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異世界美容整形クリニック  作者: ルーツ


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3/26

ope.3 族長◯◯◯◯に。

三日後。


オークの倉庫は──見違えるほど変わっていた。


床は何度も水で洗われ、泥は完全に消えている。

中央には木の板で作られた即席の手術台。

横には鍛冶屋が作った金属器具が整然と並んでいた。


簡素だが──


確かにここは手術室だった。


そして手術台の上には、族長が横たわっている。


巨大なオークが乗ると、まるで岩の塊のようだ。


周囲にはオークたちがぎっしりと集まり、固唾を呑んで見守っていた。


「族長……」


「顔が戻るんだな……」


「ドラゴンに殴られる前の顔に……」


皆、真剣な表情だ。


──だが。


須高だけはいつも通り冷静だった。


「野高くん」


「はい、先生」


「麻酔」


須高の言葉に、野高は困った顔をする。


「先生……それが……」


「無いのだな」


須高は静かに頷いた。


「分かった」


そして族長を見る。


「……痛みに強いか?」


族長は潰れた鼻で笑った。


「ドラゴンに殴られても死ななかった俺様だ」


「痛みなど気にしない」


須高は小さく頷く。


「……始める」


オークたちが一斉に息を呑んだ。


須高は鍛冶屋が作った器具を手に取る。


重さを確かめるように軽く振る。


「……思ったより悪くない」


そして族長の顔に触れた。


「鼻骨……完全に曲がってるな」


族長が少し不安そうに言う。


「本当に治るのか?」


須高は即答した。


「任せろ」


次の瞬間。


──ゴキッ!!!


鈍い音が響いた。


「ぐああああああぁぁぁぁぁぁ!!」


族長の絶叫が村中に響き渡る。


オークたちが青ざめた。


「族長!!」


「死ぬ!!」


だが須高は冷静だった。


「……静かに」


族長の顔をじっと観察する。


「……鼻は戻った」


野高が驚く。


「先生……本当に……」


「次は頬骨だ」


再び──


ゴキッ!!!


「うぎゃあああああぁぁぁぁ!!」


須高は淡々と作業を続ける。


「ふむ……」


「顎の位置もズレているな」


「これは少し大きい」


須高は両手で族長の顔を掴んだ。


族長の目が大きく見開かれる。


嫌な予感しかしない。


「ま、待て……く……れ……」


須高は鋭い目で言った。


「……動くな」


そして──


ゴゴキッ!!!


村中に響く、今までで一番大きな音。


族長はその瞬間──気絶した。


オークたちは完全に凍りつく。


だが須高は静かに言った。


「……パーフェクトだ」


野高が淡々と告げる。


「先生、お疲れ様でした」


しばらくして、族長がゆっくり目を開けた。


「お……終わったのか?」


「……ああ」


須高は鏡を差し出す。


「見てみろ」


族長は恐る恐る鏡を見る。


そして──固まった。


「……!!?」


オークたちが不安そうに聞く。


「族長?」


「どうだ?」


族長は震える声で言った。


「……俺の顔が……」


「左右対称だ……」


村が一瞬、静まり返る。


そして次の瞬間。


「おおおおおおおおおお!!」


大歓声が爆発した。


「族長がイケメンになっている!!」


「ドラゴン以前よりカッコいい!!」


「人間の医者すげえ!!」


族長は鏡を見つめながら、小さく呟いた。


「……俺……こんな顔だったのか……?」


須高は腕を組んだ。


そして一言。


「……いや」


「以前より良くした」


再び歓声が上がる。


「神の医者だ!!」


「顔の神だ!!」


須高は小さく鼻で笑った。


「……次の患者は誰だ?」


その時だった。


村の入口から声が聞こえた。


「すみません」


全員が振り向く。


そこに立っていたのは──


金髪の女性。


透き通るような肌。

そして、長い耳。


「……エルフ?」


彼女は恥ずかしそうに言った。


「鼻を……少し高くできますか?」


須高は即答した。


「任せろ」


なぜエルフが噂を知っているのか。


そんなことは須高にはどうでもよかった。


患者が来るなら、治すだけだ。


こうして──


異世界美容整形クリニックの噂は、


ついに他種族にまで広がり始めたのだった。

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― 新着の感想 ―
どうやってオペするのかな?と思ったら、整復なんかーーーーーい!!めっちゃ力技で笑いました。
2026/03/14 16:47 髙山あきら
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