ope20 勇者パーティだけレベルアップな件。
その日。
手術台の上にいるのは──勇者パーティの一人、勇者だった。
オークたちは信じられない顔で見ている。
「勇者が整形してる……」
「世界初じゃないか?」
野高が言う。
「先生、準備できました」
須高は勇者の顔を観察する。
「……顎が弱い」
勇者は少し傷ついた顔をした。
「そんなにか?」
須高は即答した。
「……英雄の顎ではない」
勇者は真剣に頷いた。
「頼む」
須高は言う。
「顎ライン形成」
「目元強調」
「鼻筋形成」
野高が驚く。
「フルコースですね」
須高はメスを手に取った。
「英雄の顔を作る」
オークたちが震える。
手術は静かに進んだ。
顎のラインを整える。
目元を少しシャープにする。
鼻筋を通す。
数十分後。
須高は言った。
「……終わりだ」
勇者は鏡を見る。
そして──固まった。
そこにいたのは、めちゃくちゃイケメンな勇者だった。
戦士が叫ぶ。
「お前誰だよ!?」
僧侶が驚く。
「勇者様がイケメン過ぎる!!」
魔法使いが言う。
「これはやばー!!」
須高は腕を組んだ。
「……パーフェクトだ」
勇者は鏡を見ながら呟く。
「これなら……魔王に勝てる気がする」
「……次だ」
須高の勢いは止まらない。
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引き続き──僧侶・鼻整形
次の患者。
僧侶だった。
僧侶は少し緊張している。
「鼻を少しだけ……」
須高は観察する。
「……なるほど。二ミリ低い」
僧侶が目を輝かせた。
「やっぱり!」
勇者たちは困惑している。
須高は処置を始めた。
今回は骨は触らない。
微調整。
ほんの少しだけ鼻筋を整える。
数分後。
「……終わりだ」
僧侶が鏡を見る。
そして──固まる。
「……すごい!!綺麗……!」
須高は腕を組む。
「美容は一ミリの世界だ」
僧侶は深く頭を下げた。
「……ふっ、次の患者」
須高の勢いは止まる事を知らない。
───────────
引き続き──魔法使い・小顔手術
三人目。
魔法使いだった。
魔法使いは言う。
「頬骨が少し……」
須高は観察する。
「……確かに」
魔法使いが驚く。
「本当に分かるんですね」
須高は言った。
「……削る」
オークたちが震える。
「また骨!?」
魔法使いは笑う。
「面白そう」
手術は静かに進む。
頬骨をほんの少し整える。
バランスを整える。
数十分後。
鏡を見る魔法使い。
そして──固まる。
「……やばー!!顔ちっちゃ!」
勇者が言う。
「美人が度上がってる」
須高は腕を組む。
「……パーフェクトだ」
魔法使いは満足そうに笑った。
「次、戦士か」
須高はこのままの勢いで四人目へと開始し始める。
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最後の一人──戦士・超シックスパック
最後の患者。
戦士だった。
戦士は胸を叩く。
「腹筋をもっと割りたい!」
野高が聞く。
「今でもすごいですよ?」
戦士は言う。
「もっとだ!」
須高は言う。
「……ミケランジェロだ」
オークたちがざわめく。
「また変なこと始まった」
脂肪を少し整える。
筋肉のラインを強調する。
数十分後。
戦士が鏡を見る。
そして──固まる。
そして叫んだ。
「うおー!!マジかよ!すげええええ!!」
腹筋は──芸術作品だった。
勇者が言う。
「石像みたいだ」
魔法使いが言う。
「神殿に置けそう」
須高は腕を組んだ。
「……完璧だ」
こうして勇者パーティーは、全員レベルアップした姿で魔王討伐へ向かうことになった。
オークたちは言った。
「なんか強そうになった」
「美容ってすげえ」
須高は椅子に座りながら言う。
「……次の患者は?」
その時。
クリニックの入口に
巨大な影が現れた。
「医者はいるか」
外にいたオークが叫ぶ。
「ドラゴンだ!!」




