前へ目次 次へ PR 13/107 三日月の夜 烏瓜(からすうり)の花が咲いたのは 山入端(やまのは)に 三日月が突き刺さったように見える夜 細裂した白い花びらの先が 複数の糸となり 無音で乱舞すると ゴシック模様が闇に浮かび上がった 模様はさらに進化して ニューロンのように触手をのばし 月の光をそのシナプスへと送りはじめる 無辺際(むへんさい)なる闇に広がる 白く美しい神経細胞のネットワーク それは 頭上の宇宙なのか 内側の宇宙なのか 銀色のナイフのような月は 夢でも見ていたかのように 消えていた ~~~~~~~~~~~~~