表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

プロローグ

「はぁー!もう、なんで俺が先生の代わりに、荷物取りに行かなきゃいけねえんだよ!マジふざけんなよあのクソ教師!死ね!」

俺が通う高校には空き教室が何個かあり、俺は今日が日直のため、そのうちのひとつの空き教室に荷物を取りに行かされている。

「ったく、自分の荷物くらい自分で持ってけっての。」

そう言い荷物が置いてある空き教室の扉をガラガラッと開ける。

扉の重さから長年使われていない教室だと分かる。教室は薄暗く、ホコリがまっていた。

「うわぁ、なんか気味悪。はよ荷物持って出よ。」

そう言い荷物を手に取ると

「……絵?なんでこんな所に絵が…。」

荷物の近くにあった一枚の絵に目を見開いてしまった。

俺の目に映る絵は、茶色い髪の色をした長髪の女と、少し赤みがかかった黒色の髪の毛の男がお互いに顔を見合って涙を流している絵だった。

「なんだ、これ…、夫婦か…?」

一見、暗いように見える絵だが、色使いで明るく見えるようになっている。

「すげぇ…。」

この絵からは夫婦がなぜ泣いているのかを想像させるよう、作者の意図が組み込まれているように見えた。

子供がいなくなり泣いているのか、はたまた、夫婦内で喧嘩でもしたのか。

そんなことを連想させる絵で見ていて面白かった。

その絵を夢中で見ていると

「それ、僕が描いたんだ。」後ろから聞こえた声にビクッとなってしまう。

後ろを振り向くとそこには筆をサッサッと動かし、絵を描いている少年が座っていた。

「その絵、気に入ってくれたんだね。」とその少年は嬉しそうに微笑んでいた。

俺は出会ってしまった。

夕焼けの斜陽がさす教室で、一人の少年と。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ