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異世界美容整形クリニック  作者: ルーツ


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22/26

ope22 騎士団来襲。

ドラゴン来院から数日後。


オークの村には──連日、行列。


だが、妙な静けさがあった。


野高が窓の外を見ながら言う。


「最近……視線を感じませんか?」


須高はカルテを書きながら答える。


「……気のせいだ」


その時だった。


村の入口から、硬い声が響いた。


「王国騎士団だ!!」


オークたちが一斉に振り向く。


「騎士団!?」


「なんでこんな所に!?」


現れたのは──白銀の鎧を纏った兵士たち。


そしてその中央に、一人の女性が立っていた。


長い金髪。


鋭い目つき。


鍛えて上げられた身体。


無駄のない動き。


野高が小声で言う。


「……只者じゃないですね」


女性は名乗った。


「私は王国調査官、セリス」


オークたちがざわつく。


「調査官!?」


「やばい人来たぞ!」


セリスは周囲を見渡し、言った。


「ここに“奇妙な医者”がいると聞いた」


須高は椅子から立ち上がる。


「……俺だ」


騎士たちが一斉に警戒する。


「人間だと……?」


セリスは須高を見つめた。


数秒。


沈黙。


そして言った。


「……お前がか?ドラゴンを治したという医者は」


野高が小さく息を呑む。


須高は答えた。


「……そうだ」


オークたちがざわつく。


「言った!」


「正直すぎる!」


セリスは一歩前に出る。


「報告では信じがたい内容だった。


オーク、エルフ、魔族……それに勇者御一行。


さらにはドラゴンまで。


本当に治療しているのか」


須高は腕を組んだ。


「……見ればわかる」


セリスは言った。


「では確認させてもらう」


その瞬間。一人の騎士が前に出た。


兜を外す。


そこには──大きく歪んだ顔。


古い傷跡。


左右非対称の顎。


野高が小さく言う。


「これは……」


騎士が言った。


(いくさ)でやられた、治るなら、治してみろ」


空気が張り詰める。


オークたちも息を呑む。


セリスが言う。


「これが調査だ」


須高は迷わなかった。


「……いいだろう」


そして一言。


「座れ」


─────────


手術が始まった。


騎士団が見守る中。須高はいつも通りだった。


傷の状態を確認する。


骨格のズレを把握する。


野高が言う。


「麻酔、いきます」


騎士たちがざわつく。


「何だそれは」


数秒後。


騎士が言う。


「……痛みがない?」


セリスの目がわずかに揺れる。


須高はメスを入れる。


慎重に。


確実に。


歪んだ骨を整える。


ズレを戻す。


皮膚を調整する。


時間が流れる。


そして──須高は言った。


「……終わりだ」


野高は鏡が差し出す。


騎士がゆっくりと見る。


そして──固まる。


「……俺の顔が」


そこにあったのは


戦傷の面影を残しながらも整った顔。


誇りを感じさせる顔立ち。


騎士は震える声で言った。


「戻っている……」


周囲がざわめく。


「本当だ……」


「別人だ……」


セリスが一歩前に出る。


騎士の顔をじっと見る。


そして──静かに言った。


「……完璧だ」


そんなセリスを須高は少しだけ目を細める。


セリスは須高を見る。


その目には、疑いはなかった。


「理解した、あなたは本物だ」


騎士たちがざわめく。


「認めた……」


セリスは続けた。


「王国はあなたを危険視している」


野高が緊張する。


しかしセリスは言った。


「だが同時に必要としている」


須高は聞く。


「……何の話だ」


セリスは一歩近づく。


「王都に来てほしい。王族の治療だ」


オークたちが騒ぐ。


「王族!?」


「やばいぞ!」


須高は即答しなかった。


しばらく沈黙。


そして──言った。


「……断る」


騎士たちが一斉にざわつく。


「なっ!?」


セリスの目が細くなる。


「理由は」


須高は言った。


「ここが病院だ。来たいなら来い」


数秒後。


セリスは、ふっと笑った。


「……なるほど、噂通りだ」


そして振り返る。


「撤収するぞ」


騎士たちが驚く。


「いいのですか!?」


セリスは言った。


「無理に連れてくる医者ではない」


去り際。


セリスは一度だけ振り返る。


「いずれまた来る」


その時、須高は一言。


「……待て」

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