイケメンになった!」


「顔が左右対称だ!」


「人間の医者すげえ!!」


村中が大騒ぎで、お祭り騒ぎのようだった。


そんな中──


村の入口に、一人の女性が立っていた。


長い金髪。

透き通るような白い肌。

そして特徴的な──


長い耳。


須高は腕を組んだ。


「……次はエルフか」


オークたちがざわめく。


「エルフだ!」


「なんでこんな所に!?」


エルフは少し緊張した様子で歩いてくる。


そして須高の前で立ち止まった。


「あなたが……族長の顔を治した医者ですか?」


「……そうだ」


須高は短く答える。


エルフは少し恥ずかしそうに言った。


「お願いがあります」


「……聞こう」


彼女は指で自分の鼻を触った。


「この鼻を……」


少し間を置く。


「もう少し高くできますか?」


さっきまで騒いでいた村が──


一瞬で静まり返った。


オークたちがざわつく。


「……は?」


「今なんて言った?」


「鼻を高く?」


須高は、エルフの顔をじっと観察した。


整いすぎているほど整った顔立ち。


人間なら、誰もが振り向く美貌だ。


野高も思わず小声で言う。


「先生……この人……十分綺麗じゃ……」


須高は腕を組み、ゆっくり言った。


「……確かに美人だ」


エルフの表情が少し明るくなる。


だが、須高は続けた。


「だが」


ピッと人差し指を上げる。


そして、エルフの鼻を指差した。


「鼻が一ミリ低い」


エルフの目が大きく輝いた。


「わ、わかるんですか!?」


オークたちは完全に理解できない顔だ。


「え?」


「どこが低い?」


「俺には同じに見えるぞ」


須高は指でエルフの鼻筋をなぞる。


「……ここだ」


「あと一ミリ高ければ、完璧なバランスになる」


エルフは感動したように言った。


「エルフの里でも誰も気づかなかったのに……!」


野高が小声で言う。


「先生……一ミリって……」


須高は首を横に振った。


「……美容とは、そういう世界だ」


エルフは嬉しそうに両手を合わせた。


「本当に可能なのですか!?」


須高は即答する。


「……この世に無理なことなどない」


その言葉にオークたちがざわめく。


「族長みたいに骨を折るのか!?」


「死ぬぞ!」


須高は首を振った。


「……違う」


そして力強く言った。


「これは美容整形だ」


エルフは首を傾げる。


「びよう……?」


須高は胸を張る。


「もっと美しくする医療だ」


エルフはしばらく考え──


そして真剣な顔で言った。


「お願いします!!」


須高は小さく笑った。


「ふっ……いいだろう」


「お前の希望、叶えてやろう」


そして野高を見る。


「次の手術だ」


オークたちがまた騒ぎ出す。


「また顔をいじるのか!?」


「人間の医者怖すぎる!」


「でも族長イケメンになった!」


須高はエルフを見た。


「……名前は?」


「リリア……です」


須高は頷く。


「リリア」


そして一言。


「君は──

世界一美しいエルフになる」


リリアの頬が、少し赤くなった。


そしてこの日。


異世界美容整形クリニックの二人目の患者が決まった。


患者第二号

エルフ リリア(鼻筋+1ミリ希望)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ