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異世界美容整形クリニック  作者: ルーツ


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10/26

ope.10 "続"髭は威厳の象徴。

更にそれから──二ヶ月後。


異世界美容整形クリニックの前に、大きな影が現れた。


ドシン。

ドシン。


重い足音。


オークが振り向く。


「……ドワーフだ」


そこにいたのは──


ドワーフのガルドだった。


しかし、以前とはどこか違う。


野高が気づく。


「先生……あの方……」


須高は腕を組みながら言った。


「……来たか」


ガルドはゆっくりとクリニックの中に入った。


そして須高の前に立つ。


「医者」


低い声。


「約束の三ヶ月だ」


須高は椅子に座ったまま言う。


「……鏡を見ろ」


野高が鏡を渡した。


ガルドは自分の顔を見た。


そして──固まった。


「……こ、これは」


鏡に映る自分の顔。


そこには──見事に生えそろったヒゲ。


しかも以前より、太くて濃い。


中央の薄かった部分も、完全に埋まっていた。


ガルドの手が震える。


「俺の……ヒゲが……」


オークたちも覗き込む。


「おお!!」


「すげえ!!」


「ヒゲ増えてる!!」


ガルドはヒゲを撫でた。


ふっさふさだ。


そして次の瞬間──ドンッ!!


ガルドが机に拳を置いた。


オークたちがびくっとする。


だが、ガルドは叫んだ。


「パーフェクトだ!!」


クリニックに声が響く。


「俺のヒゲは……ドワーフ王国でも一番だ!!」


須高は腕を組んだ。


「……当然だ。俺がやった」


ガルドは須高をじっと見た。


そして深く頭を下げた。


「ドワーフにとってヒゲは誇りだ。それを取り戻してくれた」


須高は軽く手を振った。


「気にするな」


その時だった。


ガルドが言った。


「実はな……この話、王国に伝えた」


須高の眉が少し動く。


「……王国?」


ガルドは頷く。


「ドワーフ王国だ」


オークたちがざわつく。


「王国!?」


「そんなでかい国があるのか!?」


ガルドは続けた。


「王国の鍛冶王がな、お前に会いたがっている」


野高が驚く。


「鍛冶王!?」


ガルドはヒゲを撫でながら笑った。


「どうやら──王もヒゲで悩んでいるらしい」


クリニックの中が一瞬静まる。


そして須高は言った。


「……いいだろう、連れてこい」


ガルドは笑った。


「あはは!そう言うと思ったぞ!」


須高は椅子にもたれた。


そして小さく呟く。


「……次は王族の患者か」


こうして──


異世界美容整形クリニックにはついに、王国レベルの患者が訪れようとしていた。


患者第四号。

ドワーフ ガルド(ヒゲ植毛)


そして──


次の患者。


ドワーフ王国 鍛冶王(ヒゲ相談)

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