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異世界美容整形クリニック  作者: ルーツ


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21/26

ope21 空の王者は規格外。

勇者パーティーは笑顔で去った。


その時だった。


──ドン……


地面が揺れた。


オークたちが顔を上げる。


「……今の何だ?」


──ドン……ドン……


重い振動。空気が震える。


野高が外を見る。


そして、固まった。


「先生……」


須高は椅子に座ったまま言う。


「……どうした野高くん」


野高は震えた声で言った。


「……来てます」


「……何がだ」


野高はゆっくり振り向く。


「……ドラゴンです」


次の瞬間。


影が落ちた。


巨大な翼。


圧倒的な存在感。


空からゆっくりと降りてくる──ドラゴン。


オークたちがパニックになる。


「逃げろ!!」


「焼かれるぞ!!」


「村が終わる!!」


しかしドラゴンが暴れる事はなかった。


静かに着地する。


ズンッ。


土煙が舞う。


そして低い声で言った。


「……医者はいるか」


須高は立ち上がり、外へ出る。


オークたちが止める。


「先生やめろ!」


「死ぬぞ!」


だが須高は無視した。


ドラゴンの前に立つ。


見上げる。


「……俺だ」


ドラゴンの巨大な目が須高を見下ろす。


数秒の沈黙。


そして──ドラゴンは言った。


「顔を治してほしい」


オークたちが固まる。


「え?」


須高は聞く。


「……症状は」


ドラゴンは少し苛立ったように言う。


「炎を吐いた時に失敗した」


野高が小声で言う。


「事故ってますね……」


ドラゴンの顔の一部が歪んでいた。


鱗が崩れ、片側だけ膨らんでいる。


須高はじっと観察した。


そして言った。


「骨格の歪み」


「鱗の損傷」


「軟部組織の損傷」


ドラゴンが目を細める。


「治せるか」


須高は即答した。


「治せる」


オークたちがざわつく。


「ドラゴン相手に言ったぞ……」


野高が小声で言う。


「先生……サイズが……」


須高は言った。


「……問題ない」


そして振り返る。


「……手術台を拡張する」


ドワーフたちが叫ぶ。


「任せろ!!」


その日。クリニックの裏庭に、巨大手術台が作られた。


────────


数時間後。


ドラゴンが横たわる。まるで山のようだった。


野高が言う。


「先生、麻酔いきます」


須高が頷く。


「スライム麻酔、増量」


巨大な注射をドラゴンに打ち込む。


数秒後。


ドラゴンの目がゆっくり閉じた。


「……効いた」


オークたちが歓声を上げる。


「ドラゴンが寝た!」


「すげえ!!」


須高はメスを持つ。


「……始める」


手術が始まった。


鱗を丁寧に剥がす。


損傷した部分を整える。


歪んだ骨格を修正する。


ゴキッ。


ズレを戻す。


野高が言う。


「位置、正常です」


須高は頷く。


「……よし」


さらに鱗を整え、再配置する。


左右のバランスを調整。


完璧なラインへ。


数時間後。


須高は言った。


「……終わりだ」


ドラゴンの目が開くき、ゆっくりと起き上がる。


周囲が静まり返る。


ドラゴンは自分の顔を水面に映した。


そして──ドラゴンの目が見開いた。


沈黙。


数秒後。


低く呟く。


「……美しい」


オークたちがざわめく。


「ドラゴンが美って言った!」


ドラゴンは遠くを見た。


「炎」


口を開く。


ゴオオオオッ!!


美しく一直線に伸びる炎。


先ほどまでの不安定さは感じられない。


完璧な放射。


野高が言う。


「機能も戻ってます!」


須高は腕を組んだ。


「……当然だ」


そして一言。


「パーフェクトだ」


ドラゴンは満足そうに頷いた。


「礼を言う」


そして翼を広げる。


「この借りは必ず返す」


飛び立つ直前。ドラゴンは言った。


「我の名はヴァルグリム」


「覚えておけ」


バサァッ!!


巨大な風と共に、空へと消えていった。


静寂。


そして次の瞬間。


オーク達は大歓声。


「ドラゴン治した!!」


「世界最強の患者だろ!!」


「この病院やばすぎる!!」


野高は笑った。


「先生……ついにドラゴンまで」


須高は椅子に座りながら言う。


「……患者の種類は関係ない」


そしてカルテに書いた。


患者第十五号

ドラゴン・ヴァルグリム

(顔面損傷修復+審美調整)


その時だった。


空から、何かが落ちてきた。


ドサッ。


巨大な宝石の山。


オークたちが叫ぶ。


「報酬だ!!」


野高が笑う。


「桁が違いますね……」


須高は一瞥だけした。


「……次の患者は?」

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