第2話 陰陽師との出会い
翌日。
学校を終え、そのまま自宅には帰らず途中の公園で脱力する市香がいた。
クラス担当の先生と面談をしたものの、今の結果で新しい志望校は見つからなかった。
「はぁ…」
思わす出てくるため息。
失敗した原因は分かっている。しかし、それは先生にも母にも言えなかった。
『こそこそ…』
日が落ちた公園は薄暗く、人以外にも気配はあった。
目の前を黒い塊が過ぎ去っていく。
市香はいわゆる“みえる“人だった。
日常生活では無視するようにしているせいか、困ることはない。
しかし、受験会場では市香が思っている以上に怨念や生き霊、よくわからないものたちがはびこっていた。
「ああああ、もう!」
思い出してもイライラする。
集中していたというのに、そのよくわからないものたちは市香が見えるとわかると遊んできた。
消しゴムを落とす。
書こうとする鉛筆をずらす。
見ていたページを勝手にめくる。
時計をずらす。
最初の方は焦りパニックになったが、終盤には諦めが勝っていた。
それらをどうにかする術など、市香はもっていなかった。
とはいえ、元々好成績の自分ならそれなりの成績をなんとか維持できているのでは、という期待もあったが、それはおごりだった。
「もう……」
二次試験で取り戻すにしても、そこも同じ試練が待ち受けるだろう。
取り返せる自信が無い。
そして浪人してやり直しても繰り返す。
解決が見えなかった。
「…?」
見上げた空に黒い影が見えた。
嫌な気配もある。
その黒い影が何かはわからないが、こちらにむかってきているのは分かった。
――――死んでしまったほうが楽かな。
この苦しみから解放してくれるなら。
そんなことを思ってしまう。
静かに目を閉じた。
『ガキンッ』
てっきり痛みがくると思っていた。
しかし、その前に聞いたことのない音。
閉じたまぶたの裏が明るくなる。
思わず目を開いた。
「はい?」
市香の前には服の袂をはためかせた男が立っていた。




