表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界美容整形クリニック  作者: ルーツ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/26

ope.1 神の手、異世界へ。

手術室には、いつも通りの静かな緊張感が漂っていた。


無影灯の白い光。

規則正しく鳴る心電図の電子音。

そして──日本一の美容外科医と呼ばれる男。


「メス」


低く落ち着いた声。


助手が即座に器具を手渡す。


男の手は迷いなく動く。


俺の名は──

須高すだ 克也かつや


年間三千件以上の美容手術をこなす、美容外科医だ。


「鼻尖形成。あと三ミリ。自然なラインで整える」


「はい、先生」


優秀な助手、野高のだか 友梨ゆりが頷く。


患者は人気モデル。

この手術が成功すれば、また一つ雑誌の表紙が決まる。


須高はメスを構えた。


その時だった。


──バチッ!!


突然、無影灯が激しく明滅した。


「停電だと……?」


手術室が一瞬、暗闇に沈む。


須高は野高に視線を向けた。


「バックアップ電源を──」


だが次の瞬間。


ゴオオオオオッ!!


眩い光が手術室を飲み込んだ。


──────────

───────

────。


静寂。


須高はゆっくりと目を開けた。


「……何だ?」


そこは手術室ではなかった。


石造りの天井。

壁には揺れる松明。

床は粗い石。


まるで──中世の城の中だ。


「せ、先生……」


震える声が聞こえた。


「この声は……野高くんか」


「は、はい……」


須高は上体を起こす。


「先生……周りを……」


「……ん?」


須高はゆっくりと視線を巡らせた。


そこにいたのは──


緑色の肌をした、巨大な男たちだった。


身長は二メートル以上。

剥き出しの牙。

筋肉の塊のような体。


そして、獣のような目。


彼らは須高たちを囲み、歓声を上げていた。


「おお!起きたぞ!」


「人間の治療師だ!」


「これで族長の顔も治る!」


須高はゆっくり立ち上がる。


そして目の前の存在を観察し、静かに呟いた。


「……オークか」


目の前にいる巨体の男。


潰れた鼻。

歪んだ顎。

左右非対称の顔面骨格。


須高は数秒間じっと観察した。


そして冷静に言う。


「なるほど」


「これは……骨格から直した方がいいな」


オークたちがざわめく。


「族長は昔、ドラゴンに殴られて顔が歪んだんだ!」


「助けてくれ!!」


須高は腕を組み、少し考えた。


「ふむ。麻酔は?」


「ない!」


「手術室は?」


「ない!」


「器具は?」


「斧ならある!」


数秒の沈黙。


須高は小さく息を吐き──


そして言った。


「よし」


「まず病院を作ろう」


─────────


その日。


世界初の


『異世界美容整形クリニック』


が誕生した。


患者第一号──


オーク族長(ドラゴンパンチによる顔面骨折後遺症)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
すいません、麻酔されたまま放置されたであろう患者さんを心配しております
モデルさんが心配
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ